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  • 2014.07.25

「かわいい」以外の武器が自分にはあるとわかると生きやすい/雨宮まみ×トミヤマユキコ特別対談(3)

雨宮まみさんの新刊『女の子よ銃を取れ』(平凡社)発売を記念して、プライベートでも雨宮さんと仲良しなトミヤマユキコさんとの対談企画を公開します。女子はかわいくなければならない、という抑圧のある日本社会の中で、かわいいだけを追求しないことによる究極のモテがあった!という気づきをお伝えします。

 雨宮まみさんの新刊『女の子よ銃を取れ』(平凡社)発売を記念して、プライベートでも雨宮さんと仲良しなトミヤマユキコさんとの対談企画を公開します。
お二人に、美やファッション、年齢についてなど、女子がぶつかる外見の悩みとの付き合い方についてお伺いしました。
ぜひこちらを読んで、少しずつ悩みをつぶしていってくださいね!

第一回はこちら→こじらせ着ぐるみを脱ぎ捨てて…(1)
第二回はこちら→おしゃれなパーティーはまず自己紹介でつまずくあなたへ(2)

かわいい女の子でいなきゃいけない?

雨宮マミ トミヤマユキコ こじらせ

―日本では「かわいい女子でいなきゃいけない」という圧力があると思うんですけど、そういう中でどういう風に振る舞っていけばいいんでしょうか。
自信がなくてもなんとかなる方法があったら教えてください。

雨宮:かわいくないことで悩んでいる女性は多いですよね。
私の友達にすごく生命力がある子がいるんですけど、その子は「かわいい女子でいなきゃ」みたいなことを一切気にしてないんですよ。
「こういう格好しなきゃいけない」というプレッシャーとか、劣等感を感じているのも見たことがない。あるのかもしれないけど、それは多分、そんなに深刻で重要なことじゃないんだよね。
かわいいもの見たら「かわいいね」って、欲しければ買う。すごく無邪気に自由に見えるんですよ。
自分を周りと比べたりもしないし、女子力とか細かいこと考えない。化粧とかも「会社に行くときは塗るもんですよね~」ぐらい。
でもね、すっごいモテるの。

トミヤマ:あーーーーーーー!究極のモテ!

雨宮:「私は結婚してるけど、1年に2回くらい『結婚してくれ』って言われるから、『婚活してても結婚できない』みたいな話って、絶対マスコミの嘘だよね?」って言ってた(笑)

一同:(笑)

雨宮:彼女といるとすごく楽しいんですよ。周りの視線よりも、自分が楽しむことを優先してるから。
だから、男性も彼女と一緒にいるとすごく楽しいんだと思う。
そういうのに比べたら、「かわいい女子でいること」が一番重要なことじゃないなって思うんですよね。
もちろん、彼女のようになれるかっていうと、それも難しいけど(笑)
彼女は自分が全然揺るぎないんですよね。したいことをするの。
最近復職したんだけど、「入った会社がブラック企業なんだよ~」って、洗脳の手口を愉快に話してくれる(笑)

トミヤマ:(笑) 楽しんじゃってる!どこで何をしていても楽しそうな方ですね!

雨宮:報告が面白いの!人によっては鬱になりそうじゃないですか。

─見た目とかはどんな雰囲気の方なんですか?

雨宮:メイクばっちり、みたいなタイプじゃなくて、今は会社勤めだから普通にスーツを着てる。
ファッションは居場所に合わせる感じかな。

トミヤマ:帰国子女とかじゃないんでしょ?

雨宮:じゃないの。でも、そういう規格外の人たちがいるんです。
かわいくなりたいと思うのはいいけど、「かわいくしなきゃいけない」と思って、自分がしたくもない努力をしていたら、そういう人が三つぐらい扉をババーンって破って自由に生きてるの見た時に「なんだよアイツ!横入りしやがって。私のほうが努力してるのに!」って気持ちに絶対なると思う。
それは不健康な気持ちだと思うんですよね。
見返りを求めてとか、周りの視線を気にしての「かわいくなるための努力」をしても、それは必ず結果が出るものじゃないから……。

