恋愛に興味がない私がバレンタインに思うこと

肉乃小路ニクヨのニューレディー入門 Gayle Nicholson

 明日はバレンタインだそうです。
私はずっとゲイの女装として過ごして来たので、
男なのにチョコレートを渡すのなんて変?
と思って約40年過ごしてきました。
けれど女装でお店に入るようになって、ビジネスチャンスと考えるようになってからは
お得意様に日頃の感謝を表す機会だと思い、
チョコレートを差し上げるようになりました。

 私だけに関わらず、最近は世の中の風潮も同じみたいです。
クリスマス同様、バブル前くらいまでは女子から男子への本命チョコが主流でした。
バブル期には女子がチョコレートと何か他のプレゼントをして、
ホワイトデーに男子が倍以上の値段のプレゼントを返すという恐ろしい慣習がありました。
ゲイだった私にはどうでも良いイベントでしたが、
いつしかそういう風潮より、義理チョコや友チョコなど日頃の感謝を表すものへ
変わっていきました。
最近は男子もチョコレートを買ったり、中には自分のご褒美用の需要も
一定量あるとか。チョコレート業界は裾野を広げながら
上手いこと時代を捉えて変化しているなぁと感心します。
よっ!マーケティング巧者!

私のバレンタインと恋愛事情

 私の学生時代は小さい頃は肥満児で、
色気づいてからもゲイと自覚していて、敢えて恋愛と離れた感じの
ポジションを意識していたので、バレンタインの思い出は殆どありません。

  いや、ブスじゃなかったんですよ。中高生の頃はそれなりに可愛かったんです、私も。
告白も何度かされました。
でもゲイの自分は男女の恋愛に巻き込まれたくないし、
何処かで幸せになってはいけないという呪いを自分で自分にかけていたような
気がします。

 だから、私の中高生の頃を知っている人はだいたい凄く変わった人という
印象を持っていたのではないかと思います。
不思議ちゃんになることと、ガリ勉になることで私はそういった面倒を
避けてきました。

 男性とのSEXをする前に女装を始めたのも、その方がモテなくなって
気が楽という何処か逃避行動が動機だったようにも思えます。
恋愛に費やす時間よりも経済のことを考えたり、社会の仕組みを知ったり、
みんなを楽しませることを考える方が楽しかった。
そして一人でもそれなりにやり過ごせるようになってしまった。

 で、気がつくと私は今年43歳です。
そう、Loveカテゴリーのコラム担当の私が遂に告白します。
私は昔から恋愛に興味が無い、いや、むしろ苦手なのです。
だけど、誤解しないでください、愛はありますよ。
みんなを楽しませたり、良い仕組み作りを提案する愛は。ほほほ。