女のときめきのツボは世界共通?映画「マジックマイク」で味わう未体験の興奮

性的な視線で視られる快感

大泉りか 官能小説 人妻は不倫の夢を見るか バイブの日 Philipp

 つい先日、遅い夏休みということで女友達とタイ旅行へと行ってきました。夜遊びパラダイス・パタヤで朝方まで大騒ぎし、翌日はまったりとビーチで新鮮な魚介を使ったタイ料理をつまみにビールを飲みつつ海を見ながらリラックス……している時に我々(もしかして、わたしだけかもしれませんが)の脳天をえぐるような光景が目の前に現れたのです。

 それは鍛え抜かれたマッチョなボディに、小さなビキニパンツ――しかも、スーパーマンのアメコミ柄で、股間部分にはキスをしているヒーローとヒロインのプリント――だけを身に着けたひとりの白人男性。
それだけならば海外のビーチではそれほど珍しい存在ではありませんが、彼が我々(しつこく言うけどわたしだけかも)の眼を惹いたのはその振る舞い。颯爽と海の中へと入っていったかと思うと、身体にローションを塗り付けるような手つきで海水を塗りたくる。水に身体を慣らしたところで、タイ人の若い彼氏(そう、彼はゲイなのです)を手招きし、バナナボートに跨る。跨るのはいいけどなぜか尻をこちらにツンと向けているカモンベイビースタイル。

「ちょっと、あれ何……?」突然目の前に現れたポルノすぎる存在に、一同、思わず携帯電話を取り出して盗撮を試みようとしていたところ、男は携帯を手にした我々の存在に気がついた。「ヤバい、バレた!」とヒヤりとしたのもつかの間、男は、我々の前を、まるでその肉体を、そのセクシーを、見せつけるようにしてゆっくりと、メンズ版モンローウォークで通り過ぎていったのです。

「あいつ、絶対に気が付いてワザとやってる!」そう確信したものの、彼はゲイ。我々にアピールしてなんの目的が……いや、ある。だって、「性的な視線で視られる快感」というものが、人には確かに存在する。

 しかし、日本の男性は芸能人など一部の特殊な職業の人々を抜かして、「性的な視線で視られること」ということに非常に慣れてなさすぎる印象があります。それは女たちが今まで「男性をエロい目で見ることを楽しむこと」を女同士でシェア出来ていなかったことが原因なのではないか、と思うのですが、男体に発情する腐女子の存在が明らかになったり、プロレスを愛するプ女子がクローズアップされたり、またエロい身体を視た時の「ゲヘヘ」を「萌え」という可愛い言葉で表現できるようになったりして、このところは「女だって男の体をエロい目で見ていいんだよ」という風潮が広がってきたように思えるのです。