トミヤマ:
ないですよね~。

雨宮:自分がかわいいものが好きで、かわいい人になりたい、かわいい世界に行きたいって思うのは、すごく健全だと思うんですけど。

トミヤマ:選ばれたいとか、愛されたいからやる「可愛い」はなかなか実を結ばない…。
自分の信じる「可愛い」にむかっていくのはすごくいいことですけどね。

雨宮:自分の好きな方向に走っていたら、失敗してもそんなに後悔はしないですよね。
私はShoopの服を着てたことを後悔はしてない。さすがにもう捨てましたけど(笑)

「可愛い」以外に、似合うものとか見つけるっていうのはいいかもしれない。
それが好きになれるか別かもしれないけど、私は可愛い物が似合わないけどゴツイものとか似合うって発見したときに、「よし!」ってなりました(笑)
好きじゃないのに、可愛いのが似合う子もいるんですよね。「そういうの似合うとか羨ましい~」って、これがマウンティングの時もあるんですけど(笑)
「そういうの似合わないって言われちゃうんですよね~彼氏にぃ」みたいな(笑)

一同:(笑)

雨宮:「かわいい」以外の武器が自分にはあるってわかると生きやすくなるような気がするな。
逆にかわいい子って、アーティスティックな服とか似合わないですよね。

トミヤマ:なんでもかんでも似合う美人はごくわずかですよね。可愛いかどうかじゃなくて、自分に何が似合うかを知ることが先決ですよね。

 私、大学で教える仕事もしているじゃないですか。とある大学で働くことになったときに友達から「トミヤマさん、パジャマみたいな服で行ったら怒られるから、やめたほうがいいよ」って言われたんです。
その友達は、私が早稲田で好き放題やっているのを知ってたから心配してくれて(笑)
早稲田は服装に関してはかなり自由なんですよ。それに慣れちゃってたんで、わたしも「講義って言葉で勝負するものだから、別に何着ていたって関係ないよね」とか思ってて。
でも、ほとんどの大学で「スーツっぽいの着ましょうね」っていう暗黙のルールがある。実際、明文化されている大学もありますし。
それでわたしもクビになりたくはないので嫌々スーツっぽいの着るんですけど、就活生より着こなせてない自分がいて辛いというね。

雨宮:ありますよね~、そういうの。
私、服を決められてはいないけど、初めて仕事する編集さんと会うとき、「これ、文章ヘタそうに見える服じゃないかな?」「バカそうに見えないかな?」って気にしちゃったりします(笑)

女子が歳を忘れて楽しく生きる方法

雨宮まみ トミヤマユキコ こじらせ

―年齢の壁を恐怖に感じている女子がすごくたくさんいるんですが、お二人はどんな感じで歳を重ねていきたいというのはありますか?

雨宮:私最近、本気で歳を忘れてるんですよ。年女になったときしか自信を持って自分の年齢を答えられない(笑)
知り合いの年齢もだいたい30~40歳の間っていうぼんやりした認識しかないし、もうどっちでもいいかなって。
自分がアラフォーの人だっていうのは、意識しないと痛々しい人になるんだろうけど、今まで十分気にしてきたからもういいかなっていう気が最近してきて。
40過ぎたら、ガーン! って来たりするのかな。

 33歳から34歳になるときは怖かったですね。
29歳から30歳になるときは、すごくショックがあるとよく聞くから、すごく覚悟してたし、心にエアバッグを装備してたの。
「27歳からの3年間の過ごし方で30代が決まるよ」とも言われてたから、心構えがしっかりあったんだけど、30歳は意外とするっと過ぎて、「これで30代はOK」って思っていたら、33歳から34歳になるときにすごい恐怖が湧き上がってきました。

―へぇーなるほど!

雨宮: 4って5に近い数字じゃん!って(笑)
それですごく怖くなっちゃって、プロフィールに「永遠の32歳」って書いていたら、編集さんから「プロフィールは、“永遠の32歳”でよろしいでしょうか」って確認されちゃって(笑)もうあまりにも恥ずかしいからやめてもらった。
35を過ぎると、わりと「もういいや」ってなりましたけど。

トミヤマ:私、35歳になったら楽しくなっちゃったんですよ。
やったー!アラフォーだ!四捨五入したら40だ!おばさんだ!って。

雨宮:肩の荷がおりたんですね!

