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  • 2016.08.02

弱さを覆いストーリーを身につける、私のためのコスメティックパワー

女性の化粧は男性に見せるため、モテるためだという偏見を抱いているかたはいませんか?けしてそうではないと語るのは肉乃小路ニクヨさん。ベースメイクをすることで、女性は自らの弱さ、もろさを隠し、自らが歩みたいストーリーを身に着けるといいます。淑女へのステップをふんでみませんか?

肉乃小路ニクヨ 恋愛 ニューレディー おネエ 淑女 コスメ
©Denise Curran

 厚化粧の年増女(装)なんてご意見、私もよくいただくんですが、意に介さず、相変わらずの厚化粧です。ふふふ。 そういえば女装のイベントは厚化粧の大年増しか居ませんわね。
年末恒例の女装紅白歌合戦なんかは特に。
厚化粧の効能か、女装は息がとても長いのです。

 化粧は男に見せるためのものだけではありません。
他の人は知りませんが、私は私のために化粧をしています。

 もともと美人(自称)なので、そんなに凄いことをしているわけではありません。
眉を潰して、ベースメイクをして、目・口の輪郭を強調し、思い通りの眉毛を描きます。
チークやシャドウ、ルージュで華やかさや陰を作ります。
最後につけ睫毛をつけて出来上がりです。

 とても簡単でしょ。
当日の衣装にあわせて、ウィッグと化粧の感じを変えたり、アイシャドウの色を季節に合わせて変えたり、化粧って本当に楽しいのです。

不器用でも化粧はできる

 私は美術の成績は2でしたし、絵心もない人間です。
技術家庭科も2だったので、不器用に分類されます。
そのせいか化粧も昔から粗いって言われています。
「疾走感を大事にしている!」とか「抽象画っぽい感じ!」とか「味のうち!」なんて言 って誤魔化していますが、やっていて、たまに我ながら雑だなと思うこともあります。
それでもなんとか成立しています。

 それは洋服に着こなし、ウィッグや帽子にも被りこなし、という言葉があるように、化粧にもこなし方があるからです。
私は化粧そのものは上手ではないかもしれませんが、このこなしには自信があります。
化粧をした上での魅力的な表情の作り方や顔の筋肉の動かし方には自分で言うのもなんですが、相当自信を持っています。

自分の弱さを被い、内なる何かを呼び覚ます儀式

 化粧というのは自分の内なる何かを呼び覚ます儀式だと思っています。
そしてそれは同時に、不安や臆病な自分をカバーする儀式でもあります。

 とりわけ、ベースメークは不安を隠す儀式で、これで弱い自分を覆い隠しています。
昔、ケイト・ブランシェットが主演の「エリザベス」という映画があって、その中で英国女王としての覚悟を決めたエリザベスが、弱い自分を覆い隠して、強い意志を表すのに白塗りのベースメークを施すというシーンがありました。あの感覚です。
メークをやっている友人も、ベースメークは一番大事と言っていますが、私もそれなりに気を付けています。

 私そして顔の表情の筋肉を考慮しながら目と口の輪郭の強調をすることで、意志の伝達力を高めます。
そこに全体のバランスを考慮した色を投入して、華やかさやメッセージ、ストーリーをプラスします。

 あとはそのストーリーに合った表情を作るだけです。

 私が下手ながらも自分で化粧をし続けるのは、不器用なので、人にやってもらうと、なかなかそのストーリーを共有出来なかったりするからです。
自分の内面のピックアップポイントが、人にやってもらうとわからなくなってしまうのです。

 私が下手ながらも自分で化粧をし続けるのは、不器用なので、人にやってもらうと、なかなかそのストーリーを共有出来なかったりするからです。
自分の内面のピックアップポイントが、人にやってもらうとわからなくなってしまうのです。
女性の化粧も同じではないでしょうか。
まず化粧をした顔で何がしたいか、何を伝えたいのかをはっきりさせる。
その上でそれに合った化粧をして、化粧を活かした表情を作る。

これが出来る人は化粧の技術云々を差し置いて、美しいと思います。


 私は化粧を人に教える技術はありませんが、美しさについてはいつも考えています。
安易なモテメイクや流行りのメイクに流されるのではなく、どうしたいからこの化粧をするのだ、ということを考えてみてください。

 そうしたら、厚化粧だなんて、つまらない言い掛かりをつけてくるジジイの暴言も、涼しい顔でスルーできるようになります。
エンジョイ メーキャップ!


Text/肉乃小路ニクヨ

ライタープロフィール

肉乃小路ニクヨ
東京の片隅でひっそり生き続けるちょっぴりしょっぱくてサワーなニューレディー。オーバー40歳、崖っぷち女装

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