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  • 2014.06.11

男を種馬と思うか、財力だと思うか/はあちゅう×下田美咲対談(後編)

互いの著書の出版を記念した対談。今回はより深く、恋愛を付き合うというカップルの形から夫婦に発展させる理由について語ります。セックスをすることと彼氏彼女の約束された関係になることはどちらがハードルが高いのでしょうか?そして、別れについてのきっかけにまで踏み込みます。

 AMで連載中「毒吐きはあちゅうのアラサー恋愛入門」の書籍版『恋愛炎上主義。』(ポプラ社)を出版されたばかりのはあちゅうさん、6月3日にTwitterで話題沸騰のお悩み相談から生まれた『生きているだけで死にたくなるような世の中で生きていてもいいような気がしてくる119の名案』(竹書房)を発売される下田美咲さん。
恋愛に対する価値感が全く違う二人のガチトーク、前編に引き続き、ますますヒートアップしています。

「キモいシャッターは俺のこと?」と聞かれて

はあちゅう 下田美咲 対談 恋愛 セックス セフレ

___お二人とも、恋愛をテーマにした文章を書かれていますが、その時付き合っている彼氏や元カレから突っ込まれたことはありますか?

美咲:以前、ある番組で「キモいシャッター」の話をしたことがあるんです。

はあちゅう:あ、キモいシャッターの話、youtubeで見た!
好きだった人の好きだった行為ほど、別れたらキモく感じるって話だよね。

美咲:そうなんです。エロかった姿ほど、キモくて、キモいシャッターがバーンと下りて、二度と欲情できなくなるって話です。

はあちゅう:自分に対しての性欲は付き合っているときは嬉しいのに、恋愛感情が冷めると、もう、キモーーーーってなっちゃうよね。

美咲:その放送を、見てたんですよね、当時いい感じだった子が。

はあちゅう:気まずい(笑)

美咲:「なんか、俺もやっぱり、もし付き合って別れたらキモいって思われているのかなあ。キモいって思われないように気をつけよう」って言われて。
その時は、その不安げな姿が可愛いって思いました。
こういう仕事していると、彼氏を落ち込ませることは多いですよね。だから「これを読んでこう思った」って、言ってくれないと無理です。
言ってくれないと、わからないし、誤解もとけない。

はあちゅう:うん。気にしていても、聞いてくれないと言い訳もできないよね。
私の場合、ちょっと皮肉なことも書いているから、本人に「俺のこと?」って聞かれると困っちゃったりします。
でも、誰かのことを気にすればするほどコラムって書きにくくなるから。

美咲:なる、なる。

はあちゅう:「読んでませんように」って祈りながら書いています。

美咲:私は、Twitterとか、リアルタイムで更新するのは難しいなって思っています。
だから下書き保存に大量に入れて、時期が過ぎたら大放出するってことをしてますね。現在進行形のことを書くのって難しい。

はあちゅう:
私は、世の中に出ているはあちゅうというキャラクターと私自身は分けて考えてほしいと思っていて。
はあちゅうとしては、やっぱり新鮮なネタがないと書けないから、ちょいちょいキュンとしてなきゃいけない。
だからそれを間に受けないでほしいなあと。できるだけ、目の前にいる私のいい面だけを信じてほしいなって思っています。

男の浮気と女の浮気は危険度が違う

はあちゅう 下田美咲 対談 恋愛 セックス セフレ

美咲:はあちゅうさん、もし彼氏に突っ込まれて困ることを聞かれたら、嘘つきますか?

はあちゅう:うーん、どうだろう。必要な嘘はつくかもしれない。でも、なるべく嘘はつきたくないよね。
私、男の人も、最悪浮気をしていてもいいと思っているんです。ただ、一生私に気付かせないでほしい。

美咲:うん、それ気付かせちゃ絶対ダメですよね。

はあちゅう:人生50年、60年の中で、一人の人しかずっと愛さないというのはかなり特殊な幸せな例であって、だいたいはその時々で必要になってくる人に恋しちゃうのは仕方ないような気がするんです。
でも、それを相手に感じさせないのが愛情かなと。

美咲:うん。浮気って、悲しいけれど、止めようがないですよね。
だから、「浮気されたら悲しい」ってことを伝えることぐらいしかできないですよね。対策の打ちようがない。

はあちゅう:そうそう。

美咲:実際のところ束縛することはある程度効果あると思うけれど、でも、セックスされるのだけが悲しいのかというとそうじゃなくて、「あの子とセックスしたいなあ」と相手が思っているだけで同じくらい悲しい
でもそれを止める手だてはないわけで。行動だけを止めても、思考を止めることはできないですよね。

