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  • 2015.06.29

女性は勢力最大のマイノリティー/川崎貴子×家入明子対談 Vol.2

美人過ぎる女社長としても有名な川崎貴子さんと、企業家の妻としての10年に及ぶ専業主婦生活にピリオドを打ち、新たな人生をスタートさせた家入明子さんのおふたりに、結婚や離婚におけるしくじり経験や気を付けておいた方がいいことを語っていただきました。全4回に渡る対談の第2回目です!

 3月に『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』(ベストセラーズ)を出版され、「株式会社ジョヤンテ」の美人過ぎる女社長としても有名な川崎貴子さんと、企業家の妻としての10年に及ぶ専業主婦生活にピリオドを打ち、子どもと3人で新たな人生をスタートさせた人気ブロガーで実業家の家入明子さんによる、恋も仕事も迷いがちな年頃女性に役立つリアルトーク第2弾。今回は、子育てと離婚について語っていただきました。

川崎貴子 家入明子 対談 『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』
(左)家入明子さん、(右)川崎貴子さん

マネージメント能力は子育てにも活かせる

―子どもを産むと自由がなくなるという印象を持っている方も多いと思うのですが、おふたりはどのように子育てと向き合っていましたか?

家入 明子さん(以下、家入):川崎さんは働きながらの子育てだったと思うのですが、起業精神と子育てって、相反するものだと感じますか?

川崎 貴子さん(以下、川崎):そうですね。ただ、私は一人で子育てしたわけじゃなくて、母と妹、元夫、ベビーシッター2名と私のシフト制で、6人体制でぐるぐる回して育てていました。
産後3週間で復帰したのですが、会社の社長って自由業にあたるから保育園に空きがなかったんですよ。自分より年上のシッターさんとか、いろいろな人に助けてもらいながら子育てをすることで、それぞれの知識や経験から教わることが多くてよかったですね。
また会社のマネージメントと似ているところがあって、任されるとそれぞれが責任を持って業務外のこともいろいろやってくれるんです。みんな「私が育てた」というような気持ちを持ってくれますし。

家入:それ、理想的ですね! 子育てもマネージメント。

川崎:はい、マネージメントですね(笑)。娘のイニシャルを取って、「プロジェクトC」って呼んでいました。メーリングリストも作って、「今日ちーちゃんが目を離した隙に、水溜りの水を飲んでしまいました。申し訳ありません」「元気なら大丈夫です!」みたいな。
あと、よく、「当時は稼いでいたからできたんでしょ。」とか言われますが、私の給料全部飛んでますからね。うちみたいな零細企業は“社長がその場を休まない“ことが最重要だったので、借金してでもベビーシッターを頼んでいたと思いますよ。

家入:素晴らしいなー!

川崎:いえいえ、全然素晴らしくなくて、たぶん教育関係の人とか3歳児神話とかをいってる人たちには怒られちゃうんですけど(笑)。
でもしょうがないんで。その人たちが助けてくれるわけでもないし、そういう風評は徹底的に無視しました。その後も特に問題はなく普通に育ってますしね。不具合が出たら方針を変えればよいと。

ただ、何事も神経質になったらダメですけどね。例えば留守中に人が家に上がることや冷蔵庫を開けることをイヤがるとか。

家入:なるほどねぇ。私は産んですぐ、あまりの儚さにびっくりして神経質になっちゃったんですよ。産後クライシスじゃないですけど、街に出て通り魔に襲われたらどうしよう、とか、外は菌がいっぱいいるように思えて外出先の座布団に寝かせるなんてできない…とか。

川崎:びっくりしますよね、あの儚さにはね。よく生きてるなーって。

家入:そうなんですよ…。だから「山にこもって畑を耕しながら生きていきたい」って思ってしまっていましたね。人に託して外に出ても大丈夫って思うまでが長かったなーと思うんです。2歳頃まで預けられなくて。川崎さんの話を聞いていたら素晴らしいと思うんですが、あの時の自分に組織を作ってマネージメントができたかというと、難しかったかなって。

川崎:でも、明子さん18歳で産んでるんだもんね。その年なら私でも不安だったと思うな。私は31歳だったから。

家入:そっか。今だったらできるかな。あと、周りの友だちの子育てを見られたらまた違ったかもしれないけど、初めて目の当たりにする赤ちゃんが自分の子で。サインみたいに理由のある時しか泣かないと思っていて、おむつを替えても泣き止まないとか、眠たくて泣くとか、「原因が解明できないことがこの世の中にある」ってビックリしました。

川崎:眠くて泣くとか意味がわからないよね(笑)。
私はある程度年齢を重ねてからだったし、働きながらの子育てしかしたことがないけれど、どんな風に子育てをするかはあまり頑なにならず、それぞれ自分の性に合う育て方がいいってことですね。
一応私も、妊娠中に女性経営者でお子さんのいるかたに話を聞きに行ったんですよ。そうしたら、「昔は田んぼにかご置いてそこに乗っけてみんな農業してたのよ、大丈夫よ」とか「1歳2歳なんて誰に抱かれてるかわかんないんだから大丈夫よ」とかすごく大ざっぱな意見を聞いて、私いけそうって(笑)。自分に似た境遇の先輩の話を聞くのはおすすめです。

“女性”は勢力最大のマイノリティー

―川崎さんは、妊娠中からベビーシッターを頼む子育てを決めていたんですか?

