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  • 2016.10.25

ハロウィンでコスプレを楽しむ背後に透ける日本人の宗教観

「パリピ」という言葉が広まったきっかけが街中で若者がするハロウィンの仮装。今年も渋谷が仮装パーティー会場となる時期です。そんなコスプレを楽しむだけのハロウィンは「本来の意味と違う」と批判もされますが、ニクヨさんは悪いことだとは考えません。ではニクヨさんが考える日本のハロウィンのポジティブな意味とは?

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by daveynin

 ハロウィンがあれよあれよという間に市民権を得て、ここ5年くらいはイベントとしてかなり定着してきましたね。
10年くらい前から、10月になるとオレンジ色のかぼちゃのランタンがディスプレーされるようになりましたが、
最近はディスプレーだけに留まらず、皆さんコスプレでお出かけするのが定着してきたようです。

 私のホーム、新宿二丁目でも毎年10月の最終土曜日などはもの凄い人出で、老若男女沢山の人々がコスプレで街を練り歩いています。
私はもう素人ではないですし、コスプレで女装をしているわけではないので
そういう日は、逆にシックで地味な女教師風の格好で、羽目を外し過ぎた方々を厳しく指導するような感じにしています。
こんな日くらいは普段大人しい方々に華を持たせて差し上げないとね。
ほほほ。

多くの日本人の宗教感

 ハロウィンはキリスト教にまつわるイベントです。
このような異教のお祭りを、楽しむためだけに取り入れる日本人に対し、「宗教的に節操がない」という批判がたびたびおこります。
同じように多くの日本人はクリスマスを楽しみ、正月は初詣に神社に行き、お葬式はお坊さんを呼びます。
これで健康のためにラマダン(断食)を取り入れたりしたら、宗教的にはもうしっちゃかめっちゃかだと嘆く声も多く聞かれます。

 多くの日本人の宗教意識は上記のように比較的むちゃくちゃです。
でも私にはそのことは別に悪いこととは思いません。
誤解を恐れずに言うと、もともとこの国は八百万(やおよろず)の神々がいて、身近な自然だったり、人だったりを崇め奉って、良いところを取り入れようとしたり、怒りを鎮めようとしたり、そうやって生きてきたという歴史があるからです。

 更に踏みこんで言うと、昔から自然災害が多い国だったから、
何か一つのものに頼りきったり信じ切ったりしないで、自分の頭や共同体のルールで判断してきたので、あまり特定の信仰に傾倒しなかった。
それが良い意味でも悪い意味でも、この国の民の特徴なのかなと思います。

 そんな国民が大多数のなか、もちろん特定の信仰を大切にされる方というのもいます。
私はそういう人の考えももちろんアリだと思いますが、個人的には特定の信仰に熱心過ぎる方は苦手です。
というのも、身近な人が熱心に新興宗教にハマったのを見てきたからです。
もっとハッキリ言うと私の家族がハマったからです。

ハマり過ぎなくて良かった

 宗教にハマった人は、あらゆることにその信仰を当て嵌めます。
その教えが正しいと言うことで、あらゆることを決めつけたり、断定的な物言いで接してきます。
それは一種の思考停止だと思うのですが、そのことを言っても正しさと正しさの戦いになって不毛なので、
そういう方々とは距離を置くようにしました。たとえ家族でも。
人間同士の会話や対話が出来ないからです。

 私は自分で考えたり、観察し、分析をして判断するのが好きです。
もちろん人間がどうしようもなかったり、バカげたことをするということはわかります。
バカだったり、どうしようもないけど、自分で考えて、失敗したり間違ったりしないと、自分の成長、この世に生まれた意味を感じることができないと私は考えます。

 優れた教えにすがるのではなく、自分で見て、感じて、考えて、判断する。失敗しながらも前に進もうとする。
私はそういう人でありたいなと思うのです。

 ハロウィンのイベントもあまり褒められるものでもありませんが、イベントの意図を考えて、楽しませたり、楽しんだりしているのが、見ていて微笑ましいのです。
そして信仰に縛られないで、楽しさを共有しようとする心意気は、こちらにも伝わってきます。
だから、真面目な人が顔をしかめたりする中でも、私はハロウィンを生温かく見守るのです。

 あなたも良ければコスプレをして街を練り歩けば?
私、生温かく見守ってあげるから。ふふふ。


Text/肉乃小路ニクヨ

次回は…
<恋愛至上主義時代は終わった!「できないんじゃなくて、しない」処女童貞たち>です。

「若者の○○離れ」は数多あるけれども、恋愛離れは上の世代からしたら特に不可思議な現象。ニクヨさんもまた、バーでお客さんと接するなかで処女童貞の人が増えているとの実感を持ったようです。モテなそうな感じがしないのに誰とも付き合ってない人が多い--そんな現状にニクヨさんが見出した三つの要因とは?

ライタープロフィール

肉乃小路ニクヨ
東京の片隅でひっそり生き続けるちょっぴりしょっぱくてサワーなニューレディー。オーバー40歳、崖っぷち女装

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