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  • 2016.08.13

「年下の女とヤれると信じるオッサン」は私に女を自覚させた

自分が“女”だと自覚する場面…それは、人生において多々あるだろう。そこで、今回は大泉さんが“女”になったと自覚した時のお話を――男というだけで醜さがj許容されると無邪気に信じて二十歳年下の女と対等に恋愛やセックスができると信じているオッサンに“女”として苛立ちを感じた…

“女”になったと思い知った出来事

大泉りか 人妻は不倫の夢を見るか?
©Alexander Annenkov

 ある頃まで、「自分は“女”だ」ということを、改めて考えようとしたことは、ありませんでした。

 その理由はきっと「幼い頃から色気づいていたから」だと思います。わたしにとっては、物心がついた時から、自分が“女”であることは、当然のことだったのです。

 だから、生理が来た時も、「ようやく来たか」くらいのもので、初体験を済ませた時も「これで晴れて自由の身!(=すでに女であるのに、処女膜が女活動するのをジャマしていたという意識)」という感想こそ持ったものの、「わたし、これで“女”になったんだわ」と しみじみ感じ入ることはありませんでした。

 それは、“女”としての理不尽さに激しく晒される機会が少なかったせいもあったかもしれません。いや、もちろん機会は、多々あったのですが、わたしは正論こそが正義と考える少女でした。

 だから、痴漢に遭うことがあっても恥ずかしがらずに「ふざけんな」と声を出すことが出来たし、両親の「女のコなんだから、やめなさい」の言葉には、「女のコだから、なんでやめないといけないの?説明して。できない?なんで?差別?差別?差別?」としつこくしつこく食い下がり、辟易とさせることを得意としていました。

 しかも、“女”として生きるのは、そう嫌な目にばかり合うことばかりでも、ありませんでした。むしろ都合のいいこともたくさんあった。道を歩いていると向けられる男のコたちの視線は気持ちがよかったし、可愛らしい服やメイク道具を所有するのは楽しかった。重い物を持つことだって「女のコは力がないから」という理由で、なぜだか免除されるし、大嫌いなマラソンだって男子と比べれば距離はぐっと短め。臨海学校の遠泳が嫌すぎて「生理なんで」と嘘をついて休んだこともあります。その時はクラスの半数ほどの女子が生理を理由に遠泳をサボっていましたが、何も言えない教師の姿を見て、「女って楽」とほくそ笑んでいました。

 が、高校を卒業し、大学に入ってからのことです。わたしは「“女”になったんだわ」と否応なしに思い知らされることになりました。

 18歳になり、ぐっと広がった世界で出会った、わたしに“女”だということを知らしめた生き物――それはオジサンです。

二十歳年下の女と対等になれると考えるオッサン

 もちろんオジサンと、それまで関わりがなかったわけではありません。高校の時に通っていたデートクラブで、わたしを指名するのは、オジサン達でしたし、札束の魅力に負けて寝たこともあるから、若い男性とは違う、その肌の質感や柔らんだ筋肉も知っていました。

 けれど、それは“女子高生”という記号を求められてのことだった。“女子高生”という存在は、“女”とはまた違った記号を持った存在です。“女子高生”を愛でることは、“女”と関わることとはちょっと違う。もちろん女子高生相手に、恋愛感情を抱いて、そこを踏み越えて入ってくる人もいましたが、それは、「ロリコンのヘンタイ」というオジサンとはまた別の生き物でした。

 だからこそ、高校を卒業して制服を脱いだことで、わたしを“女(=口説いてヤレる相手)”とみなすようになったオジサンの存在に、大きなショックを与えられるとともに、「あぁ、わたしは女になったのだ」と呆然としたのでした。

 最初は、もちろんのこと、自分と二十歳歳以上も離れた男性が、まさか自分を恋愛の対象として見ているとは思ってもいませんでした。性欲の部分で求められることは、デートクラブ時代の経験から、重々承知していたけれど、そうではなく、父親と変わらない年齢の男性が「口説いてベッドに持ち込もう」とする男性が本当に信じられなかった。

 そういう男性たちは、口説く時によく、「わたしがいかに若いか」ということや、「その若さが素晴らしいものなのか」ということを、何度も口にしました。時には強調するためにか「年を取った女は、いかに醜いか」を対比として出すこともありました。それはわたしの優越感をくすぐるとともに、一方で呪いのようでもありました。だって、わたしもすぐに年を取る。そして、同じく年を取った人間だというのに、男だというだけで、醜さが許容されると無邪気に信じているばかりではなく、二十歳以上も年下の女と、対等に恋愛やセックスが出来ると信じ込んでいるオジサンに、わたしは初めて“女”として、苛立ちを感じたのでした。

Text/大泉りか

次回は《千葉のヤンキーを黙らせる!?キャバクラ通いの40代が見せる『日本の男社会』》です。

ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。

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