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  • 2015.06.22

女子力と妻力はムダに磨くな/川崎貴子×家入明子対談

美人過ぎる女社長としても有名な川崎貴子さんと、企業家の妻としての10年に及ぶ専業主婦生活にピリオドを打ち、新たな人生をスタートさせた家入明子さんのおふたりに、結婚や離婚におけるしくじり経験や気を付けておいた方がいいことを語っていただきました。全4回に渡る対談の第1回目です!

 3月に『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』(ベストセラーズ)を出版され、「株式会社ジョヤンテ」の美人過ぎる女社長としても有名な川崎貴子さんと、企業家の妻としての10年に及ぶ専業主婦生活にピリオドを打ち、子どもと3人で新たな人生をスタートさせた家入明子さんのおふたりに、20代の皆さんに先に伝えたい、しくじり経験や気を付けておいた方がいいことを語っていただきました。
恋も仕事も迷いがちな年頃女性に役立つリアルな声がたっぷり。全4回に分けてお送りします。

川崎貴子 家入明子 対談 『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』
(左)家入明子さん、(右)川崎貴子さん

相性と結婚のスキルは、してみないと分からない

川崎貴子さん(以下、川崎):前から「私たち共通点が多いね」って話していたくらい、しくじり方が一緒ですよね。(笑) 特に“夫選び”なんて、明子さんの元旦那さんのエピソードを聞くたびに「え?その人、私の元夫じゃないよね?」ってビックリするくらい似てる。大好きなモノ=シャンパンタワーとかね(笑)。明子さん自身が子供の頃クラス委員だったり、真面目なまとめ役だったところも。
違ったのは大人になってからで私は刺激を求めて起業してしまったところかな。でも、OLさんとか、公務員とか、安定した職業人になれなかった自分は“道を外れた人”だと認識していたのに、明子さんに会って「更に外れている人がいるんだ!」って、ビックリした(笑)。

家入明子さん(以下、家入):いやいや。でも、川崎さんのユニークなところですよね、起業されているってところ。この本(『愛は技術』)だって、技術書じゃないですか。“愛のHow to本”とか、ないですよ、なかなか。でもそこが、企業家の書く本だなって思いました。女のプロとしての男らしさがすごいです。私はたぶん川崎さんより、もっと女々しいんですよ。

川崎:とんでもない。でも、思春期に同じようなフツフツしたものをたぎらせた女が最初の結婚で選んだのが、あんなに極端な男たちだったっていうね。
どう見ても家庭不適合者な人間をわざわざ結婚相手に選んで「なんで父親業やらないんだー」って怒っていたのが、若かりしころの私。だからこの本では、結婚とはどういうものなのかを、筆圧強めの4Bの鉛筆ぐらいの勢いで書きました。
私と明子さんって、見た目や性格は違うから今まで似ていると思わなかったけれど、もしかしたら核みたいなものが一緒なのかな?アウトプットの仕方が違うだけで。

家入:そうですね。でも、抱擁の仕方は違うかも。川崎さんが飲むときの男性のあしらい方、扱いかたのうまさといったら素晴らしいですよ!コロコロと甘えたくなる感じ。よ~しよしよしみたいな(笑)。

川崎:年食えばできますよ!(笑)。もはや皆息子!

家入:あと、川崎さんと私の違いは、川崎さんは企業家同士の結婚で、私は企業家と専業主婦。私の方は結構ありきたりというか、よくありますね。家で妻が待つパターン。そして二人とも企業家のパターンは、こういっちゃ悪いんですが家が戦争のように……って私たちがしゃべったら、起業家はどこが悪いのかについての話になりそう(笑)。

川崎:そうですね(笑)。家庭不適合者は私も同じでしたからね。ですから、もっと家庭にコミットできる奥さんだったら、元夫ともうまくいったかもしれない。結局、結婚のスキル、相性なんていうものは、結婚してみなきゃ分からないってことが、一番の勉強でしたね。

サボテンが枯れる家でなぜ結婚したのか

―お二人は結婚したことで、何か自分が変わった部分などはありましたか?結婚しなかった人生は想像つきますか?

