• love
  • 2015.12.19

ベッドの中ではくっついて眠りたい…愛と人肌のバランスについて

冬は人肌恋しい季節。人肌が恋しいけれど、あまり求めすぎても相手は息苦しく感じちゃう!?自分の欲と、相手の都合。その落としどころを考えなくちゃいけないのが「愛」なのかも…。今日みたいな寒い夜こそ、彼にくっついて考えてみてください。

他人のぬくもりを感じたクリスマスの朝

大泉りか 官能小説 人妻は不倫の夢を見るか 結婚 セフレ 夫婦
by Francagimenezcastañares

 我が家の寝室は和室で、夫と犬と共に、布団を敷いて寝ているのですが、この時期は夫と、犬の奪い合いになります。
というのも、夏は涼を取るために畳の上で寝そべっている犬が、寒くなってくると布団の中に潜り込んくるのです。
それが、ぬくくてふわふわでたまらない。
隣で寝ている夫と、どのあたりに犬が位置を落ち着けるのか牽制しあうのが、この時期の常です。

 犬は大概の場合、どちらかの足元にポジションを取ることが多いのですが、幸運にも自分の足元に来てくれた場合は、足先をその身体にピトッと当てます。
犬が夫の身体を挟んで向こう側にいる場合は、仕方がないので、夫の足先に自分の足先を当てます。
そのどちらの場合でも、身体の向きは布団の外側向き。
後ろから相手を抱きかかえるスプーンと呼ばれる体勢は、されるのはいいのですが、する方だと寂しいし、旦那がこっちを向いて寝ている場合は、顔と顔との距離が近すぎて落ち着かない。
なので、わたしはいつも外側を向いて寝る癖がついています。

 さて、大昔……本当に大昔、今から二十年以上も昔のことです。
クリスマスイブに開かれた飲み会に参加したことがありました。
仲のいい遊び友達同士20人ほどの飲み会で、わたしはそこで知り合った男のコと、その夜ホテルに行き、朝まで過ごすことになりました。
その頃、わたしはもう処女ではありませんでしたが、基本的に外泊は禁じられていました。
なので、ラブホテルに泊まったのはその日が初めてだったと思います。
最も、ラブホテルに足を踏み入れること自体は、物珍しくもなんともなかったので、いつも通りに時間を過ごし、そしていざ寝ようとした時に、いつもと違う新鮮な体験をしたのです。

 それは何か、というと、抱きつかれて眠ることです。
その男性は後ろからわたしを抱えたまま、眠りにつきました。
そして、わたしは背中に他人の温もりを感じながら、クリスマスの朝を迎えたのでした。


どうしてぬくもりを求めてしまうのか


 わたしは、小学校1年生の時から個室を与えられて、ひとりでベッドで寝ていました。
三才年下の弟や五才年下の妹は、両親と一緒に和室に布団を敷いて寝ていたので、いま思えば、なんでわたしだけ隔離されていたのかわかりませんが、家族旅行や友達の家に泊まりに行って雑魚寝したり以外は、あまり人と一緒に寝るという経験がなかった。
だから、人とくっついて寝る気持ちよさに気が付いたのは、その時でした。

 それ以降、わたしは完全に、男性と寝る時は、くっついて寝ることを求めるようになりました。
「腕枕して」「抱き合って眠りたい」「後ろから抱きしめて」と。
勿論のこと、中には、「苦手なんだよね」「くっつくと熱い」「気になって寝れない」という男性もいましたが、その場合は、「なにそれ。嫌がるって、ちょっと愛が足りないんじゃない?」と言って口喧嘩になったりもしていた。

 喧嘩になってまで、ぬくもりを求めるのはなぜでしょうか。
それが愛っぽいからでしょうか。
しかし、愛を感じるために、くっついて寝ることには、息苦しさを伴います。
息苦しさを感じているというのに、なぜ求めてしまうのか。
そもそも、愛とは身体の密着度で測れるものなのか――。

 考えることは、素晴らしいことです。
考えて自分の心を整理をしていくうちに、いつしか、人の快眠を妨げなくとも済むくらいには“くっついて寝たい病”は回復しました。
といっても、根本的なぬくもり欲が無くなったわけではありません。
ゆえに足を犬に絡め、それが無理ならば夫の足に絡める。
人様に息苦しい思いをさせずに、自分も息苦しい思いをせずに、落としどころを見つけた結果、この形へと収まったのですが、たかだかどう眠るかくらいで、欲と気遣いとのバランスを取って形作っていかなくてはいけない。
“愛”に付き纏う“欲”って、本当に面倒くさい。

…次回は《クリスマスからお正月。大切な人と過ごすときに欠かせないものは?》をお届けします。

Text/大泉りか

ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。

今月の特集

AMのこぼれ話