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  • 2016.10.22

純愛界から降りて来い~!『タラレバ娘』で描かれる「理想の男」しか選べない女子

『彼氏いない歴「○○年」』が口癖。酒の肴は「オトコがいない」。そんな、「出会いがない」と嘆いている女子のみなさん。本当に出会いがないのですか?そもそも、出会おうとしていますか?恋愛をしようとしていますか?今回は、出会いがないと嘆く女子の行く末と打開策についてのお話です。

タラレバ娘で書かれる「理想のオトコ」は本当に理想?

大泉りか 人妻は不倫の夢を見るか? アラサー 東京タラレバ娘 東京タラレバ娘
by mariadelajuana

「欲しいのに、なかなか恋人が出来ない」という、三十路越えの独身女性からよく聞く言葉のひとつに「出会いがない」「相手がいない」というものがあります。

 しかし、それに対する世間の声は「『出会いがない』『相手がいない』のはえり好みや高望みしすぎているから」と、非常に冷たい。独身女あるあるを「これでもか!」と詰め込んで「いつかは結婚して幸せになりたい」と願っている世のシングル女性たちを絶望のどん底に陥れている漫画『東京タラレバ娘』(著:東村アキコ、講談社)にも、独身女が掲げていい理想のオトコの条件として

「1. 人間 2.生きてる 3.死んでない」

 なんて世知辛すぎる三か条が挙げられていたりして、それ以上を望むのは「贅沢だ!」「身の程知らずだ!」とバッサリと斬られているわけですが、でもね。一生を添い遂げようとする人を「1.人間 2.生きてる 3.死んでない」という、これだけの条件で選んでいいわけがないと思うんです。

 だって、そんな相手のためにスケジュール調整してデートして、さらにはセックスまでするんですよ。結婚すれば一緒に住んで毎日、一緒にご飯を食べて布団を並べて寝るなんて想像するだに厳しいですよね。

アラサー/アラフォーが直面する「理想と現実」

 しかし、もちろん「イケメンじゃないと無理」となると、ちょっと厳しいとは思います。

 イケメンと恋愛がしたいなら、十人並みくらいの顔だちであってもスタイルと若さで誤魔化して「イケメン風」を装うことが出来る二十代の男性と、無理なく恋愛の出来る年齢までに捕まえておくことが必要です。

 というのも、アラフォーになって回りを見回して思うことは、イケメンなんて30人とか50人にひとりくらいしかいないということです。
確か20代や30代前半の頃は、もうちょっとイケメンや、イケメンまではいかずとも「悪くはない」ってルックスの人が多かった気がするのですが……

 男はとかく30代から40代になるところで、めちゃくちゃオジサン化します。
しかも渋くてカッコイイオジサンになるわけではなく、たんなる冴えないオジサンになることのほうが断然に多い。
メタボ、薄毛は仕方ないとしても、見事に身なりに気を使わないオジサンばかりになってしまうのが現実なのです。

 なので、このコラムを読んでくれている女性に言いたいのは、もしもあなたが、ある程度、顔にこだわるタイプであれば、これから先、どんどんと恋愛が出来なくなってしまうよ、ということです。

 しかし、そこまでルックスにはこだわっていないというのに、「出会いがない」という女性は何が悪いのでしょうか。

「出会いがない」と嘆く女性が意識しがちな“しきたり”とは?

 彼女たちを見ていて、ひとつ言えるのは「好き」のハードルが高いなっていうことです。
っていうと「やっぱり『高望み』『えり好み』してるんでしょ」という話になるじゃんって、思うかもしれませんが、そうではなく、「人を好きになる」ということ自体に、高いハードルを設定してしまっているということです。

 というのも、以前、男女入り混じった飲み会での席のこと。
その場に、恋人と別れたばかりだという男性がいたので、皆で慰めの言葉を掛けていたのですが、しばらくたった後、その男性が「まぁ、もう別のコにいってるからいいんだけどね」ってぼそりとつぶやいたのです。
その場にいたひとりが「早すぎる!」という呆れた声をあげましたが、男性いわく、「いやいや、恋人と付き合っている時から、ほんのりと『いいな』と好意を寄せていた相手だから、別に何も早くはない」というのです。

 その発言に、幾人かは「あー、わかる、わかる。そういうの、あるよね」と同意し、残りの幾人かは「えっ、恋人がいたっていうのに、どういうこと?」と納得できないような不満の声をあげました。ちなみにわたしは前者のタイプです。

 というのも、もしも、いまの夫と別れることになったとしたら、すぐさま「デートしたい人」や「セックスしたい人」、「口説いてみたい人」たちの名前がすぐさまに挙げられる…

…っていうことをその場で言ったら「えーっ」と驚く人と、「まぁ、ぶっちゃけそうだよね」と同意する人とできっぱりと二つに割れましたが、どうやら世の中には、「決まったパートナーがいる時は、異性に恋愛感情を持たない(ようにする)人」と「決まったパートナーがいても、常に異性に目移りしている人」がいるようです。

 絶え間なく恋愛しやすいのは、当然、後者です。

 純愛界のしきたりからすると、それは「けしからん」ってことになると思うのですが、しかし、恋愛のほとんどは別れる結末をたどることになりますし、結婚して夫婦となっても離婚も珍しくない現代にフィットしているのは、むしろ「決まったパートナーがいても、常に異性に目移りしている人」のほうではないでしょうか。

 なので、いま現在、「出会いがない」ことに悩んでいる女性は、とりあえず、身近な男性を「絶対にない」「デートしてもいい」「セックスしてもいい」に振り分けて、後ろのふたつは実際に行動に移してみる。そうすると、「恋愛」を取り戻せるんじゃないのかなーと思う次第です。

Text/大泉りか

次回は<セックスレスが引き起こす激動の夫婦関係から考える、「性欲」≠「愛」という不等式>です。
男女の関係…恋に落ち、共に人生を過ごす事を誓い、結婚生活へ。至って普通のように見えるものの、この過程の中で大きな落とし穴が。そう、「セックスレス」。時間が解決してくれる問題ではないのが厄介な所。みなさんは、パートナーとの関係をどのように構築していますか?

ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。

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