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  • 2015.06.15

ふっちゃえば楽なんだろう 好きだって言ってしまえばなお楽だろう

【6月前半のテーマはオフィスラブ】職場やバイト先で起こる「オフィスラブ」。「だってナマが気持ちいいんだもん」と平気で言ってしまうクソ男もいれば、「でも今は、一線は越えずに長く仲良くしていけたらと思ってる」という紳士な男もいる。色んな形のラブがありました。

佐々木あらら 初体験 処女 童貞 卒業 エロ短歌
Courtney Carmody

 恋愛で受けた傷を披露しあって、その傷に「短歌」というばんそうこうを貼って痛くないふりをする読者投稿コーナーです。みなさまの心の痛みが僕および当コーナーの主要な栄養源となっております。いつもごちそうさま。

 今月は「オフィスラブ」がテーマなんですが、女子高生の読者からも投稿をいただきました。「え、学生なのにそんな経験あるの?」と思ったんですが、こんなのでした。ちょっと番外編的にご紹介。

さわきちさん(東京都)
エピソード:
 この前わたしの高校の教師同士が職員室内恋愛で結婚したのですが、その話を聞かされる少し前の授業中に、先生の首元にキスマークっぽいあざを見つけてしまったことがありました。
今思うと、あれは相手の女性の先生がつけたものだったのでしょう。
女性の先生は、勤めて二年くらいの先生でした。

チョーク持ちちらりと覗く首のアザ 犯人はあの新米教師(さわきち)

 おお、確かに職場恋愛だ。どんな立場でも見つける人は見つけられるんだなあ。さわきちさんの観察眼に感服です。こういう目のある人は短歌に、というか創作活動に向いてると思う。もしくは探偵に。

 そういえば僕が高校生だったときにも、英語の新人女教師と物理の先生が電撃結婚して騒ぎになったんだけど、恋愛にとんと縁のないオタク系男子校だったからか教師の首筋なんて誰も見てなかった気がします。教育実習生の胸の谷間は教室じゅうがガン見だったけどね。

「暑いねー」実習生は夏服でたぶん今夜のみんなのおかず(佐々木あらら)

 というわけで、今週の一本目は久々にクズ人間の登場です。

人生初のデートの相手は……

りったんさん(東京都)
エピソード:
 大学2年の春、バイト先で3つ年上の社員の人から人生初のデートに誘われました。
男性としては好きではなかったものの「人生初のデート」に舞い上がったわたし。その夜、酔った勢いで初キスを済ませてしまいました。でも「まだ処女は捧げちゃいかん」と理性を働かせなんとか死守。
後日、その男が別のバイトの子と何年もセフレ関係を続けていること、しかも2回も堕胎させていたことが発覚。問いつめると「だってナマが気持ちいいんだもん」と冗談っぽく返されました。
そこは冗談で言ったらダメだろうと幻滅しました。
その後も、凝りもせずに飲みやデートに誘ってきて、
「君のことは本気なんだ」
とか、
「俺は本当は子どもが欲しかったけど相手が中絶を望んでたんだ」
とか、弁解なのか口説きなのか分からないことをいろいろ言ってきました。
無理なものは無理。

堕胎させ反省しないお前など恋する資格無いに等しい(りったん)

 りったんさんには悪いですが、クズ男はこのコーナーの華ですね。

 大学生の女の子を手当たりしだい引っかけているあたりもわかりやすく最低で、なんというか、ごちそうさま。

 生でしたい男って、基本的にはずっと「生じゃないとやった気がしない」という煉獄から抜け出せないんじゃないかと思っています。なんだろう、日本の生活に慣れている人が「家の中でも靴をはいて暮らす」というスタイルに身体的違和感を覚えるのと同じ感じで。

 性教育の徹底とかコンドームの薄さの向上とか男性向けピルの開発とかでは抜本的な解決は得られないような気がしています。

 成人病対策で食生活改善プログラムがあるのと同じように「生でしなくても納得できるような体質改善プログラム」みたいなのがあってもいいんじゃないだろうか。よくわかんないけど、乳首開発とかアナル開発とかって、そういう方向で売り込んでみたらうっかり政府から予算もらえそうじゃない?

