• love
  • 2013.12.13

過去すべての恋愛に共通する、唯一の事項は「私が関わっている」ということ・35歳建築関係(後編)/ジェーン・スーの相談室

 ラジオやテレビ、コラムニストとして活躍し、ブログ「ジェーン・スーは日本人です。」で話題のジェーン・スーさんに AM読者の悩みをとことん聞いていただきました!

 過去の記事はコチラから。

前編のあらすじ

 「30代になってから、付き合う人が自己中心的なダメ男ばかりになってしまった」という悩みを持つ、相談者の京子さん。
 しかし相談が進んでいくうちに、京子さんが彼に自分の意思を伝えていなかったことに気づきます。
そして、何度も同じタイプの男性と付き合ってしまうことについて「反省が生かせないのは、考えないで結論が降ってくるのを待っているからだと思います」と、ジェーン・スーさんに言われた、京子さん。
「ちゃんと、自分のことを振り返って考えたことがあるのかと、今すごく、考えています」と、今までの恋愛を振り返り始めます。
(詳しくは、 【前編】繰り返す過ち!原因は「答えが降ってくるのを待っているから」?

京子さん(35歳、建築系)の悩み
「30代になってから、付き合う人が自己中心的なダメ男ばかりになってしまった」(後編)

ジェーン・スー 恋愛相談 男女の友情 元カレ 友達 復縁
by passamanerie

ジェーン・スー(以下、J): ほうほう。付き合った相手にはなんて言われることが多かったですか?思い当たるフシがあれば、ですが。

京子さん(以下、京): 「分かりにくい」と言われることは多かった気がします。

J: 「分かりにくい」というのは、なにを考えているか?

京: はい、そうだと思います。あまり自分の考えをはっきり言わなかったので。

J: 自分の意思を出せないのは怖いから、と仰っていましたが、なんで怖いのでしょうか?

京: 「間違ったこと」を言ってしまいそうで…。ですね。さっきの、「正解探し」と同じな気がします。

J: 「間違ったこと」ってなんだろう?だって、自分の感情に正解も間違いもないじゃないですか。

京: はい、頭ではわかっているのですが…。間違ったことは、相手に嫌われるようなこと、ですかね。

J: 相手に嫌われるようなことをしたくないのは、付き合っていれば誰もがそうだと思います。
でも、それを「間違ったこと」と解釈しているならば、相手は常に正解です。

京: 確かに…!

J: 相手が常に正解だと、自分は「当てる」しかなくなりますから、そりゃきついですよ。

過去の恋愛に共通している唯一の事項は「私が関わっている」ということ

J: この相談の最初の方で「30代になってから自己中心的な男性ばかり好きになってしまいます」とおっしゃっていましたが、そういう人を自覚的に選んでいたんでしょうか?それとも、そういう人に選ばれがち?

京: そういう人に選ばれがちです。

J: 付き合いはじめてすぐそういう自己中心的なところが見えるのでしょうか?それとも徐々に?

京: なんとなく予兆はあるのですが、付き合ってから徐々に、です。

J: ならば、お相手の男性を自己中心的な人に、京子さんがしちゃっているのかもしれませんね。

京: たしかに、自己中心的な部分全てが自分のせいだとは思いませんが、私が呼び水になっているところもけっこうある気がします。

J: 相手には「なに考えているか分かりにくい」と言われ、京子さんは相手のことを「自己中心的な男性」だと思っている。
ということは、コミュニケーションがとれてないということですよね。

 京子さんの意思が伝わっていないために、相手は「なに考えてるか分かりにくい」と思っているし、京子さんの意思が分からないから、相手は自分の思ったようにする。
それに対して文句も特に言わない。
でも、京子さんは自分の意思が汲み取られないから「自己中心的な男だ」と思う。そういう風に受け取れました。