家入:私は18歳のときに勢いで結婚しちゃったから、結婚しなかった人生が想像つかないですね。「しなきゃ」って思ってしたわけじゃなくて、「それしかない」って感じ。今思えば、「結婚しなきゃ」って悩むことがないのが、結婚のいいところかも。でも、女性って強欲だから、一時的に煩悩から解放されても、またすぐに次の欲が出てくる。結婚はカンフルでしかないかな。川崎さんは何歳で結婚されたんですか?

川崎:私はできちゃった結婚で31歳のとき。でも、20代後半は結婚する意味が1ミリも分からなかった。25歳で起業したから、“人生最大のやらなきゃいけないこと”が、会社を大きくすることだったの。そこに嫁業務や籍を入れるとか、「苗字が変わる?は?」みたいな。
最近、「自由や仕事の楽しさを捨ててまで結婚する意味がわからない」とか、結婚するメリットデメリットを問う議論をwebでよく見かけるんだけど、私が正にそれ。シャワーを浴びるくらいにしか帰らない家に、旦那や子どもがいるっていうイメージがつかなかった。だって、普通にサボテンが枯れるような生活だったんですよ?

家入:サボテンは中々枯らすの難しい!(笑)

川崎:そんな生活のどこに、何かを育む余地があるんだろう?って思っていました。自分もちゃんと働いているし、恋人でいいじゃないって。そのことを先輩経営者の男性(既婚子持ち)に話したことがあるんですけど、「川崎、そうじゃないんだぞ」って一言だけ言って黙っちゃったんですよね。うじゃうじゃ言われなかったことでかえって記憶に残っていたのか、妊娠が分かったときにそのことを思い出したんです。言葉にしなかったところに既婚者にしか分からないストーリーがあるんだろうなぁって思って。
もしかしたら、これは私の人生の一大チャンスなのかもしれないと気持ちを切り替えて産むことにしました。

家入:先輩素敵…。

川崎:でも、それでもまだ結婚の意味が分からなかったから、妊娠6ヵ月目になって、子どものために籍を入れたという感じです。でもね、出産後3週間で復帰したんですけど、家に帰ったらいるわけですよ、赤ちゃんが。
当時、経営者としていろいろなストレスを抱えていたのですが、圧倒的に可愛い存在がいるということに、ふだんあまり浮かれない私が嬉しくて嬉しくて毎日浮かれていました。ストレスとか言ってる場合じゃないと。先輩が言っていたのはコレか、と。そうしたら、娘の生育環境として考えると、籍入れた方がいいだろう、一生懸命仕事して、教育方針を合わせて、仲良くやっていったほうがいいだろう、じゃあ、結婚ってのはいいことだろうって、なっていったんですよね。

家入:そうだったんですねー。わかります。子どもがいると結婚する意味というのは、大きくなるかもしれませんね。逆もいえてしまうんですが。

川崎:肩車してくれる人とか、ママに怒られたときにパパのところへ行くとか、ダブルインカムであるとか、子どもにとってのセーフティネットとしてふたりの大人が携わる意味を感じて、「ああ、これが結婚か」みたいな。実際元夫も子煩悩だったんですよ。ベントレーの衝動買いとかしてたけど(笑)。

結婚にラクさやメリットを求める20代
ただし結婚とは「出会ってしまっただけ」であった…

家入:そのとき、お仕事は順調だったんですか?川崎さんでいうと、妊娠しても、「自分と社員を抱えたまま生きていけるわよ!」という雰囲気は十分に想像できるんですが!

川崎:そうですね。実際離婚後はシングルマザーやっていましたし。
ただ、自分が結婚前の20代の頃を思い出すと、女性がハードに働いちゃうと、女のパートをやらなきゃいけない負荷って大きいなとは思ってた。どんなに理解のある人だって、「うちの彼女は毎日終電で帰ってくる」とか漏らすじゃない。

家入:やっぱりそう言うんですよね、男の人って。

川崎:「全然家にいない」とかね。そうなりますよね。ただ、そうすると、会社でも交渉ばっかりしてるのに、家でもネゴか、と。メリットもラクなことも何もないじゃないですか?ってまあ思っていたんですよ、20代のときは。週に1回会う恋人の方が理にかなっている、とかね。
私にとって結婚は娘にとってメリットがある方を選択した結果で、私の場合は“娘に出会っちゃった”っていう、それだけのことで。ある人にとっては“その男の人に出会っちゃった”から、結婚の意味も分からないけれど結婚したっていうことなのかもしれないし。明子さんは当時、女のパートについて何か思ったりはしましたか?

