モテる女子はマグロを研究する/林雄司

ちょっと根性が必要な恋愛ワークアウトを一コマイラストと共にお送りします。
これさえできればあなたも恋愛上級者!
『デイリーポータルZ』でおなじみの林雄司さんの連載です。

 モテる女子はマグロと言われてもうまくかわします。
ベッドで積極的ではないことをマグロと呼ぶのって、市場に並んでいる冷凍マグロしか見たことがない人の発想ですよね。ゴロンとしたやつ。
生きているマグロはもっとビチビチしていて力強いはずです。テレビで大間のマグロ漁師のドキュメンタリー番組を見ていると、あまりにもマグロが力強く賢いので漁師(山本さん)が可哀想になるぐらいです。
動かない女性をマグロと呼ぶのは、魚はパックに入って泳いでいると思っている現代っ子ぐらいの無知!

 こんな感じでマグロと呼ばれたことに対して正面から反論せず、マグロという比喩が間違っていることに論点をすり替えて自分のペースに持って行きます。それがモテ女子。

「動かないことをマグロ呼ばわりするなんてマグロ漁師に謝れ!」
「マグロに食べられたプランクトンの気持ちになれ!」

 もちろんモテ女子はマグロと言われたときのために日々、マグロの研究を欠かしません。

 ちなみにマグロは時速80キロで泳ぐと言われていたのですが、最近の研究だと時速7キロ程度らしいです。
意外にマグロかもしれません。

Text & Illustration/林雄司