京: そもそもこれまでの相手にも、それは嫌だとか、こうした方がいいとか、そういうことを伝えてなかったことを反省したほうがいいですね。

J: うん。「次の相手は自己中心的じゃない人で!」というところにフォーカスしすぎて、「何を言ってもうまく丸めこまれる」とかそういう話が一切でてこなかったのでなんか変だなーと思っていたんです。
私も30後半でようやく気づいたのですが、すべての恋愛に共通している唯一の事項は「私が関わっている」ということなんですよ。
ということはつまり「同じような結果になったり、同じようにつらい思いをしたりするならば、その原因は自分にある」と。ホラーのようですが。

京: そうですね。原因は自分だとは思っていましたが、私は反省材料を見ることなく、「正解」を別の場所に探しに行っていました。

少しずつ自分を把握して、そんなに悪くないなと思いながら自信をつけていくことが大事

J: 自分に自信がないんだと思いますが、自分に自信がある人なんてあんまりいないので、もし思い当たるフシがあるならそれはあまり気落ちせず。
とはいえ相手に転嫁していても自分は幸せにならないというのは過去の経験が物語っているわけですから、やはり自分をもう一度見直して、少しずつ自分を把握して、そんなに悪くないなと思いながら自信をつけていくことだと思います。
AMの相談はだいたい恋愛の話でスタートするのですが、最終的に自分の話になるんですよ。
なんでかというと、多くの人が自分のことを把握してないからなんですよね。
自分のことを把握してないから、相手や環境に原因を探して困っている。
つまり、よくある話です。だから気落ちはしないでくださいね。

京: はい!ありがとうございます。びしっと言われて勇気が出ました。

J: そして、自分の意思をはっきり伝えられないから、次からははっきり伝えよう!というのも、少し違うんですよ。
「なんで自分の意思をはっきり伝えられないんだろう?」から考えないと、はっきり伝えることがただのストレスになっちゃいますから。
自分の行動に全部「なんで?」をつけてどんどん細分化させて考えてみると、いろいろ整理されるかもしれません。
というか、ほんとは自分でわかっていて、でも見たくないから見ないようにしているということも私の場合は多々あったので、その可能性もお時間あるときに探ってみてください。

京: ありがとうございます!

プライドと自信を足した総量は一定なので、自信がつけば下手なプライドは減っていく

京: 見ないようにしているところ、たくさんある気がします。

J: たとえば、どんなところでしょう?

京: 虚栄心が強いとかですね…。
だから、「間違い」や「正解」が気になっている気がします。

J: あー 自分に自信がないけど下手なプライドは高いってやつですね。

京: 心に刺さりますが、おっしゃる通りです。

J: でもそれは当たり前の話なんですよ。
下手なプライドと自信を足した総量って一定なので、自信がつけば下手なプライドも自然に減っていくんですよ。逆も真なりで。
あー だから頭の回転がいい人を好きになっちゃうんですね。自分の足りないところを埋めてくれるようで。

京: はいw もう、おっしゃるとおり、しか言葉がありません…。

J: あはははは!
足りないところは人で埋めらんないんですよなー。

京: そうですね、結局他人のものですものね。

J: そうそう。逆に自分に似た人を好きになることはなかったですか?

京: 自分の、見たくない部分を持っていることは多いです。嫉妬深い、怒りっぽい、とか。

J: へー!なんか最初と話が全然違ってきたよ!
嫉妬深くて怒りっぽくて虚栄心が強いところは似ているけど、自分の意思は伝えられない京子さんと、自己中心的な彼という構図ですか?
ちょっと極端にハイライトしすぎていますが。

京: あはは、そうですw 凄い構図ですね。

J: 自分の見たくない部分を好きになってしまうのはなんでだろう?とか、でも相手から先に好かれているのはなんでだろう?とか、自分の恋愛を振り返ってみる。
あとは信頼できる女友達にズバっと意見を聞いたりして、自分像を把握していくことで、ずいぶんと状況は変わると思います。
自分の見たくないところを持っている人と、それも支配される関係で付き合っていたら、ちょっと疲れすぎちゃうと思いますよ。

京: はい、まさに疲れすぎました。

J: ですよなー。

膝を抱えて頭の中で考えるのではなく、メモに書いて「ほんとに?」「なんで?」と、何度もひっくり返してみる

京: スーさんが自分像を把握するときは、言語化というか、何かに書いたりしていますか?

