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  • 2016.09.17

「DV」と「相手に染まる」は紙一重!?男の理想になるリスク

彼氏の影響を受けたのか「イメチェン」に走ってしまう女友達。「彼氏の色に染まる」ことが可愛いと思っているみたいで…素敵な一面でもありますが、一歩踏み外すと「DV被害者予備軍」になったりしてしまうのです。そこで、「悲しい目に遭わないためにも確固たるプライドを持つススメについて」考えてみませんか。

そのイメチェン…オトコが原因?

大泉りか 人妻は不倫の夢を見るか? イメチェン DV
©NeoGaboX

 久しぶりに会った女友達の、髪形から服装からがらりと変わっていて驚いたことは、誰もが一度や二度は経験したことがあるのではないでしょうか。

 当のわたしも、脚フェチ男性と付き合っていた時は、脚がよく見えるミニスカートに高いヒールを履くことが多かったし、オネエサン系のOLが好みだという彼がいた時には、膝丈のタイトスカートにストッキングを履いて、首元にはストールなんかを巻いてもいました。

 そういう、今までとは違った格好をする時に、いつも不本意な気持ちでもって「こんなカッコ、本当は好きじゃないのに……」と苛立っていたかというと、必ずしも、そういうわけでは、ありません。今までとは少し違うテイストの服を着ると、気分が変わって楽しくもあり、しかも、それを好きな人に「可愛い」「好みでぐっとくる」などと、褒めてもらえるのも嬉しかった。

 なんてことを思い出したのは、先日公開されたばかりの映画『スーサイド・スクワッド』を観たからです。
以下、ネタバレが少々ありますので、ご注意を。

「恋したい」の裏の意味は…?

『『スーサイド・スクワッド』は、『バットマン』や『スーパーマン』といったDCコミックのヒーローに捕らえられた悪人たちで結成されたチーム。減刑を餌に、政府の汚れ仕事を担わされる悪役たちの集団です。

 100発100中の腕を持つスナイパーや、手から炎を放つ特殊能力者、突然変異でワニのような肌を持つ男など、個性的な悪役な面々が活躍するアクション映画なのですが、その中でも、ひときわ目を引くのがジョーカーを愛するあまりに闇堕ちしてしまったヒロイン、ハーレイ・クインです。毛先と赤青二色に染め分けたツインテールに、美脚をこれでもか、と曝け出したショートパンツ、ヤンキー風味のサテン地ブルゾン、首には恋人のジョーカーの愛称である「Puddin」の文字のチョーカー。キュートでエロいその姿はスクリーンで一見の価値あり!

 なんですが、実はこのハーレイ・クイン、ビッチなキャラかと思いきやその正反対の我命有限愛続愛羅武勇な一途な女のコ。ジョーカーと出会ったことで、精神科医という立場を捨てて、社会に中指を突き立てた!のはいいんですが、代わりにジョーカーに心を囚われることとなってしまう。恋によって、自由になったようで、むしろ、なにも開放されていないのが、なんとも悲しい、というのがこの映画を観て一番強く思ったことでした。

“恋愛”が持っている要素のひとつに「今までとは違う自分になれる」ということがあります。献身的な気持ちを抱くようになり、「相手のために何かしたい」と思うことで、今までと違った自分に変化することもあれば、恋をした相手と深く知り合うことで、その人がこれまで身に着けてきたカルチャーや、世界を深く知り、その影響を受けて、自分が変貌することもある。そういう意味でいうと、“恋”には、平凡でつまらない日常を変えてくれるという、希望がある。
いえ、そもそもが「今の自分とは、違う自分になりたい」からこそ、恋をする――「恋がしたい」という言葉の裏には、「誰かに自分を、変えて欲しい」という意味が込められているようにも思えます。

 が、恋人によって変化させられることは、必ずしもいいことばかりではありません。支配欲の強い相手の場合は、いくらあなたが自分好みに変貌を遂げようとも、「自分と出会う前のあなた」を否定したり、「もっともっと」とあなたが譲れない部分までも合わることを求めてきたりもする。こうなると立派なDV ですけどね。

DVを拒否する心の作り方

 しかし、世の中には、どんなであれ、好きな人の色にすべて染まるのが幸せだという女性もいます。
そして、好きな人の願望を叶えるために努力している女性の姿は、たしかに可愛い。その姿は、一部の男性たちから、「これでこそ、女のコ」と、称賛を浴びることでしょうし、他人の色に染まることに拒否反応を感じてしまうタイプの女性からは、眩しく見えることもあるのではないでしょうか。
しかし、思うのです。努力して、すべて染まろうとしたところで、いいことなんか、ひとつもないと。

 かくいうわたしも、どちらかといえば、他人の色に染まることに拒否反応を感じるタイプの人間です。

……いや、拒否反応を感じながらも「仕方ないな」と一応はチャレンジするタイプでしょうか。そして、脚フェチ男のために高いヒールを履くとか、コンサバ男のためにストールを巻いたりくらいは出来る。もちろん、内面への影響についても同じことで、恋人の持っている「レアな情報」や「マニアックな知識」には積極的に触れたいし、それを譲り受けて、今までとは違う自分に成長したいと思う欲はある。こうした癖は、恋人を自分を成長させるための道具として利用していることでもありますし、結果、傍からみれば、「彼にかぶれてにわか」な人間に見えるかもしれません。
けれど、人と関われば、なんらかの影響を受けるのは当然のこと。そこに対して「かぶれ」とか「にわか」という人のほうが心が狭すぎる……ちょっと話がそれてしまいました。本題に戻します。

 いま、「相手に染められる」のを許すことにしているのは、“プライド”を持っていないがない部分だけと決めました。それは、「あの頃、男の影響で、ハマってたね」と笑える場合と、思い出すと顔が能面のようになる黒歴史を経験してきたからで、その結論として導き出したのが、“プライド”のない部分ならば、例え受け渡したとしても、何かを失った気には、ならないということです。

 DVをうっかりと、甘んじて受けることにならないために、譲れない“プライド”の部分だけは、絶対に受け渡さないこと。DV男に当たりがちな女性には、ぜひこれを心に留めておいて欲しいと思います。

Text/大泉りか

次回は<「イッた」かどうかは謎のまま。「演技かどうか」は女同士のセックスでも見抜けない!?>です。
大泉りかさんが大学時代に覚えたことのひとつが「同性とのセックス」。そんなとき男友達の彼女に相談されたのが、「セックスでイったことがない」という悩みでした。AM読者の中にも同じ悩みをもっている方がいるかもしれません。女の子のほうが女の子をイカせてあげられやすい、という話もありますが、果たして……?

ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。

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