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  • 2016.04.09

「本当に好きな人が出来るまで取っておきなさい」-純潔教育とリアルの葛藤

家庭で性の話をしなくても、好奇心旺盛な思春期の少女は、あの手この手で性の情報を集めるもの。みなさんも少女向け雑誌のちょっとえっちな投稿コーナーに興奮した記憶はないですか?性に目覚め始めたあの頃を思い出しながらお読みください。

かくれんぼで見つけた某M社の「マーブル」

大泉りか 純潔教育 性教育 マンガ セックス 乳首 整理 小学生
by sexyi

 母親から“セックス”についての話をされたのは、小学校6年生、生理が始まってしばらく後の頃でした。女性の身体の仕組みを説明する本を渡されて、生理の仕組みと、「セックスをすると赤ちゃんが出来る」ということを教えてくれました。
そして、同時に、「セックスは好きな人とするもの、だから、本当に好きな人が出来るまで取っておきなさい」という純潔教育も授けていきました。

 その頃――10代になると、ますます性的なものに興味や好奇心を持つようになりました。
しかし、我が家では「性的なものは家に持ち込まない」というルールが適用されていたので、あるものと言えば、父親が持ち帰ってくる男性向けの週刊誌、それも、『週刊ポスト』や『週刊現代』、『週刊文春』といったエロ度の低いものと、弟が買っている少年向けのマンガ雑誌くらいしかありませんでした。
それらの中から少しでも性的な香りのするページを見つけると貪るように読み耽っていた。
当時のわたしは“発情する処女”でした。

 貪り読んでいた雑誌類の中で、なんといっても一番印象深いのは、文春の『淑女の雑誌から』のコーナーでしょうか。
二十五年以上も続いている長寿連載なので、ご存知の方も多いと思いますが、レディコミやティーンズ誌などの女性誌の、体験告白コーナーを引用する形で紹介し、一言、ダジャレ的なコメントをつけた構成の読み物ページです。
「セックスはおちんちんを女性のアソコに挿入すること」だというセックスのあらましを始め、外でするセックスを「青姦」と言うことや、コンドームの名前の由来が「今度産む」から来ているという都市伝説を、このコーナーから学びました。

 そのうち「淑女の雑誌から」によく引用されていた大元のティーン向けの雑誌を、自分のお小遣いで買って読むようになりました。
今は既に廃刊してしまった『エルティーン』や、『パステルティーン』、『おちゃっぴー』などの読者相談のページは、性にまつわる悩みが多く、「彼氏と初エッチの時に、パンツに染みがついていたら嫌われますか」や「乳首を触っていたらポロリと取れてしまったんですが、これ、どういうことなんでしょう」などといった、今、こうして思い出してもなかなかに生々しいエロネタがたくさん仕込まれていて、ものすごく興奮したことをはっきりと覚えています。

 ちなみに、おぼろげな記憶ながら、前者に対する回答は「女のコのパンツはちょっとくらい汚れていても当たり前のもの。なので、気にすることはありません」で、後者は「それは乳首ではなく、垢の塊ではないでしょうか?痛くなければきっと垢です」というものでした。
乳首にそんなデカい垢が溜まるだなんてことあるのか……
という疑問はさておき、昭和末期および平成の初頭あたり、まだインターネットのない時代に子供が触れることの出来るエロというのは、これくらいソフトだったのです。
だからこそ、試してみたかった。
リアルを知るには、身をもって試すしかない世の中で、けれども、わたしには「本当に好きな人が出来るまで(セックスは)取っておきなさい」という純潔教育の呪いが掛かっていた。
発情し、試してみたいとさえ望んでいる自分と、それに対する罪悪感にさいなまれた自分の性は、ただひたすらに、扱いにくいものでした。

 続く。

…次回は《用途がわからないおしゃれな物体は大体アダルトグッズ》をお届けします。

Text/大泉りか

ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。

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