こじらせ着ぐるみを脱ぎ捨てて…/雨宮まみ×トミヤマユキコ特別対談(1)

 雨宮まみさんの新刊『女の子よ銃を取れ』(平凡社)発売を記念して、プライベートでも雨宮さんと仲良しなトミヤマユキコさんとの対談企画を公開します。
お二人に、美やファッション、年齢についてなど、女子がぶつかる外見の悩みとの付き合い方についてお伺いしました。
ぜひこちらを読んで、少しずつ悩みをつぶしていってくださいね!

白スニーカーに沸くお二人

雨宮:私、今日トミヤマさんに影響されて買った白いスニーカーなんです。

トミヤマ:あっ!かわいいじゃないですか!

雨宮:トミヤマさんが『ROLa』の立ち飲みの特集で、白いスニーカーでめっちゃかっこよかったんですよ(笑)。
立ち飲み屋って足元汚れそうなのに、白いスニーカーで行くのってかっこいいなと思って。

トミヤマ:立ち飲み屋と白スニーカーを見て、そこまで深読みしてくれてたとは…!(笑)
あれはですね、足元を撮られると思ってなかったんですよ。撮るなら違う靴選んだのに!って思ってました。私は失敗したと思った靴をまみさんはほめてくれるという。
こういうすれ違いというか非対称ってありますよね。

雨宮:こっちはかっこよく受け止めてたっていう(笑)

トミヤマ:(笑)では早速本の話を!

キラキラ自己啓発においてけぼりの女子のために

―『女の子よ銃を取れ』はwebで連載していた時も大人気でしたよね。
書籍としてまとめるにあたっての経緯や、雨宮さんの考えていたことを教えてほしいです。

雨宮:
キラキラした自己啓発系のモテ本とかおしゃれ本とかは、自分のための本じゃないなって感じてる人が、読んで違和感を感じないものにしたい、と考えてました。
原稿を送るたびに編集さんが「この描写はちょっとハードルが高いです!」とか、細かくチェックしてくれるんですよ。
とにかくハードルを下げて下げて、誰でも入ってこれる状態にしたかった。

「きれいになりたいからかわいい服を買おう!」ってまっすぐに行けない、「私なんかがスカートはいちゃいけないんじゃないか」とか、そういうことをグルグル考えて苦しい気持ちになっている人が読めるものにしようと。
「You、やっちゃいなよ!」じゃなくて、「わかりますよ、そういうこともありますよね、だけどちょっと、履いてみて、スカートをっ…怖くないからっ…」みたいな感じです。

 そこの部分ってすごく置き去りにされてるじゃないですか。「かわいい服を買うのが怖い」とか、「おしゃれな店に入ること自体が怖い」とか、そういう気持ちって、ファッション誌とかの世界ではないことにされてるから。

トミヤマ:おいてけぼりの女子のために書いた本ですね。

雨宮:おいてけぼり!(笑)。
そうなんです、私だって、茶色の巻き髪の女の子が表紙の雑誌見るだけで「ああ、異世界の雑誌だなぁ」って感じるし。
なんか世の中の「キレイになりたい」っていう勢いについていけないっていうか、そういうメッセージは自分に向けられたメッセージじゃない、と思ってる人のためですよね。

私の時は……「私の時は」って言い出すともう高齢化が目立つんですけど(笑)。
私の時はなかったんです、ファストファッションが。
H&Mも上陸してなかったし、ユニクロも今みたいに使えるお店じゃなかったし、お金がないとおしゃれってできなかったんですよね。
でも逆にそれが言い訳にもなった。「お金がないからおしゃれになれないんだ」って。
今は「お金がない」っていうことも言い訳にならないから、苦しい人は昔よりも苦しいんじゃないかって気もして。

トミヤマ:かつて、女優やモデルはきれいでおしゃれが当たり前だけど、一般人は多少ダサくてブサイクでも別にOK!みたいな、美の棲み分けというか境界線がハッキリしていた時代があったはずなんですけど、最近はその境界がどんどんわからなくなってきて。

雨宮:ここ十年くらいで、道を歩いている人の容姿とかおしゃれのレベルがガーンッってあがったでしょ?
いや~この時代にヤングに生まれてたらマジつらいわ~って思いますもん!

トミヤマ:つらいです。しかも東京以外でもおしゃれレベル高いですし、逃げ場がない。

雨宮:私は福岡出身なんですけど、たまに福岡に出張に行った人とかに「福岡ってかわいい子が多いよね~」とか言われると本当死にたくなります。
「そこに居場所がなかったから私は東京出てきたんだよ!」って叫びたい(笑)。
福岡の人って、大幅にバランスを外した人は少なくて、全体的にあか抜けてるんですよね。
おしゃれな街だといえばそうなんですけど、変な格好してると浮くから、私にはすごく息苦しかった。

トミヤマ:服だけじゃなく、化粧のレベルも上がってますよね。

雨宮:おしゃれや化粧を気にしないでいられる人もいるけど、そういう人が少なくなったような気もしますね。