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  • 2016.04.20

身体しか求めない男性に愛されるには?/はくる相談室(4)

男性と付き合っても自分の身体が目当てだと思ってしまい、「好き」が分からなくなっていく……異性から好意を持たれたことがないと思う20歳の悩みにはくるさんが答えます!愛情の抱き方にも種類があることを知った上で恋愛をするときに重要なことは自分に自信を持つこと。そのためのヒントとなる漫画もあります。

【相談】
 異性に好意を持たれたことがおそらく一度もなく、「愛されたい」という思いを苦しくなるほど持ってしまいます。

  男性から「好き」と言われたり、お付き合いをしたことはあるのですが、おそらく身体目当てだったと思います。私は好きだったけれど、相手はそこまでではなかったと後で思っては毎回傷付き、愛する気持ちもよく分からなくなってしまいました。

 しかし一方で、今はたとえ身体目当てだとしても、求められること自体で嬉しくなってしまい、隣に人が寝ている実感やぬくもりだけに寄りかかっている状態です。
朝になって好きでもない異性と行為をしてしまったことにいたたまれなくなって、相手が寝ているうちに帰り、連絡先を消去するということの繰り返しです。
愛したいし、愛されたいです。「好き」とは一体なんなのでしょうか。
一見簡単に思えるようなことが、どうしてここまで難しいのだろうと不思議に思います。

(むむまめさん・20歳・東京)

愛されたことがないって、本当でしょうか

はくる 大相談への小さな声 好き
PHOTO/はくる

 愛したいという欲求があるのにもかかわらず、その対象が、はけ口がないというのは苦しいものですよね。
そして愛されたいと渇望することも当然のことだと思います。

 質問を読む限り、「異性に好意を持たれたことが一度もない」というのはきっと相談者様の思い違いで、すこし悲観的になり過ぎているのではないかという印象を受けます。
「前向きになれ」なんて体育会系じみたことは言いたくありませんが、自分で自分を不幸な方へと寄せていってしまうのは、ひじょうにもったいないと思います。

「異性と交際したことはあるけれど、相手はそこまでではなかったということで毎回傷付いた」とのことですが、相手の好意に不信感を抱いてしまう癖がついているのではないでしょうか。

 わたしが色恋の話を聞く中でよく思うことは、愛情の抱き方にも色々な種類があるということです。
そして、「同じくらい愛してほしい」という欲求に、「同じやり方で愛してほしい」という要素が色濃く混じっていると、不満が溜まりやすく、齟齬がうまれやすいのではないかと感じます。
「わたしは毎日メールや電話をしているのに、向こうからは滅多にしてこないから、あまり好かれていないのかもしれない」なんていうのが典型的なケースではないでしょうか。

 もっと別のやり方で恋人を愛しているかもしれないのに、ひとりよがりだと思いはじめてしまった彼氏・彼女は、恋愛が相手の落ち度を探すゲームでもあるかのように、ことあるごとに心の中で「でもだってどうせ」と相手を責めてしまう…
こうなると彼の好意も裏目に出てしまうこととなり、悪循環に陥って、自分にとっても相手にとっても望ましくない状態が続くケースが多いと思います。

愛されるための土台として必要不可欠なのは「自信」

 わたしには「身体目当ての彼氏」という生き物がいまいち想像がつきません。
相手を好いていて、しかもそれが恋愛感情であればこそ、ある程度は身体も目当てであって当然ではないでしょうか。
それが交際している相手であればなおさら、性行為を望まれていることも愛されているという状態の一部ではないかと思います。

 恋愛をするにあたって「自分に自信がある」という要素は重要だと思います。
「相手がわたしを好き」なのに「わたしはわたしが嫌い」という状態は、ある意味では(しかし根本的な部分で)気が合っていないわけですから、コミュニケーションに支障が出てきます。
相手の愛情を、甘い言葉を消化できずに卑屈になり、そのせいで相手の誠実さを見逃してしまうかもしれません。
愛されるための土台が不確かだと損をしてしまいます。

もしあなたがもう少しでも自分に自信を持つことができれば、改善されていくのではないでしょうか。

 自信があれば、体を求められることや甘い言葉をかけられる理由に納得がいき、違和感が減るわけですから、言葉自体に否定から入ることはなくなるのではないかと思います。

   そして「自信がある」という状態は、愛される場合に都合がいいだけでなく、愛する場合においても役に立ちます。「どうして自分なんかのそばに」「どうせ自分なんか」という思いから相手を試したりする必要もなく、考えや行動が偏ることがないので、フラットな調和のとれた人間関係を築きやすいのです。

男性の連絡先を消し続ける生活に別れを告げるために

はくる 大相談への小さな声いくえみ綾 『みつめていたい』 集英社 マーガレットコミックス
©いくえみ綾『みつめていたい』第1巻
集英社,マーガレットコミックス,1991,P74・75より

 漫画家・いくえみ綾さんが1991年に発表された『みつめていたい』という作品があります。

 この漫画は広真千子という女子高生が主人公です。
男子から「好きだ」と言われることが嬉しくて、今まで次から次へと受け身で恋人をつくってきた彼女の前に、好きだと言ってくれる人が同時期にふたり現れ、彼女は自分の気持ちがわからなくなってしまいます。

 全体を通して心理描写が多く、どっち付かずな気持ちや、このままではダメだという葛藤が細かく描かれています。

 全二巻と決して長くはない漫画ですが、まさに「求められること自体の嬉しさ」や、周囲から見たら優柔不断で残酷なことでも、本人には事情や考えがその都度あるという「簡単に思えることの難しさ」が主題となっているので、ご自身の経験を思い返すことのできる場面が多々あるのではないかと思います。

 恋愛は「ある日突然理想的な人が目の前に現れて無条件に私の生活を良くしてくれる」というものではありません。
たとえば相手ともっと時間をかけて話をするだとか、そういった億劫に感じられるごく普通のことをこなすことができれば、状況は改善されていくのではないでしょうか。

 これは「付き合っている相手が自分の事を好きじゃないかもしれない」という悩みにも同じことが言えると思います。
ひとりの人間に根気よく、あきらめを前提に持たずに接することができれば、少なくとも「好き」とは一体何なのかを正しく模索する時間が得られると思います。

 ニュートラルなコミュニケーションを心がけることで良好な人間関係を築き、そしてその人間関係の中で自信をつけていくことができれば、「好きでもない相手と関係を持っては後悔し連絡先を消す」という生活からは離れられるのではないでしょうか。
いつか心から安心して愛すること、そして愛されることができるよう願っています。

つづく

TEXT/はくる

ライタープロフィール

はくる
新宿ゴールデン街で働くインターネット十二年生。根暗ポップ。Twitter:@silonica

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