はあちゅう:うん、ベースは私に夢中であり続けてほしいけれど、でも、まあ味見みたいなことは仕方ないかなと。

美咲:でも実際、味見が引き金になることもありますよね。

はあちゅう:うん、だからなるべくならしないでほしい。でも、実際、50年間、その人だけとエッチしなさいというのは結構難しい……。

美咲:浮気で一番怖いのは、相手の女性が妊娠しちゃうことだと思うんです。
自分の彼氏が相手の女に騙されて妊娠させちゃうこともあるわけだし。
でも、自分側の話で言えば、自分が気をつけていれば絶対妊娠しないわけだから、男の浮気と女の浮気は危険性の度合いが違うんです。

はあちゅう:なるほどねえ。

美咲:だから、自分は棚にあげても、相手に浮気してほしくない!

男は種馬? 財力? 生命力?

___書籍を読んでいて、お二人の結婚に対する考え方はずいぶん違うと感じました。お二人の結婚観を聞かせてもらえますか?

はあちゅう:結婚は、したいですね。できれば30歳くらいまでに。
私にとっては、結婚するぐらい好きな女だと見なされたということが重要なんです。
相手がそこまで思ってくれるくらいの女であったという誇りのようなものが欲しい。

美咲:わかります。私もそう思います。
結婚したくなるぐらい好きになった相手から、結婚したいというぐらい好きになられたってことが、まずすごいと思う。
だから、その後離婚してもいいから、結婚するべきだと思う。


はあちゅう:この年になると、結婚できる相手なのかどうかというのを、常にどこか頭の中で考えちゃいます。ああ、この人のゴミの捨て方は気になるとか、ちゃんと部屋の隅まで掃除する習慣がある人なんだとか。
結婚やその後の生活をベースに男の人を見ちゃう。でもそうすると、否定的に見る部分がどうしても増えてしまう。
それでもいいから結婚したいと思える人と出会えるといいんだけど。

美咲:それって、一生一緒に添い遂げようと思うからですよね。
私、そう思うとチェック項目が多すぎて結婚に至らない気がするんです。
だから最初から「いいや、離婚しても。この人にならバツ付けられてもいい」と思えれば、結婚できるんじゃないかと思うんですけれど。

はあちゅう:でも、私は一生一緒にいたいと思う理由って、その人の子どもが欲しいということでもあるんですよね。
子どもを育てるのって、楽しいことだけじゃなく、いろんなことが試されると思う。
だからそれを一緒に乗り越えられる人じゃないと。人間性も必要だし、生活力も必要。

美咲:私もこの人の子どもが欲しいという感覚はあります。
でも、子どもを視野に入れて一人に絞るのって、それこそ難しくないですか? この人の子もほしいけれど、この人の子も良さそうだなって。

はあちゅう:私は、付き合っている人はその瞬間のベストの人だから、その人との間の子どもしか作りたくないなあ。

美咲:うーん、私、基本的に男の人は種馬だと思ってるからなあ。

はあちゅう:美咲ちゃん、それは違うよ(笑)

美咲:でも、男の人が持っている財力って当てにならないと思いません?
相手の財力って私の努力でどうこうできないから、私はハナからダンナさんの財力は当てにしないつもりです。

はあちゅう:私、財力のベースは、資本主義社会の中で生き残る能力だと思っているんです。
だから、今、稼げる人は、この先も稼げる人なんですよ。

美咲:でも、突然モチベーション落ちちゃう人もいると思うな。それよりは、私は遺伝子優先。

はあちゅう:
でも、遺伝性もわからないでしょ。隔世遺伝もあるし。

美咲:あ、私、すぐ調べます。基本的にはおじいさん、おばあさんまで。すぐに実家行って家族に会います。

はあちゅう:私も家族は大事だと思うけれど、それは遺伝子というよりは、どういう教育を受けてどういう思想を持っているのかということを見るんです。
愛情を受けて育っていないと根っこがこじれていることもあるし。

美咲:私、こじれている人、好きです。私以外に信頼できるものが無いっていう孤独な人がいいな。

はあちゅう:
つくづく、私たち、違うね(笑)

心の声が爆音すぎて無視できない

___お互いの著書を読んで印象的だった部分はどこですか?

はあちゅう:私、めちゃめちゃ好きなところがあったんです。

美咲:どこですか?

