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  • 2016.10.04

その報道はセカンドレイプそのものです――2世俳優の不起訴処分を考える

大々的に報道された強姦致傷容疑で2世俳優が逮捕された事件。二世として有名になり、母親も現役で活躍していたことから話題はふくらみ、無遠慮で配慮のない質問をしたインタビュアーが二次炎上した末に示談による不起訴が報道されました。マスコミやメディアの報じ方が問題視されたこの件に、ニクヨさんが時事問題と向き合う誠実な姿勢もみえました。

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by Inessa Akhmedova

 女優さんのご子息が突然、強姦容疑で逮捕されて、大変な騒動になったことが今年の8月にありましたね。
結局は示談による不起訴処分。
親がお金持ちだから凄腕の弁護士を雇って金で解決したという批判もあるようですが、同時に警察に通報する際に登場した被害女性の知人男性が反社会的勢力の方だと言う話も出てきて、
実際に何が起こったのかよくわからなくなっています。

 強姦は実際にあったら卑劣な犯罪で断罪すべきことですが、
まず、私が疑問に思ったのは警察が不起訴になるかもしれない案件を早く発表し過ぎたのではないかと言うことです。
確かに有名人を突然拘留したら騒ぎになるので、早めに公表せざるを得ないとしても、
まだ十分に弁護士とも相談できない状況で、自白したかのような報道が出ると言うのは、警察がマスコミに発表しなければ出てこない話です。
人一人の人生がかかっているのです。もう少し慎重に公表できなかったものでしょうか。

マスコミ不信

 そして警察からの情報をそのまま垂れ流し、更に大衆の感情を煽ったマスコミも如何なものかと思いました。
被害女性を特定できる情報をメディアで垂れ流す行為はセカンドレイプの助長、いや、セカンドレイプそのものです。
その後、逮捕された方の奇行について沢山のことが報じられ、中には発達障害だったのではという報道もなされ、発達障害を抱えた人やその支援者への偏見も助長されました。
また、母親の女優さんを引っ張り出して公開裁判のような記者会見をしたのも、如何なものかと思います。

 あれは女優さんが自ら開いた場でありましたが、そうせざるを得ない状況に追い込んだのはマスコミです。
あの場で子供の性癖について聞いたゲスい質問はもちろん、会見自体が被害女性へのセカンドレイプになりうると想像できていないことも、配慮が足りなかったよう思われます。

 で、結局は不起訴です。
誰かこの件で謝りましたか?
人一人の人生が大きく狂ったのですよ。
報道の自由は保障されるべきですが、同時に言葉の暴力、報道の暴力があるということを自覚すべきです。
私がこの連載で時事ネタを書く際に、多少旬が過ぎても色々な材料が出揃ってから書いているのも、言葉が暴力になると自重しているからです。

私達が本当に望んでいること

 もちろんマスコミの皆さんはタイムリーに視聴者、読者の知りたいという要求に応えなければならないので、大変だとは思いますが、
その影響力の強さゆえに誤った場合も対処できる含みをしっかり残して対応していただきたいのです。
スクープ合戦と言いますが、私達は正確でない情報をいち速く提供されるよりも、正確な情報が欲しいのです。

 同時に私達、視聴者、読者も、マスコミからは不確かだが速く情報を提供されるよりも、正確な情報を得たいということをハッキリ態度で示すべきです。
だってネットがこれだけ発達した世の中です。速報性ならネットには敵いません。
昔と時代が変わったのです。
私達が今マスコミに求めているのは、情報が氾濫する中でフィルターの役割を果たして正確な情報を提供してもらうことです。

 この事件を機に、視聴者や読者が情報を冷静に判断するようになればいいなと思ったのでした。


Text/肉乃小路ニクヨ

次回は <ハラスメントをはねのけろ!不毛な争いから抜け出す賢いやり方>です。
ニューレディーのニクヨさんが最近Huluで一気見したのが、内舘牧子原作・脚本の「エイジハラスメント」というドラマ。年齢にかかわる嫌がらせは、AM読者の方々も経験があるかもしれません。特に女性ならなおさらですよね。こんなつまらない争いから抜け出して幸せになるには、いったいどうすればいいのでしょうか?

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ライタープロフィール

肉乃小路ニクヨ
東京の片隅でひっそり生き続けるちょっぴりしょっぱくてサワーなニューレディー。オーバー40歳、崖っぷち女装

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