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  • 2016.05.07

「顔が見えないからこそ官能的」―電話で感じる男の性癖と興奮と

皆さんは「ツーショットダイヤル」をご存知ですか?男の欲望を満たしてくれる電話。。。その裏側で繰り広げられていた事とは一体…?今回はツーショットダイヤルのサクラを通して経験したテレフォンセックスとそこから見える男の性癖についてです。

「破格のバイト」の正体とは

大泉りか 人妻は不倫の夢を見るか? テレフォンセックス 池袋
©by Illusive Photography

 16歳で処女を失うと同時に、ギャル化も果たしたわたしの日課は、池袋の繁華街にくりだすことでした。
特に何か目的があるわけではなく、ただ歩いてナンパされたり、路上に溜まって話したり、たまに安いカラオケボックスで騒いだり。
そうして浮ついていると、悪い大人がイケナイ誘いをしてくるわけです。

 ある日、いつものようにサンシャイン通りを暇つぶしに徘徊していると、ひとりの男性が声を掛けてきました。
そして言ったのです。「ポケベル、欲しくない? バイトしてくれたら無料で貸してあげるよ」と。

 当時、イケている高校生の間で、ポケベルは不可欠の品でしたが、わたしの両親はそこそこに保守的であったために「そんなもの、なんで持つ必要があるんだ」として、絶対に借り与えてはくれませんでした。
だから、どうやってポケベルを手に入れるかは、当時のわたしの悩みのひとつでもありました。
「白馬の王子が突然やってきた!」とはさすがに思いませんでしたが、晴天の霹靂、棚からぼたもち。
「話だけでも……」ということで、雑居ビルの中にある事務所へとついていったのです。

 事務所で説明を受けると、バイトとは「ツーショットダイヤルのサクラ」ということがわかりました。
自宅もしくは公衆電話(当時は当然携帯など普及していませんでした)から、決まったフリーダイヤルの番号に電話を掛ける。
その際、相手と繋がるまでの間、個人に割り当てられたコードをプッシュすることで、サクラの誰が電話をしているのかがわかる仕組みになっていて、繋がった男性と5分以上話すと、時給が発生するというものです。
時給は一時間1200円だったと思います。
一時間ぶっ続けで話さなくてはならないことはなく、合計で一時間に達するごとに、時給が発生する仕組みで「女のコが足りない時に、ポケベルを鳴らすこともあるけど、その時、絶対に電話をしなくちゃいけないわけじゃないから」と説明を受けて思ったことは、「そんないいバイトがあるだなんて!」ということです。

「若い女」という記号だけで…

 というのも、当時、わたしは近所の蕎麦屋でバイトをしていたのですが、時給は750円。
しかも、両親から「勉強に差し障りが出ないように」という理由で、土日のみ働くことを許されていたのですが、それではひと月に稼げるバイト代などたかが知れている上に、遊ぶ時間がない。
遊ぶお金を稼ぐためにバイトしているのに、バイトをしていると遊ぶ時間がなくなってしまうことが、悩みの種だったわたしにとって、まさに渡りに船と言えました。

 なので、その場で登録し、ツーショットダイヤルのサクラ嬢となりました。
が、このバイト、自分にものすごく向いていないということに、すぐに気が付きます。
というのも、わたしの声は低くてドスが利いていて、まるっきり可愛くない。
蓮っ葉なしゃべり方がそれに輪を掛けて、何を話していても、とにかく生意気に聞こえてしまうのです。
けれど、相手を楽しませようが、嫌な気分にさせようが、一時間話せば1200円貰えるわけで、だから「気に入られよう」という努力をする気もなかった。
電話の向こうの相手を人間扱いしていなかったし、人間扱いしていないことに少しの疑問も抱いていませんでした。
名前も顔も、知らないくせに、声だけのわたしに欲情する男を馬鹿にして蔑んでいたのです……いや、ちょっと違う。

 むしろ、わたしのことなんてろくに知らない男が、わたしの“若い女”という記号に欲情していることに傷つき、八つ当たりで、人間扱いしないことで、その憂さを晴らしていたのです。
いま思えば、仕事で稼いだ金で癒しを求めて、スケベな素人女性が集まるというツーショットダイヤルに掛けていたのに、つながったのは「お金を貰ってるんだから、せめて楽しませよう」といったプロ意識もない、性質の悪いサクラだったというのは、気の毒だったなぁと思います。

電話越しから見えてくる
男の種類は「三タイプ」

 さて、ツーショットダイヤルの客というのは、三タイプに分かれています。
ひとつは、暇つぶしに女のコと話(主にエロ話)が出来ればいいと思っている人
もうひとつは会うのが目的の人。会ってセックスできるのではないか、というワンチャン狙いの男性。
最後が、テレフォンセックス目的の人です。

  最初、テレフォンセックス目的の人のことは嫌厭していました。なんせ電話越しにハァハァ言っているのが気持ち悪かったからです。
エロ話はしていて楽しかったし、会ってセックスするのが目的の人は、「会ってもいいかなぁ」という餌をちらつかせれば、いくらでも話を長引かせることが出来るから楽で好きでした。
しかし、続けていくにつれ、テレフォンセックスの相手をするのが、一番楽しいことに気が付きました。

 というのも、テレフォンセックスをする場合、顔が見えない、見知らぬ相手だからか、自分の欲望を包み隠さずにぶつけてくる男性が多く、その多様性がとにかく面白かった。
こちらが女子高生だということを申告すると「君の!ハァア!制服を!ハァア!スカートだけ!ハァア!めくりあげて!ハァア!白いパンティーを!ハァア!ずらして!ハァア!お仕置きに!俺のちんちんを!ハァア!」など、自分好みのシチュエーションを作り上げて妄想の世界に突入してくれるのです。

 もちろんそういった妄想を語られることを「キモチワルイ」と引く人もいるでしょうが、わたしは「オモシロイ」と感じるタイプだということに気が付きました。
そして、語られる妄想は、現実離れしていて、変態性が強いほどに切実で、胸を打たれる。
興奮が極まった男が、受話器の向こう側でピチャピチャピチャピチャと舌を鳴らして疑似クンニしている音を聞きながら、突如目の前に広がった、大きくて深すぎる性の世界に、興奮を覚えたていたのでした。

…次回は《ガラス越しのオンナを選ぶ男と、葛藤する女―デートクラブでの実体験で見えたもの―》をお届けします。

Text/大泉りか

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ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。

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