• love
  • 2016.05.10

「多様性受容」が広がる一方でしておいた方が良い覚悟

差別を否定して多様性を受容しよう、という考えが世の中に広がってきています。でも、オシャレアピールのためのただの方便になっていたりしませんか? 本当の意味で多様性を受容するときに必要な覚悟について考えます。

試される器

肉乃小路ニクヨ 恋愛 ニューレディー おネエ 淑女
©See-ming Lee

 LGBTフレンドリーとか人種や宗教、思想に対する差別は良くないという考え方が世の中に広がってきています。

 私は直接的には恩恵を受けていませんが、間接的にはこの傾向によって恩恵を受けている部類なので(この連載が決まったのもその恩恵だと考えています)、もちろんこの流れを応援していますが、時々、多様性受容というのが何かのオシャレアピールの一環に使われているのをみると、大丈夫かなという危惧も覚えます。

 悪気は全くないのでしょうけど、受け入れをしてもらっている側の立場に立つと気になることが幾つかあって、例えば、
「大丈夫ー、アタシ、オカマちゃんの友達がたくさんいるし、そういう人とも仲良くなれるよー」
なんて発言をたまに聞くのですが、まず、大丈夫ってなんだよと思いますし、オカマちゃんという表現は差別用語だし、仲良くなれるよーっていうのも上から目線の発言です。

 まずこんな人とは仲良くはなれないのですが、ファッションでも良いので、受け入れるという既成事実を積み重ねるのが大切だと思い、にこやかに対応することにしています。

 このファッション性というのは受け入れをされる当事者側の方にもあって、LGBT関連の運動を多様性受容の最先端の旗振り役で進んでいる自分のアピールに使ってしまおう、あわよくばそれをビジネスに使おうというものを感じる時もあります。

 たしかに気にはなりますが、多様性が社会に広まるにはこういうやり方でないと届かない層もいると思い、足を引っ張ることなく、笑顔で黙認しています。

自分の優位性から降りる覚悟

 宗教だってそう、人種だってそう。
イスラムの方々の問題や外国人観光客の増加で、今まで島国ニッポンの中ではマイノリティーだった人達との接点が急速に増えています。

 多様性を受け入れるということは、上位の概念がその下位にあるものを受け入れてやるということではなく、自らの優位と考えていたことの梯子を外してあらゆることとフラットな関係になることを意味しています。
これはつまり、革命的なことをはじめようということなんです。

 そして、多様性というなら自分の天敵や受け入れがたいものも認めなくてはならないのです。
もしかしたら自分が正義で悪だと思っていたことが、他の価値観から見たら自分が悪で、周りが正義だったってことがあり得る世界なんです。

 本当にそれを受け入れる覚悟はできてるのでしょうか?

 みんな寛容になって、お互いに刺激を与えたり、受けたり、スルーしたりしながら、新しい価値観やルールを作っていくのが多様性で、そんなことが楽しそうだから、私は賛成なんですが、受け入れる方も受け入れられる方も自分勝手な多様性が多いような気がして、それが最近とても気にかかるのです。

多様性をより深く理解した経験

 ちなみに私は自分の親から自分の現状を受け入れられていません。
それはそれで仕方ないと思っていますし、それも多様性の一環だから、無理に受け入れさせることもないのかと諦めつつ、育ててくれた恩義も感じつつ、複雑な状態です。
みんながみんなハッピーなカミングアウトばかりではないのです。

 それでも毎年の母の日と誕生日にはプレゼントを贈り、感謝の念を送り続けています。また手伝いが必要な時は帰っています。
断絶はしていません。

 分かり合えないことも受け入れて生きる。
それも多様性の一環だと私は思っています。


 30代の頃までは辛いし悲しいと思った日々もありましたが、最近はこのような状態も良い経験だと思っています。
受け入れさせる側だけの理論だけでは考えが足りないことに気付かされたからです。
それによって私の多様性についての思考が深まりました。

 多様性は自分が受け入れ難い事実も、捉え方を変えて受け入れることを訓練させる機会でもあるのです。
私はそんなレッスンを経た方が素敵なレディーになれると信じています。

Text/肉乃小路ニクヨ

ゆっち ファスティング ベルタ酵素ドリンク ダイエット 断食

 運命の出会いは、ストリート…!? 道ですれ違った人に積極的にアプローチする方法をご紹介!

ライタープロフィール

肉乃小路ニクヨ
東京の片隅でひっそり生き続けるちょっぴりしょっぱくてサワーなニューレディー。オーバー40歳、崖っぷち女装

今月の特集

AMのこぼれ話

アンケート

AM読者の既婚女性の実態をアンケート中です!

AM読者には既婚女性も数多くいらっしゃいます! 夫婦生活は私たちの生活に今までとは違う感覚や感情をいくつももたらしてくれるもの(良いのもあれば、もちろん悪いのも)。 みなさんが日々感じていることを教えていただけたらありがたいです!

アンケートはこちら