J: そうですね。PCでメモ帳を立ち上げて、思いついたことをメモしたりしています。
唐突に思いついたりするので、デスクトップに「メモ」を常に置いています。

京: 言葉にして後から見返すのは大事そうですね。頭の中でやろうとすると、どうしても考えているふりをしてしまうので。

J: そうですね。考えているようで考えてないという状態。
どんなアイディアにしても、膝を抱えて部屋で考えているだけでは、頭の中が発酵していくだけなので、メモをしたり、なにかを読んだり、街に出たり映画を見たり。 それで思いついたことをメモに書いて、徹底的に腑に落ちるまで考えて、それでも「ほんとに?」とか「なんで?」とか、ひっくり返してみて、それでようやく「なんで?」がクリアになったことが自分で探し当てたことだと思います。

京: なるほど……!それなら、正解とか気にせずに、はっきり意思表現できそうです。

J: はい。そして、なんで正解をそこまで気にするのかを何度も考えてみてくださいね。

京: はい!

J: ふふふ。自分の癖ってありますからねー。どうしても癖で先を急いじゃうとか。
京子さんは「先を急ぎ過ぎる」っていうのを気をつけた方がいいと思いました!

京: また「正解」に飛びつこうとしてました!
そこじゃないですよね。

J: そうそう、正解に飛びつかない!って、紙に書いて貼っておけばいい!

京: はい!携帯の待ち受けにもしておきます。
そして日々、正解を探しそうになったら、なんでだろう?を考えるのですね。 ぜひやってみます!そしてそれをメモする癖もつけようと思います

J: ぜひ!そうすると、同じところで自分が躓いているのが分かるので理解しやすくなると思います。
癖が直り切らなくても気にやまず!自認はするけど自責はしない!これを合言葉に。

京: はい!

J: では!男の選別の前に自分の棚卸ということで!

京: 棚卸しします!はっきりしないお話に、根気強くお付き合いいただいてありがとうございました!

J: いえいえ、ありがとうございました!

相談を終えて

 じっくり時間をかけながら正直な気持ちを話してくれた京子さんに感謝いたします。
「自己中心的な相手」ばかりを選んでしまうのが問題なのではなく、京子さんが意思表示をしないために、京子さんには相手がいつも自己中心的に見えていたのかもしれない…とは、話し始めには思いもよらない着地でした。

 恋愛は相手あってのことですが、相手が変わっても同じ悩みが続くときは、原因は自分にあるのだと思います。
京子さんは自分に自信がないから虚栄心だけがムクムクと育ってしまい、嫌われたくないから相手に意思を表明せず、相手が自分を嫌わない「正解」を探す。
でも、相手の意思が二人の関係で常に「正解」ならば、自分の正直な感情が「間違い」になってしまうことが多くなるわけです。

 そして、自分にとっての相手の「間違い」は、嫌われたくないから決して相手には伝えられない。それでは自分がすり減ってしまうと思いました。

 一方で、京子さんが仕事では「NO」と意思表示ができるようになったのは、「NO」と言ったことで社内での自分の価値が下がるようなことがないと理解したからだと思います。
そして、それが自信につながり、次の意思表示をしやすくするのではないでしょうか。

 恋愛でも、同じように「NO」や自分の気持ちを伝えることで、京子さんが愛されなくなるわけではないことが体感できれば、自信も徐々に付いてくるのではないかと思います。

 それに、仕事だって恋愛だって、一度や二度間違えたところで人生が終わるわけではありませんから、今まで間違えたことを過度に気に病んだり、これから間違えるかもしれない可能性におびえたりしないで欲しいなと思いました。

Text/ジェーン・スー

関連キーワード

ライタープロフィール

ジェーン・スー
音楽プロデューサー、作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活動中。

今月の特集

AMのこぼれ話

アンケート

読者アンケート

AMではより楽しく役に立つサイトを目指すため、読者アンケートを実施しております。 本アンケートにご協力お願いします。

アンケートはこちら