川崎:当時の私にはそれ以外の選択肢がなかったので割り切ってましたね。でも、育児の世界では未だにお母さんがべったりいないと悪い子になるとか、ベビーシッターに子どもを預けて夫婦でデートしたら炎上とか、アウトソースできない環境ですよね。

家入:我々よりもっと上の団塊世代には専業主婦だった人が今より多いから、自分たちが正しいと思う育児観を固持したまま話をするんでしょうね。でもそうやってお互いの首を絞めあっていますよね、女同士って。

川崎:自分の価値観を基準にした常識マウンティングですね。でも、私たち女性って、本当は日本で一番勢力のある最大のマイノリティーなんですよ。
だから、働いている女性と主婦とがお互いの立場を尊重しあって協力できれば、いろんないいことが生まれる。それなのに、「自分の子どもだけ」とか、「自分の常識だけ」とか、「共感し合える女性だけで集まる」とか、分断しちゃうから共闘できないんです。

家入:幸せの量は一定で、「この人が幸せになったら私が不幸になる」みたいに奪い合っているような感じがあるけれど、そんな相対的なものじゃないから、もっと全体を見たほうがいいですよね。

川崎:職場でもそう。子育て中のママが時短で帰ると、独身の子や男性が「しわ寄せが来る」っていうけれど、それは一時的なもの。
彼女たちだっていずれ産むかもしれないわけだし、それだけじゃなくて、これから超介護社会、未婚時代に突入するわけで、男性だって自分の親の介護で早帰りする時が来るかもしれない。
だから、今のうちからしっかり社風や仕組みを作っておかないと、結局、自分の首を絞めることになるんですよね。だからこそ、「勢力最大のマイノリティーの声を聴け」と私は言いたい。

離婚に武士の情けは不要。必要なのは冷徹な話し合い

―読者の中にも知りたい人は多いと思うんですが、離婚とシングルマザーになることって人にどんな影響を与えますか?

家入:私思うんですけど、本来は離婚が人にほとんど影響を与えないのが理想だなって。結婚も離婚もさっとやってさっとできるのがいいなって。趣味でも仕事でも、ひとつのことをずっと続ける人ってそんなに多くないでしょ?
 それなのに結婚だけはずっと1か所でって、難しいと思うんですよね。だけど、やっぱり離婚ってなにかと大変なんですよ。仕事も、住む家も、収入も。二人で助け合って生活していたのに、離婚したら急に一人でやっていかなきゃいけないわけで。だから、離婚によって大きな“なにか”を味わうことがないよううに、気軽にできるようになるのが本当は理想。

川崎:その流れでいうと、私が一番気になっているのが、シングルマザーの貧困ですね。
母子家庭の貧困率は5割を越え、就労による収入は平均181万円。両親揃ってる平均年収が400万円ですから相当な格差です。離婚した夫の2割しか養育費を払っていないんですから、そりゃ貧困になりますよね。愛情のなくなった男女が、さんざんケンカした後に“お金”っていうリアルな話をするのがイヤなのはわかるけれど、そこは女性側からしっかり話さなきゃダメ。
絶対に公正証書を作成して、裁判所を通して、協議離婚にはしないこと。そうじゃなきゃ、払わなくなったときに強制執行できないんだから。離婚するときは、子どもに対する夫の愛情を信じて「ちゃんと養育費を払ってくれる」と思うんだろうけれど、実際に8割の人が払っていないんですよ。だから、絶対に公正証書をまくこと。

家入:「まく」の重みがすごい!(笑) でも、約束したものを払わないんだから、ちゃんとした処罰がないとダメですよね。強制執行するにも手続きがすごく大変だし、払わないたびにできるものでもないから、止めの一発くらいにしか施行できないのも女性側に不利ですよね。

川崎:内容証明を送るのも、元夫の職場での信用を落とすような行為だしね。そういう、状況によっては悪になりきらなければいけなくなるのが離婚。
離婚するときに冷徹に話をして、女性側がレールを引かないと。「人間の血が流れた実の父親だから、ちゃんと払ってくれるだろう」なんて憶測は危険思想です。別れて他人になる相手なんだから、武士の情けは必要ありませんからちゃんと他人と交渉する気概で。
母子家庭の貧困がベースにある事件や問題を見聞きするたびに思います。結婚や出産でキャリアを手放さない事。そして、離婚するタイミングこそ弱っていてはダメ。母親は鬼のように強くならないと。自分の為じゃなく、子供の為に。

Text/千葉こころ

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