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  • 2013.11.18

読書がもたらす官能の秋!静かな図書館で使えるエロしぐさ

鈴木みのり エロしぐさ
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 前回の「サイリウムで性的アピール?ライブで使えるエロしぐさ」も合わせてどうぞ。

 AM読者のみなさん、お久しぶりです。
わたしの都合で編集部の方々にムリを言って、1ヶ月ほどお休みをいただいておりました。 そのあいだに必要に迫られ、朝吹真理子さん、金原ひとみさん、川上未映子さん、藤野可織さん、松田青子さん、本谷有希子さん、綿矢りささんといった、自分と同世代の現代女性作家を読んでいました。

 気づいたら季節は秋、読書の秋! ……という言葉をわたしも幼いころから耳にすりこまれてきましたが、実際には秋だからと意識して読書をしたことはありません。 が、しかし、これは本連載に使える! と思い、今回は本のある場所:図書館で使えるエロしぐさを考えてみようと、こういうわけです。

図書館でのエロしぐさ

その1

文学の傘の下 エロティックなシンパシーを集めて

鈴木みのり エロしぐさ
『パトロネ』/藤野可織/集英社


 変態な気質でもって描写をしている古典の文豪も多く、彼らの作品を読むことで、そのフェティシズムを共有できる男性との出会いを発生させることもできるかもしれません。 この作家が好きってことは自分と合うかも……というシンパシーを誘い出そうというわけです

 たとえば、谷崎潤一郎の『鍵』は嫉妬に興奮する夫が妻の間男との情事をのぞき見る物語ですし、川端康成は腕や指に執着する書き込みが散見します。 先ほど書いた現代の女性作家のうち、藤野可織さんの『パトロネ』という作品では、主人公の “私” が同居する妹の情事を目撃するシーンがこのように描かれています。

 妹のひしゃげた尻がうねうねと動く。妹の上半身が男の胸に倒れる。それでも尻は動くのをやめず、もはやうねうねとうごめき続ける尻だけが、発光せんばかりに私の目に迫ってくる。巨大な芋虫がこちらに顔を向けて、無心に咀嚼しているようにも見える。その芋虫の顔面に影が差す。右半分を、男の手がわしづかみにしたのだ。

 芋虫の咀嚼! なんてリアル! 騎上位でアノ部分が上下運動している、ある種グロテスクな状態を適切で簡潔な比喩でとらえた衝撃的な表現に、思わず口をあんぐり開けながら何度か読みふけってしまいました。
しかも、これがあの上品なしゃべり方でかわいい藤野さんの書いたものかと思うと、なんだか興奮してしまいます。
本作は昨年の野間文芸新人賞の候補にも挙がり、藤野さんは今年の芥川賞を『爪と目』で受賞。

 作品や作家のエロティックな質をつかめば、文学の話題にかこつけて、情欲のアピールに利用できそうです。
ところでわたしは小学生のころ、横溝正史や江戸川乱歩を熱心に読んでいたせいか、根深く妄想癖がついてしまったので、みなさんは行きすぎた読みには注意してください。

その2

あくまで本を読んでるだけです! と官能小説を広げてみて

鈴木みのり エロしぐさ
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 もうひとつおすすめは、図書館という静かで穏やかがディフォルトとされている場所の傘の下、逆にふだんおおっぴらに手に取れないような官能小説を持ち込み、まじめに熟読すること。

 さすがに堂々と本を開くのは恥ずかしいと思いますが、カバーをつけたそれから文章がチラリとのぞき見えたとき、官能小説とわかった殿方が、図書館で読むからにはそれなりの文化的価値があるのではと考えをふくらませてくれ、いやしかし、公衆の面前で……とアンビバレントな感覚からの興奮をもよおしてくれるやもしれません。

『真珠夫人』『牡丹と薔薇』『赤い糸の女』でも有名な中島丈博氏脚本による、ドロドロ愛憎劇な昼ドラ『天国の恋』の放送が、先月末からはじまりました。

 主人公・斎(床嶋佳子)の嫁ぎ先である古本屋で『女教師の香り』という官能小説を手に取る青年(ジャニーズJr.の高田翔)。「第三章 乾いた陰部」という題から続いて、文中から拾われた「愛撫」「直接握って」と文中から拾って画面に大きく映し出されます。彼が別の作品を手に取ると「淫靡な声」「快感」「陶酔」といったフレーズをカメラが三連発で抜く。
そうして見つくろった数冊を万引きしようとしたところ、斎にとがめられ、もみ合ったあげくに屹立した股間をわしづかみにされるという話題のシーンに!

 古くは萬話から、人々の隠された欲望が焼き付けられたのがテレビドラマや映画などのカルチャー。
公共の電波で堂々と官能小説がフューチャーされている時代ですから、文化を通じた恋愛や官能へのシンパシーや共有を、わたしたちは求めているのかもしれません。
AMでも、大泉りかさんの連載で官能小説への世界に導いてもらえますので、手がかりにぜひ。

その3

メガネ、タイツ……知性のモチーフこそ欲望の対象に!

鈴木みのり エロしぐさ
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 最後に図書館でのルックを考案したいと思います。

 まずはメガネ
この定番アイテムは知的な印象を与えながらも、規律というコードであると同時にそれを打ち壊したい欲求をもたらす二律背反の要素を持っています。ひとは決まりごとを破りたくなるもの。

 それからタイツ
図書館という知性の場から立ち上がる清いイメージから、生足を出してはいけないという規範が連想されますが、それを逆手に取ってエロティックなタイツを履いてみてはどうでしょうか。
定番の黒いタイツも、デニール数低めのシアーなものを選べば、透けて見える肌が官能的です。 ボトムスは丈の短いものをチョイス。これならば、たとえば下段にある本を探すためにしゃがみ込んだりした際に股ぐらが見えそうになっても、タイツという一層が理性として顕在化して、あからさまなはしたなさを回避させてくれます。

まとめ


 わたしのセオリーだと、美人はそれだけでマイノリティ
冒頭で列挙した女性作家の方々も見目麗しく、つまりマイノリティであるということは書く動機があるということ。もちろん、上記のみなさんが作家たる視線を持ち得た理由は、それぞれ異なると思いますが。

 美しさはポジティブに取られがちですが、高嶺の花は羨望のまなざしを受けても家に生けてもらえるとは限りません。むしろ太刀打ちできないとはなから諦められることさえある。
ヘタしたら、出る杭は打たれると、排除の対象になることさえある。
もともと恵まれた容姿ということもあるでしょうが、書く苦悩を抱えながらも、見た目も磨かれている彼女たちから学べることが多くありそうです。

 先日、書かないで読むだけで生きていけたらいいのにと、編集者/ライターの友人とごちながら、文学談義に興じていました。彼の色気はハンパありません。
やはり文学的素養は、男性であれ女性であれ、ある種の色気をもたらしてくれるのかもしれませんね。



Text/鈴木みのり

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ライタープロフィール

鈴木みのり
某出版社の編集者にナンパされて、流れるままにはじめたライター2年目。

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