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  • 2013.10.10

選り好みせずに雑食であれ!/安彦麻理絵に聞く『オンナノコウフクロン』(1)

 結婚ばかりが女の幸せではないことは頭でわかっている。けれど、「しない人生」を選んだわけでもなく、たまたましっくりくる相手がいないだけ。世の中の半分は男のはずなのになんで!? 
というわけで、今年の8月に『オンナノコウフクロン』をイースト・プレスから上梓したばかりの安彦麻理絵さんにお話を伺わせていただきました。


第一回:『男仕事』のできる芋が狙い目

安彦麻理絵 大泉りか オンナノコウフクロン インタビュー 男仕事 芋
©安彦麻理絵

大泉りか(以下、大泉): 今日はよろしくお願いいたします。

安彦麻理絵さん(以下 安彦): わたし、人に話を聞くのは全然平気なんですよ、でも聞かれるっていうとドキドキしちゃいますね。「自分が何か話すことあるか」っていうと……別にないんですよね(笑)。むしろ、大泉さんのほうがネタを持ってるんじゃないですか? SMとか。

大泉: あぁ、はい。SMは、昔やってました。最初はSMショーのM女だったんですよ。会員制のバーとかお金持ちのホームパーティーとかで。で、その後にSMクラブでも働いたんですが、お客さんがとにかく面白くって。まぁ、変な人ばっかり。

安彦: ええ、どういう?

大泉: 今は、いろんなフェチに対応した店があるんですが、昔はあんまりなかったから、変わった性癖の持ち主の受け皿がSMクラブしかなかったんです。だから、本当に、いろんな人がくるんです。足の指のささくれが食べたいっていう人とか。SMはSMでも、ささくれマニア(笑)

安彦: あっ、はっはっはー! なんか、わたし、前に六本木のそういうお店に連れていっていただいたことがあったんですが、「こういうところ、初めてなんですぅ!」とかそういう子っていません?

大泉: あぁ、いますよ。お金持ちっぽいおじさんが連れてる若いオナゴ。

安彦: わたし、ああいうの、むかつくんですよ。実生活とかでも、「わたし、Mだからぁ」っていう子とか。楽して愛されたいとか、腹が立つんですよね

大泉: Mとかいいつつもマゾではなくマグロな女ですね、いますいます。
でも、おじさん接待は、仕方ないかなって思うんです。わたしもたまーに、そういうところに連れていかれますが、「あのロウソク、全然、熱くないよね」とか思いながらも口では「すごーい、こんなの初めてっ!」とか言いますもん。

安彦: あれ!? ちゃんと女仕事するんですねー。でも、まぁ、女のほうが、何事においても賢いっていうか……男性のほうが弱いみたいな感じはありますよね。小さい子供でも、女の子のほうがぜんぜん図太いし、打たれ強い。新しい環境でも、女の子は入って行けるけど、男の子はまったく馴染んでいけない。

大泉: 確かに、男性って見知らぬコミュニティーに弱いですよね。内弁慶が多い。うちの旦那とか、普段がガキ大将のくせして、知らない場だとわたしに耳打ちして言わせるんですよ。船場吉兆の女将みたいに(笑)。

安彦: 女はやっぱり器用なんじゃないかなって思うんですね。

大泉: じゃあ、場を円滑に回すのが『女仕事』だとしたら『男仕事』って?

安彦: わたし、あらゆる男仕事って、あらゆる女をちゃんと『女扱いすること』って思ってるんです。

大泉: 頭をポンとか(笑)。

安彦: それやられると、女って弱いですよね。くしゃ、とか(笑)。

大泉: あれやったらみんな、モテますよね。

安彦: でも、女の頭をくしゃってできる男って、いくえみ綾の漫画くらいしか……。
あとは「おまえ」って呼ばれるのが好きな女も多いですよね。でもわたしはダメです。なんか「ガルル」ってなっちゃう。コテってお腹出す女がいることはわかるんですが。

大泉: たまに女向けの官能小説を書くことがあるんですが、男性向けと全然違うんですよ。
『(お前が)好きすぎて痴漢』とか、『好きすぎてレイプ』とか『好きすぎて監禁』とかそういうのがウケるんです。まぁ、もちろん、イケメンに限るって話なんですが。
あと、職種も大切で、社長か御曹司、あと、パティシエとか。でも、男向けでは、ヒロインが料理人とかないわけですよ。女って食いしん坊。金と食べ物が好き(笑)。そう考えると、川島なお美は、ザ・女の欲望の権化ですね。

トランクスからチラチラ見えるアレは頭悪そう!

