人妻が「オンナ」を継続する場合に待ち受ける「下着」という悩みの種

「オンナ」としての下着

大泉りか 官能小説 人妻は不倫の夢を見るか Benjamin Linh VU

 結婚は「オンナから降りる」契機のひとつだ。スカートもヒールもメイクすら封印したところで「もう、わたしには必要ないわ」と言い切れる力強さを、女は結婚で手に入れることが出来る。
配偶者は詐欺だと文句を言うかもしれないし、見放されて離婚をされる可能性もゼロではない。だが、男が「オジサン」になる以上、女に一方的に、いつまでも「オンナでいろ」というのも理不尽な話ではないだろうか。

 ただ、「オンナ」を維持したほうが美しいのは確かであるし、「オンナでありたい」という欲望だってある。だから、どうあるかを選ぶのかは、自分の問題。ようするに、結婚しても、「オンナでいる」ことは、その女自身が“嗜み”もしくは“趣味”としてすることではないだろうか。

 さて、結婚後も、“嗜み”として「オンナ」を続ける場合に、一番後回しになりがちなのは下着である。というのも、メイクを変えたり、流行の洋服を買ったり、体型を維持していたり、ダイエットに成功した場合は、配偶者、もしくは、女友達が褒めてくれたりもする。

 が、下着となると、褒められることは滅多にない。

 配偶者とのセックスが健在で、かつ、下着を誉めてくれる男性である場合は、結婚後も定期的に新しいランジェリーを買う機会が生じるだろうけれど、そうではない場合、自身が下着好きでもない限り、なかなか新しいものを購入する気になれない。
ノーワイヤーだったり、保温性があったり、通気性がよかったり、と着け心地を意識したものではなく、セクシーな“異性に見られること”を意識したものの場合は特にそうだ。

 独身ならば“新しい恋”が下着を買うきっかけになるが、既婚女性である場合、なかなか“新しい恋”が訪れることはない。もし訪れたとして、その時に慌てて、今までまったく無頓着だった下着に凝りだしたりしては、「浮気する気まんまんです」と宣言しているようなものだ。

 ゆえに、これから結婚をする、同棲を始める、といった予定のある女性で「オンナを降りる」予定がない……さらには、「もしかして、いつか浮気する可能性も否めない」のならば、とにかく下着だけは継続的に買い続けたほうがいいと思う。うっかりすると忘れてしまうので、とにかく、毎月一枚、一年に一度、夏冬のセール時期といったふうに、定期的に下着を購入することを習慣にするといいです…

…といっても、まぁ、人妻の「普段使いの、生活感漂う、臍まですっぽりの大きなショーツに萌える」という男性も多く存在するのだが、やっぱり「オンナ」を“趣味”とする場合はもちろんのこと“嗜み”としても、“脱いでも恥ずかしくないランジェリー”は抑えておきたいところじゃないですか。

…次回は《結婚、妊娠、白髪の陰毛…恋愛から解放されるキッカケは何?》をお届けします。

Text/大泉りか