はあちゅう:「フラれるのは告白の仕方が悪かったわけじゃない。なんにせよフラれてたよ」というページ。
もう、スカっとしました。

美咲:ありがとうございます。嬉しい。

はあちゅう:普通、人生相談や悩み相談するときって「相手はこう言ってほしいんだろうな」という甘い答えを言って、相談してきた子を庇う方向になりやすいけれど、美咲ちゃんの本はそれが無いところがいい。
他のページでも、「みんながブスって言ってるんだったら、あなたはブスだ」とか、「それはもう既にフラれてるよ」って、あっさり認めちゃうでしょ。

美咲:そうですね。

はあちゅう:その、まず突き放したところから、具体的な解決策を考えるという、そのスタンスが全体を通してすごく良かった。
ズバっと言っているところが気持ちいいよね。
それから、もうひとつ。基本絶望ベースで、人生なんてつまらないに決まっていて、だから夢を作ったり恋をしたりするんだというのは、すごく腑に落ちた。
そう考えると、とても勇気がわくよね。

美咲:おおー、そこですか。嬉しいです!
私がはあちゅうさんの本を読んで一番感じたことは、「はあちゅうさんの文章は、自分が一度も思ったことがないことでも、丸ごとその気持ちがわかる」ということ。
言葉ってただの記号だから、同じ想いを感じたことがある人同士にしかその記号は届かないと私は常々思っているんですけれど、はあちゅうさんの文章は、私がまだ思ったことがないことでも、思ったことのようにわかる。
これから先、こういう気持ちになるのかもしれないなあというところまで、その気持ちが把握できる。
そこがすごかった。

はあちゅう:そう言ってもらえるとすごく嬉しい。

美咲:アラサー女子もそうなんですが、男の人は絶対読んだ方がいいと思いましたね。
女子の気持ちが丸ごとわかるから。どんな恋愛理論を読むより、この本を読んだ方が女性の気持ちがわかる。
50代の胸元のシワの話があったじゃないですか。

はあちゅう:はいはい。胸元から見えるシワに若い女性はひくという話。

美咲:胸元を隠すだけで人生が簡単に変わるということ、そういう些細なことが人生を左右しているって真実だと思うんです。

はあちゅう:私は今まで美咲ちゃんのTwitterの発言を見ていて、自意識レベルではもしかしたら似ているんじゃないかと思っていたんです。
自意識が過剰で、自己顕示欲もそれなりにあるんだけど、それを持て余しているというか、こじらせちゃっているというか。

美咲:ああ、それは感じるところありました。
考えすぎて、考えすぎて、思いとどまったりして、結果、何も考えてない人みたいに見えるんですよね、私。
本当は無意識な瞬間なんて全然なくて、考え続けているのに。

はあちゅう:そうそう。私も気にしてないフリしているけれど、ものすごく気にして気にして気にしてしまう。

___お二人とも、その無意識を的確に文字にして整理してくれているから、読んでいて共感できるんでしょうね。

美咲:多分、はあちゅうさんも私も、普通の人よりも心の声が爆音なんだと思います。
だからはっきりと鮮明に聞こえるし、文字にできるんじゃないかなと思います。

はあちゅう:美咲ちゃんとの対談はすごく楽しかったので、これ、今度イベントでやりたいですね。公開対談やろうよ。

美咲:やりたいです! 今日はありがとうございました。


TEXT/佐藤 友美

はあちゅうさん新刊『恋愛炎上主義。』と
下田美咲さん新刊『生きているだけで死にたくなるような世の中で生きていてもいいような気がしてくる119の名案』

はあちゅう 下田美咲 対談 恋愛 セックス セフレ
『恋愛炎上主義。』(ポプラ社)
著者:はあちゅう(伊藤春香)

 AMで大人気連載中の「毒吐きはあちゅうのアラサー恋愛入門」がついに書籍化『恋愛炎上主義。』(ポプラ社)されました!
世の中に疲れた女子が寝る前に読むと、明日から元気に生きられると各地域で大評判です!

 Twitterのお悩み相談で火がついた下田美咲さんの『生きているだけで死にたくなるような世の中で生きていてもいいような気がしてくる119の名案』(竹書房)
下田さんの答えが斬新すぎて、びっくりするほど面白いです。読むだけで人生が楽しくなりますので、対談と合わせてぜひ読んでみてくださいね!

ライタープロフィール

はあちゅう(伊藤春香)
ブロガー、作家、ソーシャル焼き肉マッチングサービス「肉会」代表

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