家入:私はまだ10代だったのと、女子高やら父親の単身赴任やらで、学校も家も女子しかいない環境で育ったんですよね。だから、実は自分の女性的な部分って結婚前に実感したことがなかったんです。高校生のときに付き合っていた元夫は、女性の部分を意識しないで一緒にいられたから、こういうもんだろうって家庭に入りました。

女子力・妻力を磨くことが、必ずしもいいとは限らない

―実際に結婚後の生活はどうだったんですか?

家入:結婚したとき元夫はサラリーマンだったんですけど、起業するっていって、会社が大きくなるにつれて周りから「企業家の妻ってこういうものだよ」っていってくる人がいるわけですよ。聞いているうちにそれが正しいと思うようになってきて、そうしなきゃってなるでしょ。
黙ってニコニコ聞いていればいい奥さんとしての評価が高くなるから、本当は話したいことがたくさんあるのに、お客さんが来てもしゃべらない時期もありましたね。そんな風に、“女性である自分”を意識していた時期もあったと思います。
でも、そのときは全然おもしろくなかった。評価は上がっても自分が楽しくないから、あるときからちゃんと話すようにしたんです。そうしたら、私を人間としてみてくれる人もできました。“いい奥さん”を演じることで、存在感はどんどん薄らいでいましたね。

川崎:起業家の人って、いろいろなひとに出会うでしょ。私も端くれなので出会う必要性は分かるんですけど、大物と出会うことで「もっとこうなろう」とか、「この人のこういうところに近づこう」とか、刺激物とたくさん出会うから、よっぽど信念なり哲学なりを持っていないと、自分をもって行かれちゃうんですよね。

家入:そう。どんどん変わっていっちゃうの。

川崎:そうすると、昨日と今日で言っていることが違ってきたり。だから、よっぽど夫婦で話し込んでいかないと、妻を家に閉じ込めたままにしちゃったり、あまり会わなくなったり、夫婦のスタイルが変わっていっちゃう。企業家はすごく短いスパンでそうなるんだけど、ただ普通の人も10年タームとかでは変わっていくから、夫婦がやらなきゃいけないコミュニケーションとか、持っておかなきゃいけない約束事とか、そういうのがすごく大切だと思う。

家入:しかも、起業家って停滞することを怖がる人達ですよね。変わっていかないといけないって思う人達。

川崎:「成長!拡大!変化!」に憑りつかれた人種ですからね。

家入:ね~。でも、そんな元夫に対して私がいい奥さんでいなきゃいけないと思ったのは、そんなにオンデマンドじゃなかった気がするんですよ、今思うと。社会的にはそうしないといけないから、私がひとりで責任を感じてやっていただけで、別に元夫はそんなことを望んでいなかった気がする。

川崎:何を望んでいたの?

家入:社会的にダメなタイプでしょうか(笑)。元夫の周りでは男の子も女の子も、浴びるようにお酒を飲むとか、DVにあったとか、ダメンズにはまるとか、みんなそんな感じなんです。私もよく考えてみたら、もともとだらしなかったんですよね。親子丼しか作れなかったり、食器も洗わないで2,3日シンクの中に溜めていたり、生活力が全くなかったんです。妊娠中ってお腹が大きくなるじゃないですか。それに合わせて大きなパンツをはくでしょ、おへそまであるパンツ。私、シマシマのパンツをはいていたときに、「ハチ~♪ぶーん」とかやってたんです(笑)。

川崎:なるほど。ハチはかわいいな~(笑)。

家入:川崎さんが、女子力をムダに磨くなっていうのにも通じていると思うんですけどね…。女子力、妻力を私も磨いてきました(笑)。でも、川崎さんは企業家だから、妻が夫の変化を恐れるように、川崎さん自身が変化を求める部分もありますか?

川崎:ありますね~。ずっとそうでした。でも、長女が生まれたときに、ストップが掛かったんでしょうね。だから、変わったのは私で、元夫は変わらなかっただけなんですよ。夫婦間の契約違反は私の方だと言えます。

【次回へ続きます。お楽しみに!】

Text/千葉こころ