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  • 2016.10.28

「20年経ってるけど、今でもいっちばん好きな人」恵比寿セレブ妻の波乱万丈な恋人生

「オシャレな街にいる女子の恋バナが聞きたい!」と向かった中目黒で出会ったのは、美人でセンスのいい42歳の専業主婦女性。パワフルで華やかで気遣い屋と“完璧な大人”に見える彼女の波乱万丈な恋と人生を聞いてみた。

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©Poiboy

 駅前でナンパをし、恋バナを聞かせてもらうこの企画。「オシャレな街に行こう!」の合言葉のもと向かったのは、中目黒。
オシャレっ子たちに断られまくる我々を救ってくれたのは、馬肉屋さんに向かう二人組みのお姉さんでした。

「乾杯は泡で!」とシャンパンを頼み、さらにチェイサーにとビールを頼む。はじまりからして、前回の高円寺飲みと違い過ぎる…。
聞き上手な2人を前に、気づけばこっちが気持ちよく話を引き出され「いや、私たちじゃないから! 2人の話を聞きたいから!」を何度も繰り返す。オトナ感満載な、7時間に及ぶ飲み会の模様です。

ハナちゃん、42歳専業主婦の場合

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「こんなにも明るい人がこの世に居るのか!」というほどに、華やかでパワフルなハナちゃん。その面白さと人懐っこさに、年上の女性相手ながら“ちゃん付け”で呼べでしまう。
生まれも育ちも恵比寿で、建築士の旦那さんと今も恵比寿に住み、ヨガに通う専業主婦。そんな肩書きに「セレブや!」と突っ込みながら、ハナちゃんの恋と人生を聞いてみた。あまりのエピソード量とプロ顔向けの語り節は、映像でお届けしたいくらいだ。

「小6で163cmあったもんだから、そんな子がランドセルなんておかしいでしょ? 早々にランドセル捨ててマニキュアもして、先生に“あなたは不良です”って言われてた」

 恵比寿が実家となれば、小学生時代から遊ぶのは原宿。体の成長が早かった少女は、瞬く間に心も大人になっていった。

「中1のときに高3の部活のOBと付き合い出した。まぁ1年くらいで終わって、ほかの先輩とか、同級生とも付き合ったかなぁ。放課後は渋谷で遊ぶもんだから、補導されるのは日常茶飯事。“補導”って今の子も知ってる?」

 中1で高3に恋をされるほどの可愛さだ。よくスカウトされ、有名芸能事務所が自宅まで交渉にきたこともあるという。
そんな「自慢話」にもなるようなエピソードが「笑い話」として聞こえてくるのは、初対面の私たちをとことん楽しませようとしてくれる、気遣いハナちゃんの為せる技だ。
早熟で華やかな中学時代を経たハナちゃんはその後、高校を不順異性交遊で退学することになる。

パワフルに恋をし続けた、渋谷の女子高生

「高1の時に27歳と付き合いだしたんだけど、高校生だからさ、手帳のエッチした日に星マークなんてつけてたんだよね。それが先生に見つかって、教育委員会にかけられて、謹慎処分になった。すごいお嬢様学校だから、前例もなくて…」

 渋谷の109でバイトをしていたハナちゃんは、バイト先の上司と恋に落ちた。そして、謹慎処分となった。謹慎期間がテスト期間と重なっていたこともあり、単位が足りなくて退学処分となった。
ほかの高校を再受験しようとするも、退学となったのは年度末。ほとんどの学校の入試はもう終わっていた。唯一受けられたのが、偏差値30くらいの“バカ高”だった。

「都内の生え抜きの不良たちが集まってくる、クソバカ高。そこで初めて、やっぱ渋谷区は荒川区や江戸川区とにおいが違うな、と知ったよね」

 そんなネタのような言葉を吐いて、立て続けにお代わりを注文する。乾杯のシャンパンボトルは文字通り一瞬で空になった。
焼酎のロックをもう5杯は飲み干しているだろうハナちゃんの話術は、どんどん勢いがついていく。次々と変化する声色、七変化の表情。彼女の話を聞かせてもらっているこちら側が接待されているような気分だ。

 ふたつ目の高校に順調に馴染んでいったハナちゃんが次に恋した相手は、ホスト、だった。

「完全にハマって店に通えども、お金は無いから、洗い物を手伝ったりしてたよね。なかなか相手にしてくれなかったけど、最初で最後に一回だけ、卒業式の前の日に抱いてくれた」

 朝までホスト君の家に居て、そこから卒業式に行ったのが、学生としての最後の日だった。すんごい厚化粧とソバージュ、ショッキングピンクな口紅で卒業式に行ったという。そう、時代はバブルだった。