トミヤマ:
そうなんです。ここから先は、おばさんだろうがおばあさんだろうがあまり違わないじゃない?って思って。

雨宮:
若者だと「若いんだから、かわいくしてなきゃもったいない!」みたいなプレッシャーありますもんね。
「おばさんだから」で自由になる魂もあるってことか。

トミヤマ:
いろいろ楽になれる、それが中年ですかね。

雨宮:でも、こういうの説明が難しいですよね。
私も若い時に聞いたときは納得いかなかったですもん。
「歳を取ったら楽になれた」とか、「肩の力が抜けた」とか。
オフィシャルだからそう言ってるんでしょ~?ホントは注射とか打ってるんでしょ~?って(笑)

一同:(笑)

雨宮:そんなの絶対信じられなかったから、もうちょっと納得してもらえるような説明ができればいいんだけど…。
まずは、周りも老けていくっていうのもありまするよね。
自分だけが老けていくわけじゃないから、周りも同じだけ老けていって、同い年の女が集まると、ファッション誌には絶対載らないような話がいっぱい出てくるの(笑)「ね~白髪ってどうしてる?」とか。
私も気になってヘアケア特集を読んだんだけど、「地肌をマッサージすればいい」とか毒にも薬にもならないことしか書いてなくて。

一同:(笑)

雨宮:真剣に老化に向き合ってほしいですよね(笑)
でも、そういう話ができると、「老化に困ってるのは私だけじゃない」ってほっとする。知恵を出しあってなんとかしてこう、って思うし。
もちろん外でそんな話は絶対しないし、白髪に困ってるなんておくびにも出さずに「もともとキレイな黒髪なんです~」って顔してるんだけど。

トミヤマ:若さとか可愛さがなくなっていくと、そういうぶっちゃけた話が増えていく。

雨宮:若い時って、友達同士でも「おしゃれだと思われたい」という見栄とか、壁があった気がする。そういう見栄を張らなくなっていくから。
でもまぁ、そうは言っても見たことのない皺を発見した時とか怖いですよね。

トミヤマ:怖い!おや、これはシミでは…?みたいな(笑)

雨宮:肝斑です、とか(笑)

―(笑)あれ気になるんです!

トミヤマ:トランシーノのCM!

雨宮:色々怖い時はあるよね。今まで信じてた「若い自分」が、突然足元からガラガラガラって崩れていく瞬間がある。どうしたんだっけ…。

トミヤマ:いまこうやって笑って喋ってるってことは、どうにかなったってことですよ…。

雨宮:年上の人を見ていて、楽しそうな人って年齢と関係なく自己を確立していて、「私は私」っていう別枠にいる人が多いと思うんです。
私は、男性からの視線に対してすごく年齢を気にしてしまうから、別枠に行くのは逃げのような気もしてたんだけど、別枠に行ってもモテてる人はモテてるから、純粋に私が異性との交流がヘタなだけで、別枠かどうかはもう関係ないって気づいたんですよ。
だったら、もう気にせずそのかっこいい枠を目指していこうと。

―関係ない枠があるんですね!


八代亜紀がかわいいってことは、年齢じゃない

雨宮:「年相応じゃない痛い人と思われるのが怖い」って思ってたらできないんだろうけど、私は「もうどう思われても知るか!」っていう気分もあります。

トミヤマ:組織で働く人とかは、周囲の目もあるし、「関係ない枠」には入りづらいですかね。私たちはフリーランスだから比較的ハードル低いのかも…。

雨宮:田舎だとご近所の目とかありますしね。
うちのおばあちゃんとか、マリメッコの赤いバッグ欲しそうなんだけど、「こんなの持ったら、いよいよボケだと思われるから持てない」とか言ってます。

トミヤマ:えー!マリメッコでもダメ?でも、狭いコミュニティで変な人だと思われたらやりづらいのも事実ですよね。
あと、見た目とか年齢のことを気にしていると、気にしてるオーラが出ちゃうっていうのはある気がします。私は30過ぎたから、もう35だから、とか常に考えてると…。

