女装は身内の恥ですか?――中島みゆきに支えられた私の青春時代

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 昨年末に中島みゆきさんの夜会を2回観に行きました。
夜会はコンサートでもない、演劇でもない、ミュージカルでもない、言葉の実験劇場という触れ込みで、1989年から渋谷Bunkamuraのシアターコクーンで始まったプログラムです。
私は高校一年生になった1991年からほぼ観続けています。

 高校時代、部活には入っていませんでしたが、思い返せば私はみゆき部という部活を一人でやっていた感じでした。
毎日3~4時間は必ずみゆきさんの曲を聴いていました。
そのおかげか中学生まで苦手だった国語の成績が、高校からグンと伸びました。
高校の自由研究でみゆきさんの歌詞を何曲か英語で訳したこともあります。

人生を支える言葉

 さて、そんな感じでみゆきさんとも四半世紀のお付き合いとなっている私ですが、
ここ10年くらいは正直なところ、熱心なファンではありませんでした。
大人になるにつれ、好きなものがどんどん広がって行ったのです。
だから昔のように浮気せず一途にという感じではなく、
毎年秋になると集中してリリースされるCDやDVDを買い、一通り聴き、コンサートや夜会も行ける時には行くという程度の生ぬるいファンになりました。
大学生くらいまではみゆきさんが人生のほぼすべてだった自分からすると、信じ難いほどの熱の冷めようです。

 でも最も多感だった頃に集中して聴いたり、考えたりしたものというのはその後の人生を生きて行く上で、私の大事な背骨になってくれてます。
何かの転機や踏ん張らなければならない時には必ずみゆきさんの歌が降りてきて、私の背中を支えてくれるのです。

 大学受験の時には「最後の女神」
ゲイを受け入れた時は「幸せになりなさい」
社会人になって挫折をした時には「地上の星」
仕事のプレッシャーに潰されそうだった時には「宙船」
他にも沢山のみゆきさんの歌が私の人生を支えて、私を助けてくれました。

 だから、私の中でみゆきさんは好きな歌手の中でも別格なのです。 私が辛い時をがっちり支えてくれたから、理屈抜きで何があっても支えるべき存在なのです。 正直なところ、ここ10年くらいは私の理解を超えるような(言葉を慎重に選びましたよ)作品もありましたが、それでもついて行くのはそういう理由があるからです。