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  • 2015.10.09

『ピッチパーフェクト2』、ピュアな恋、大人な恋、セフレからの恋

2012年にアメリカで公開されてから3年、今年になってやっと日本で公開された『ピッチパーフェクト』。その続編が今回紹介する『ピッチパーフェクト2』です。アカペラ青春ガールズムービー、最高です!

 前作『ピッチパーフェクト』は大学のアカペラ部を舞台に、協調性ゼロから全米チャンピオンを目指したガールズのお話でした。衝突しながらチームでチャンピオンを目指す典型的なサクセスストーリーが爽やかに楽しく描かれていました。『Cups』という名曲も生まれ、Youtubeを中心に社会現象も巻き起こしました。

 2作目である『ピッチパーフェクト2』もこのアカペラチーム、“ベラーズ”のメンバーたちが描かれます。今回は何と世界チャンピオンを目指すのです。しかし、事態は部の存亡をかけた世界大会という緊迫した展開を見せていきます。なぜそんなシリアスな展開になったのかは映画の冒頭で描かれます。

柳下修平 ピッチ・パーフェクト2 映画
(C)Universal Pictures

 本作は前作『ピッチパーフェクト』以上に現代のポピュラーミュージックをアカペラで歌います。「お、この曲知ってる!」と思える有名な曲が何曲もあり、前作以上に楽しめる作品に仕上がっています。シリーズものではありますが、本作だけでも“青春ムービー”として十分に楽しめます。

 ガールズたちの青春物語はほろりとさせるもので、ピュアな恋愛やセフレ的恋愛なども描かれます。もちろん、アカペラそのものの魅力は言うまでもなく、悪ふざけや下品さを伴ったジョークも見どころ。最後の最後にはまさかまさかの超豪華アーティストがカメオ出演で驚かせてくれます。

柳下修平 ピッチ・パーフェクト2 映画
(C)Universal Pictures

 前作は最高潮のテンションでクライマックスを迎えましたが、本作はほろりと涙を誘います。しんみりとしたバラード曲"Flashlight"は、なんとサム・スミスとSiaがこの映画のために書き下ろした名曲です。

 前作『ピッチパーフェクト』の良い部分をより引き出しつつ、決して似たような内容に収まっていない本作。新入部員・エミリーを演じたヘイリー・スタインフェルドのフレッシュさも見事なスパイスとして機能しています。

「誰もが楽しめる!」
「誰もが感動できる!」
「誰もがもう一度見たくなる!」


 そんな作品なのです。

ピュアな恋と大人な恋

 ヘイリー・スタインフェルドが演じた新入部員・エミリーのフレッシュさは、ピュアな恋愛ドラマも生み出しました。前作『ピッチパーフェクト』でも活躍した“トレブルメーカーズ”のベンジー(ベン・プラット)が恋する相手となります。

 この恋愛模様がもう見ていて痒くなるほどピュアなもの。
前作からヲタク気質男子だったベンジーは、いざ惚れた相手ができると絵に描いたような不器用さであたふたしてしまい、そんな姿を笑いながらも心から応援したくなります。

柳下修平 ピッチ・パーフェクト2 映画
(C)Universal Pictures

 好きな子の前でうまく話せなくなる…
アカペラ歌ってたらいきなり愛を囁き始める…
海外の大会まで駆けつけちゃう…

 海外の大会まで駆けつけちゃうのは些かストーカーチックですが、エミリーは嫌がっていないようなので良しとしましょう。とにかくピュアで不器用男子なベンジーを母性でもくすぐられたかのように気に入っちゃうエミリーですが、確かにこういう男子は可愛いですし需要あるんでしょうね。

 一方、この映画では大人な恋愛も描かれます。それは主人公ベッカ(アナ・ケンドリック)とトレブルメーカーズのジェシー(スカイラー・アスティン)の恋です。前作『ピッチパーフェクト』では駆け引き的なドラマも見られましたが、本作では理想とする大人な恋愛関係を辿っていきます。

 多くを描かずして理想と思わせる雰囲気や、ジェシーの一歩引いた感が非常に好感。女性が何かを頑張ってる時に変に邪魔せず、心配もし過ぎず、適度な距離で応援できる余裕さが垣間見られました。

 前作と比べてジェシーの存在感は下がるものの、ベッカを陰ながらしっかりとサポートしているその見えない存在感がとても見どころです。

セフレからの恋

 最後はある意味もっと大人な恋、セフレからの恋も描かれています。これはファットエイミー(レベル・ウィルソン)とトレブルメーカーズのOBでトーンハンガーズのバンパー(アダム・ディヴァイン)の関係です。二人はセフレ。本作の中でもウインクで「この後どう?」と誘うシーンがあります。

 前作での二人の関係は完全に割り切ったセフレそのものでしたが、本作ではセフレから本気の恋へと発展できるかを一つの見どころにしています。

 恋とはただ単純に、気づいたらどちらかが落ちていたというものでもありません。それが映画の中のいくつかのパートに分かれて、「今までの関係とこれからの関係」が映し出されます。

柳下修平 ピッチ・パーフェクト2 映画
(C)Universal Pictures

 ピュアさが溢れ出るあまり胸を打つ切なさを伴う夜のシーンがあったかと思いきや、ディープキスしまくりで爆笑してしまうほどの濃いシーンも。映画としての楽しみを入れ込みつつ、ポジティブに「セフレからの恋」を描いていきます。

 この二人の関係がどうなっていくかは映画を見て目撃してほしいですが、最後の最後、エンドロール後のおまけ映像に出てくる最後の一言を聞くととても微笑ましくなると思います。

 そうです、この映画にはエンドロール後のおまけ映像がありますのですぐに席を立たないようにしましょう。最後の最後まで『ピッチパーフェクト2』を楽しんで笑顔で劇場を後にしましょう。

 青春アカペラムービーの中にしっかりと入れ込まれる、「ピュアな恋」、「大人な恋」、「セフレからの恋」。みなさんもきっとどれかに共感したり憧れたりできるはず。

 映画を楽しみつつ、自らの恋愛の糧となることでしょう。

※劇場公開は六本木のみ10月9日、その他は10月16日からとなります。

10.9(金) TOHOシネマズ六本木ヒルズ にて先行&10.16(金) 全国ロードショー!!

監督:エリザベス・バンクス
出演:アナ・ケンドリック、レベル・ウィルソン、ヘイリー・スタインフェルド、アンナ・キャンプ、ブリタニー・スノウ
原題:PITCH PERFECT2 2015年/アメリカ/115分/G指定
配給:シンカ、パルコ
(C)Universal Pictures
URL:『ピッチパーフェクト』

Text/柳下修平

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ライタープロフィール

柳下修平
1986年生まれ。映画ライター・ブロガー。100人規模の映画ファンイベント「映画ファンの集い」主催者。

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