雨宮:それを言われると、自分より年上の人がムカッとくるのがよくわかったの。「私もう29だから」「はぁん!それが!?」っていう感じになるから、もう言うまいと思って(笑)
たぶん若い時のほうが、失われていくものに対して敏感なんですよね。だから、大したことないことでもすごく気になるんだと思う。

 最近、私は八代亜紀が…かわいいと思うんですよね。
八代亜紀がかわいいってことは、年齢じゃないんですよ。
八代亜紀がかわいいって、もう革命じゃん。
年齢まったく無関係でしょ。
そういう革命体験があると、年齢がすべてじゃないと思えるし、革命を起こした八代亜紀さんという人への尊敬の気持ちも出てくる。
年上の人で好きになれる人や、憧れられる人が全然いなかったら、辛いかもしれないですね。

トミヤマ:そうかもしれないです。

雨宮:もちろん八代亜紀さんになれるかって言われたらなれないんだけど、自分より年上で楽しそうな人とか、常識を軽々かるがると超えてる人を見ると、なれるとかなれないとかに関わらず、希望が見えてくるし、届かなくても少しはあんな感じになりたいな、と思える気がする。

トミヤマ:そうかも。すてきな年上の友達がいなくて、日常的に会ってる年上といえば上司と両親だけ、みたいな場合は、いい感じの未来を想像するのは難しいかも。

雨宮:そうですね!

トミヤマ:普通に会社と家の往復で一日が終わってしまう人にとっては、年上の友達を新しく作るっていうのは難しいですよね。
特に女の人って結婚を機に仕事をやめちゃったりするから、イキイキしていてステキな年上の人はますます見つけにくいのかもしれないなぁ。
でも、リアル友達じゃなくても、それこそ八代亜紀でもいいから、年上のステキな人をたくさん見て知っておくことが大事ですよね。

雨宮:
あとは自分の見たことを信じることも大事だと思います。
例えば、お局さんが会社にいたとして、男性社員からは「終わってんなー」とか言われていても、自分が見たその人に素敵なところがあったら、そっちを信じた方がいいと思うんですよね。
バイト先とか職場で、自分より年上の女性が「結婚しないで仕事ばっかやってて楽しいのかね~」とか言われてるの、さんざん聞いてきたけど、私から見たらそういう女性は、仕事ができておしゃれで、仕事以外に自分の楽しみも持ってる、単に素敵な人だった。

 そういう言葉を聞くとショックを受けることも多いけど、真に受けないほうがいいと思う。
そんな言葉で自分の人生が揺るぐことなんて絶対ないし、そもそも親身になってないからこそ言える言葉なんだから、しょせん外野の言葉なんですよね。

トミヤマ:ネガティブな言葉ってどうしても心に響きやすいですよね。ポジティブな言葉より記憶に残りやすい。

雨宮:「私も同じことしたら、同じこと言われるんだ」ってってすごく心に刻まれちゃうでしょ。

トミヤマ:30過ぎたらおばさんだって○○さんが言ってたから、私ももうおばさんなんだ、辛い、みたいな。その価値観が全てになってしまうと危ないですね。

雨宮:あれにだけは屈しちゃダメだよ! もう、非暴力非服従! ガンジーばりに(笑)
殴っちゃダメだけど、その言葉には屈しちゃいけない。耳に入ったとしても、そういう価値観には服従しない。

トミヤマ:ネガティブな言葉は心に残りやすいぶん、自分で積極的に漂白するというか、掃除をして追い出すようにしないと。

雨宮:ネットとかでも目に入ってきちゃうじゃないですか。
発言小町でも、おしゃれしてる母親に対して「年相応の服装をした方がいいんじゃないですか」、「正直痛いお母さんだと思われていると思います」、とか言われてるのいっぱい見えますけど(笑)
それにも不服従を貫き通しましょう!

雨宮まみさん新刊『女の子よ銃を取れ』

  トミヤマさんが「『女子をこじらせて』の続編だ!」と分析した『女の子よ銃を取れ』(平凡社)。 章を進むごとに、女子の外見に関する悩みや嫌なことが癒されていきます! 周囲の「かわいい」に圧迫されている方、ぜひ読んでみてくださいね。