安彦: 大泉さんはどんな人がお好きですか?

大泉: ボンクラが好きですね。イケメンは苦手。

安彦: あっ、わたしもイケメンは苦手です。イケメンってなんか、引き出しがあんまりなさそうで。

大泉: わかります。ペットショップで犬を飼う気になれないのと一緒ですよね。可哀想な犬を拾ってきたいというか、野良猫に餌付けしたいというか……。

安彦: わたしもペットショップでは動物買いたくないですね。小型犬とか興味ない。
高田馬場に住んでいるんですが、馬場ってボンクラというか……こういうことを言うのってどうかと思うんですが、童貞っぽいのが多いんです。だから芋好きの女にはメッカ。

大泉: 芋はいいけど、チェックのトランクスだけはすごい嫌です。

安彦: くしゃくしゃってした、『男おいどん』みたいなやつ?

大泉: そうです。あれは本当に嫌。トランクスだったらむしろブリーフのほうがいい。ベストはブリーフですが。

安彦: わたしの友達のオカマは、くしゃくしゃってしたやつがいいって言ってますけどね。ボンクラっぽいからって。

大泉: なんかこう、家でパンツ一丁の時に、トランクスだと横からちらっとタマが覗いたりするじゃないですか。あれが嫌なんです。見えてるのに、まるで気が付いてないのが、頭が悪そうに見えて。おいなりさんは隠しておいて欲しい。

安彦: ボンクラでも、最近の若い子はボクサーブリーフ履いてるイメージがありますけどね。
でも、うちの旦那は、男おいどんパンツ。うちに友達のオカマが遊びにきた時に、「旦那さん、すっごいいいパンツ履いてる、理想的なパンツ!」って言ってました(笑)。

大泉: 旦那さんとはどこで知り合ったんですか。やっぱり馬場?

安彦: いや……でも、確かにずっと馬場に住んではいましたね(笑)。
そういや、この間会ったライターの女の子から聞いた話なんですが、友達に頼まれて、代理店の男との合コンをセッティングしてあげたらしいんです。そうしたら、女たちの気合いがとにかくすごい。その日のために「断食道場に行ってきた」とか(笑)。で、結婚したくて仕方なくってがつがつしてるってわかりすぎるっていうか、男がジャケットを脱いだら、「どこの?」ってすごい目でタグチェックしたり。


飽食の時代だからこそ雑食であれ!

大泉: 男の価値を見測っているわけですね。

安彦: そう。で、その中の一組が、見事デートまでは行ったらしいんですが、男のほうから報告受けたら「食うか食われるか」みたいだったって。『結婚する』か『しないか』の二択しかないっていう気迫で、ナイフ突きつけられてるみたいな気分だったらしい。

大泉: お友達から始める余裕なんてない、と。でも、富が集中してる問題っていうのもあって。合コンに行っても、顔がよくって雰囲気もよくって、いいなって思うような人はひとりくらいしかいないから、みんながそこにわっと集中しちゃう。

安彦: 怖い(笑)。芋はお呼びじゃないんですね。

大泉: 芋にターゲットを移すと、もう、いくらでも選び放題なんですけどね。

安彦: 芋のが、いい生殖活動してくれますよ。友達のホモは「芋の方が、男として育てるのが楽しいじゃない」って言ってますけど、そういう楽しみもあるし。
わたし、芋好きのせいか、何気に彼氏がいなかった期間ってあんまりないんですよね。

大泉: 常に誰かしらいるタイプですか?

安彦: そうそう。とりあえず何か食ってた。わたしの友達で彼氏がいない子は『これじゃないとダメ』な子が多い。
「細身でパーカーが似合う子じゃないと嫌」とか、とにかく細かい。雑食になったほうがいいよって思うんですけどね。

大泉: 美味しいものしか食べたくない派の女、多いですね。飽食の時代だからグルメなのかな。とりあえず腹含ませとけ、はない。

安彦: 落ちてるものはとりあえず食っとけばいいのに、って思いますけどね。
お腹壊したって、死にはしないんだから。

【つづく】
次回は『男の甲斐性と、結婚してからも恋愛をする方法』をお送りします。お楽しみに!

安彦麻理絵
1969年生まれ・双子座のB型。『これがオンナのケモノ道』(太田出版)、『おんなのこの正体』(ベストセラーズ)など、女の生態を描いた作品多数。42歳で第4子を出産した、2男2女の母。酒をこよなく愛する。

安彦麻理絵 大泉りか オンナノコウフクロン インタビュー 男仕事 芋

『オンナノコウフクロン』
著者:安彦麻理絵
発行:イースト・プレス

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