結婚指輪を外した合コンでの卑屈な態度と罪悪感

結婚指輪をはずす罪悪感

大泉りか 官能小説 人妻は不倫の夢を見るか smplstc

 つい先日、ワインバーを営んでいる友人に頼まれ、その店が主宰する合コンに参加した。男性幹事と女性幹事がそれぞれ参加者を集める普通の合コンとは違い、男性も女性もまったく接点のない者ばかりが4~5名ずつ集められ、合計10名ほどで3時間の間、宴という名の戦に参加した。

 ないのは接点ばかりではない。年齢も職業もバラバラで、男性側の参加者はキャップを斜めに被った若者もいれば、生真面目なスーツ姿の壮年男性もいる。女性陣もバラエティーに富んでいて、二十代の女のコもいれば、わたしよりも明らかにお姉さんな美熟女もいた。

 バーに向かうエレベーターの中で、結婚指輪をつけっぱなしだったことに気がついて、慌てて外すと、これから、何かものすごく悪いことをするような気分になった。
人数合わせで合コンに参加するということは、夫には伝えて、了承も取ってある。なのになぜ罪悪感を抱いたのだろう、と考えたところ、これから会う男性を“独身である”と欺くのだから当然のことだとすぐに気が付いた。

 二度の席替えの後に小さな紙が配られた。そこに「もっと話したい」と思っている異性の名前を書いて店のママに提出する。ママがそれぞれの意向を汲んで采配を振るった席順での最終トークタイムとなった。
わたしの隣は、世慣れした雰囲気の、いわゆる“ギョーカイ人”っぽい雰囲気を持った50代の男性が座り、ハワイやらゴルフやらの話題で盛り上げてくれる。友達の結婚式に参加をするためにハワイには一度行ったことがある。ゴルフをすればこういうオジサンたちにモテるのだろうな、と思った。