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  • 2015.04.08

下半身に自信満々なエドワード・ノートンに注目!アカデミー賞受賞作『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

第87回アカデミー賞で作品賞・監督賞などを受賞した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。驚くべき作品であり、ゲスさも良いスパイスに。再起をかけるおっさんの姿に勇気をもらえます。

 第87回アカデミー賞「作品賞」受賞で話題の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。タイトルからは何の映画かよく分からないので軽く説明しましょう。

 かつて「バードマン」というヒーロー映画で一世を風靡した俳優が、今となっては「元売れっ子」というおっさん役者に成り下がってします。
しかし、このままでは終われない!と奮い立ち、再起をかけてブロードウェイの舞台に挑みます。よって、バードマンが活躍するヒーロー映画ではありません。

     
柳下修平 映画 ブロガー 映画が描く愛のカタチ アレハンドロ・G・イニャリトゥ マイケル・キートン ザック・ガリフィナーキス エドワード・ノートン アンドレア・ライズブロー エイミー・ライアン エマ・ストーン ナオミ・ワッツ 20世紀フォックス映画 BIRDMAN バードマン 再起 おっさん 巨根 ブロードウェイ
© 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

 ティム・バートン版の『バットマン』を演じたマイケル・キートンが主演で、彼自身もそのヒット作の後はパッとしない俳優人生を歩んでいました。彼自身と本作の主人公・リーガンの再起が被って見えるこのキャスティングがまた見事。
脇を固めるのも、アメコミ映画に出演していたエドワード・ノートンやエマ・ストーンらでキャスティングの妙が光ります。

     
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© 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

 ブロードウェイの出演に再起をかけていたリーガンですが、人生そんな計画通りにいかないもの。エドワード・ノートン演じるマイクの秀逸な邪魔っぷりで、余計にうまくいかない。
見逃せないのが、薬物中毒の娘を演じるサムの存在感。父親であるリーガンとの距離と、チャラ男俳優・マイクとの距離が絶妙で映画全体にスパイスを利かせます。

 これらの俳優陣による演技合戦が見事な本作ですが、それを極限まで高めているのが2時間1カットの映像表現。クライマックス付近以外、ずっと画面のカットが切り替わりません。もちろん編集されているので一発撮りではありませんが、この1カット効果は映画への集中力を高めてくれます。

 人生に切れ目がないのと同じように、切れ目なく作られた本作は、再起をかけるリーガンの熱意を最大限に高め、クライマックスでは「よっしゃー!!人生これからだ!!」と私たちに勇気も与えてくれる演出になっています。


     

巨根自慢のマイクという男


 本作でアカデミー賞「助演男優賞」にノミネートされたエドワード・ノートン。彼はマイクという俳優を演じ、アドリブ連発で主人公・リーガンを翻弄し、困らせます。

 このマイクは何に対しても自信満々なキャラクターで、そのぶっ飛び具合にいちいち笑わされます。その自信とは、彼の風貌や演技だけでなく、ムスコにも。いや。逆を言えば、あの巨根持ちだからこそ、彼の自信に繋がっているのかもしれません。

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© 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

 たとえば、ナオミ・ワッツ演じるレスリーと出演前の布団内で待機している時に、「ムラムラしてきたから今ここでやらないか?」と迫るシーン。そんな興奮状態で舞台に出るから、膨れ上がった彼の股間に観客は大爆笑。見ている私たちも大爆笑です。

 巨根自慢は相当なもので、彼が楽屋にいる時はいつも裸なんです。女性スタッフがいようと、リーガンの娘・サムがいようとお構いなく、素っ裸で股間丸出し。
面白いのは、素っ裸なのに股間は絶対に写らないようにしている点。正面から彼を映す時にはちょうどコップが邪魔をして、うまくムスコを隠しているのです。

 エドワード・ノートン好きな女性なら「違う!そこは隠すんじゃなくて!見たいの!映画『SHAME シェイム』でマイケル・ファスベンダーが丸出ししたように!私はその股間を見たいの!」なんて叫びたくなるでしょうが、見えないものは見えません。はい、残念。

 しかし、この巨根のおかげで得られる男性としての自信や魅力というのは勉強になります。草食系男子が多いと言われる日本ですが、隠れ巨根も絶対にいると思うので、彼のようにもっと自信を持って振る舞ってほしいと思います。

 話が逸れましたね。

 とにかく、巨根持ちで裸を見せたがるマイクのぶっ飛びっぷりと、主人公を邪魔するのに「何か嫌だけど憎めない奴」感が楽しいので、是非注目してみてくださいね。


恋も仕事もおっさんみたいに頑張ってみては?


 本作は、かつて栄光を掴んだおっさんが、もう一度頑張って這い上がる姿を描いています。おっさんは決して万能ではなく、たとえ俳優という職業でも、私たちと同じ普通の人間を描いているように見えます。だからこそ共感できるのです。

     
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© 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

 おっさんの再起もシナリオ通りにはいきませんでした。人生とはそういうもの。
彼の姿を見ていると、私たちの人生も「ちょっと色々あって迷走しても、何とか覚悟を決めて頑張れれば、答えが出なくても新たな行動はできるはず」と思わせてくれます。

「もっと頑張ろう!」

 そう心から思える映画ですが、この「もっと頑張ろう!」は仕事に限る必要はありません。恋愛だってそうです。

 今恋人がいなくて婚期が…と悩んでる方、または恋人はいるけど低迷期だという方。たとえその問題に答えが出なくても、この映画はきっと何か新しい行動をする後押しとなるはずです。
 映画的完成度(1カット演出や演技)を評価でき、私たちの人生との繋がりも見出だせる傑作『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。アカデミー賞「作品賞」受賞の実力に納得をしながら、「もっと頑張ろう!」というモチベーションの糧を得てみてくださいね。


       

4月10日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー

監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
キャスト:マイケル・キートン、ザック・ガリフィナーキス、エドワード・ノートン、アンドレア・ライズブロー、エイミー・ライアン、エマ・ストーン、ナオミ・ワッツ
配給:20世紀フォックス映画
原題:BIRDMAN or (The Unexpected Virtue of Ignorance)/2014年/アメリカ映画/120分
URL:映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』公式サイト

Text/柳下修平

ライタープロフィール

柳下修平
1986年生まれ。映画ライター・ブロガー。100人規模の映画ファンイベント「映画ファンの集い」主催者。

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