 いただいた短歌は、やや身もフタもないストレートすぎる言い方がもったいないかも。「恋する資格がない」ということを別の言いかたでいうのが、短歌の醍醐味。

中絶を繰り返させた罰として河童に玉を踏みつぶされる

 みたいな。下の句は想像力を駆使してオリジナルな罰を考えればいいと思います。「かんなで竿を短くされる」でも「来世はずっとオスのヒヨコに」でも。

 いい下の句というか罰が思い浮かんだらツイッター@sasakiararaまで、お教えください。

彼は「おしまい」と言いました

 今日の後半は、怨霊度は低いけどちょっとぐっとくる大人のエピソード。

チェックのパジャマさん(東京都)
エピソード:
 一回り年上の会社の先輩。
 私は東京、彼は大阪だったのでたまにしか会えませんでしたが、スーツが似合う素敵な先輩でした。愛妻家なのも安心できました。
 LINEを交換してからは毎日、連絡をとりあうように。
初めてのご飯はまるでデートのよう。最後にはデザートの「一口交換」もして疑似恋愛気分にドキドキしました。帰りの新幹線で届いたLINEには「好きになりすぎないよう頑張ります」のメッセージ。
ある日、彼が出張で東京に。でも、夜中に到着して、次の日の昼には帰らないといけないとのこと。
「夜軽く飲みにいくのでもいいですよ」と誘ったら、
「俺、絶対危ないからダメだ」と返信がありました。
結局、その夜は何もなかったのですが、急遽もともと予定していた関西への帰省を半日早め、次の日の昼に彼と一緒の新幹線に。
新幹線の中で「そういうつもりだったんですよ、ね?」と聞いてみると、あわよくば感はあった、と白状してくれました。
「でも今は、一線は越えずに長く仲良くしていけたらと思ってる」と。
窓の外に富士山が見えて、2人でずっと眺めていました。富士山が見えなくなった時、彼がひとこと。
「おしまい」
もう疑似恋愛のようではないけれど、今も時々ご飯に行く仲良しな関係です。

おしまいと言ったあなたの声響く続けるために線引くわたし(チェックのパジャマ)

 キュンときました。「ルパン三世・カリオストロの城」のラストシーンでルパンがクラリスを抱きしめたくなる衝動をぐっとこらえて別れを告げるときのような、おっさんのやせ我慢の美学ですね。ま、最初から実質的に告白してるようなものなのは素直なんだか計算ずくなんだか、微妙なところですが。

 映画だったらここでかっこよく終わるんでしょうけど、残念ながら人生は映画より間が悪くできていて、延々と続いてしまいます。結局、どちらかの家庭に不和があったりしたときとかにうっかりまた急接近しちゃうんじゃないかなあ。

 聞いたところによると、そんなふうに5年以上お互いに我慢できてたはずの友人の奥さんと結局寝てしまった男がいるとかいないとか。そのインターバルのぶん、いざくっついてしまったら燃え上がったとか燃え上がらなかったとか。

 誰とは言いませんけど、まあでも、不倫はハッピーな出口が一つもない袋小路だから、最後のほうはきつかったよ、やっぱり。

いい夢も終わらなければ悪夢だし目を覚ましますいい恋でした(佐々木あらら)

次週から新しいテーマです

 というわけで、「オフィスラブ」の募集はそろそろ終わり。今日からは新テーマで投稿を募集します。

 お題は、梅雨の季節ということで「おうちでデート」のエピソード&短歌。

 彼氏の家に連れ込まれて起きてしまったハプニングとか、自分の部屋に遊びに来た男友達とうっかり……とか、みんなで鍋パーティをしていたらその場のノリであんなことに……とか、デートに限らなくても密室で生まれてしまったラブ体験をおうかがいしたいです。

 自分が主役じゃない体験でも可。寝たふりをしてたら友人のほうからピチャピチャと水分たっぷりの音が聞こえてきて……みたいな悔しい話も大歓迎です。僕、そんなのいっぱいある。

 このコーナーの趣旨をわかってくださっている方のほうが多いとは思いますが、念のため。幸せ感たっぷりの投稿を送っていただいた場合は、バツイチのおっさんの嫉妬とともにあらん限りの呪いをかけてボツにしますので、そのつもりで。不幸とモヤモヤと怨霊に満ちた思い出が僕の好物です。

 こちらの投稿フォームから、どうぞ。ご協力よろしくお願いいたします。ぜひに。

 ではまた。

Text/佐々木あらら

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ライタープロフィール

佐々木あらら
阿佐ヶ谷生まれ阿佐ヶ谷育ちのエロ歌人

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