「高校の卒業旅行は香港とシンガポール。重くてしょうがないのに、ショルダーベルトもない大きいヴィトンのバッグを懸命に持ち歩いたよね」

 そうしてハナちゃんは、社会人になった。入社式には、ヒョウ柄のスーツで出席した。
≫パワフルに恋をしよう≪

彼のママと仲良くなりすぎた…人生で一番好きだった人

 高校を卒業したハナちゃんは、「心配をかけまくった母親に早く恩返しをしたくて」花形だった大手百貨店に入社した。
そして入社してすぐ、飲み会で出会った男と熱烈な恋に落ちる。
その男は、「今まで出会ったことないくらいにお前が大好き!」なんて素直な言葉をくれる、漁業に携わっている人だった。熱い彼にハナちゃんも一瞬でのめりこんでいった。しかし付き合って4カ月後、彼が実は既婚者だということを知る。ハナちゃん20歳、彼は22歳だった。

「すぐ離婚するって言ってくれてさ、まだ若いから逆にもっと燃えちゃうというか。私のために別れてくれるなんて! みたいな」

 そうして男は実際に別れた。そこから、ハナちゃんは関西の彼の実家に通い出す。

「旅行なんてなくて、イコール彼の実家に直行。お義母さんもすごいかわいがってくれて、もう私も有頂天よ。どんどんお義母さんと仲良くなって、彼が地元の友達と遊び歩いていても、“ママがいるからいい!”“ママと出会えたと思ってる!”って」

 彼氏のお母さんはその頃末期がんで、ハナちゃんは完全に看取る気でさえいた。もう、娘の気分だ。「すると何が生まれると思う?」とハナちゃんは私たちに問いかける。そこまで彼の母親と仲良くなって、何が生まれるんだろう。

「私がね、お義母さんに彼の悪口を言っちゃったの。“聞いてママー”って。完全に家族みたいに思ってるから、ちょっとボヤいちゃったんだよね。でもお義母さんにとっては、愛しの息子の悪口を他人が言ってくるって図式になる。それで、ムカつかれちゃった」

「ハナちゃんが隠れて悪口を言っているらしい」との情報を母親から手に入れた彼氏は、ハナちゃんをフッた。2年付き合いが続いた22の時だった。ショックで10キロも痩せ、長い髪の毛をバッサリ切った。そこからずっと今まで、髪を伸ばせないでいる。

「20年経ってるけど、あの時別れを受け入れなければ良かったって今でもたまに後悔する。今でもいっちばん好きな人」

 その人とは連絡も取っていないし、何をやっているかも知らないという。

「共通の友達に彼のことを聞いても教えてくれないから、なんとなく彼はもう死んでいるような気がしてるんだ」

 それでも彼女は、「今でも一番好きな人」と幸せそうな顔でいう。好きな人のことを語る時って、やっぱり人間はとても素敵な顔をする。

 ハナちゃんも、私も、その場に居る全員が「一番好きだった人とはうまくいかなかった」という過去を持っていた。

「歴代1位の人とは結局うまくいかないよね。私も2番目の人と結婚したもん。あんまりに好きだと、結婚とかいうレベルじゃなくなっちゃうもん」

 そうだよね、と全員で過去の恋を振り返る。一番好きな人なんて、好きすぎて不安になって、ワガママも言えなくなっちゃうもんね、と。

 どんどんどんどん杯が空く。
美味しい食事もどんどん平らげられていく。取材費の範囲を軽く超えているのに気づいていても、もう流れは止められない。

 ハナちゃんの話はやっとダンナさんとの馴れ初めに到達した。
飲み会は、3時間を経過していた。それでも全然聞き足りなかった。だって、すぐこちらに話を振って自分の話を本当にしてくれないから。ほかの人もいる中で自分の話ばかりするのは違和感がある…それはきっと、大人のすごく真っ当な感覚。
それでも質問をし続けた先には、あまりにも興味深い人生観があった。次回は、「最愛のダンナもいれば彼氏もいる話」から、「不妊治療の実態」まで。

 自分の運命をとことん受け入れ、今を全力で楽しむ女の姿は、聞き手を幸せな気持ちにしてくれるほどであった。40を超える人の語る言葉は、すごい。街ゆくリアルな恋バナがここにある…!
≫人生で一番の恋をしよう≪

Poiboyとは

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 AM編集部がプロデュースした女の子のための恋愛応援アプリ。女性が男性をお気に入り登録(通称ポイ)することからコミュニケーションが始まる安心の女性主導設計。好みの男性をみつけたり、女性同士でオススメしあって盛り上がったり。恋愛中の感覚を擬似体験することができます。

次回は<「若い女に乗り換えたら刺す」でプロポーズ。先輩女子が語る結婚の先>です。
初めましての恋バナ図鑑、中目黒で出会ったハナちゃんの第二回は「忘れられない、今でもいちばん好きな人」と別れたあとに出会った現在の夫とのエピソード。「好きだけど、ディープキスはできない」という彼女がそれでも取材スタッフに結婚を勧める理由とは?

ライタープロフィール

舘そらみ
脚本家・俳優。1984年神奈川県生まれ、トルコ・中米育ち。映画「私たちのハァハァ」の脚本を執筆。Twitter:@_sorami

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