こんにちは。
恵比寿の女性専門カウンセリングルームfour-heart-cloverカウンセラーの荻です。

 前回はデートDVの中の代表的なものとも言っても過言ではない『暴言』について書かせていただきました。

 今回は『人格否定される』についてです。
「暴言」とかぶる部分も多いのですが、更に追い込まれるという部分について詳しく書いていこうと思います。

デートDVの一つ「人格を否定される」とは?


 人格否定される。

 そんなことは本来あってはいけないことなんじゃないかと私は思います。

 どんな人にも、そこに存在する意味があり、価値がある。
それを他人に否定される必要が無いからです。

荻尚子 デートDV
martinak15

 では、人格否定にはどのような言葉があるか少し書き出して見ます。
※耳を覆いたくなるような表現もありますので、注意してください

「どういう育ち方をしてきたんだ」
「お前の親はクズだ」
「お前に発言する権利などない」
「自分を俺と平等だと思うな」
「バカは言うこと聞いていればいいんだ」
「こんなこともわからないのか」
「こう思ってるのは俺だけじゃなくみんな言ってたから」
「生きてる意味ある?」
「よくそれで恥ずかしくないよね」

 皆さんは恋人にこんなことを言われたらどう思いますか?

 デートDVをしてしまう人には普段はとても優しいという人もたくさんいます。
ただ、怒り出すと相手に対する否定的な言葉が止まらなくなってしまいます。
怒り出した途端、人が変わったような顔つきになり、舌打ちをしたり、不機嫌に物音を立てることから始まり、何か口を開いたと思ったら上記のような言葉で人格否定してくる人もいます(メールの場合もあります)。
怒り出す原因となった内容とはかけ離れていても、相手の人格をこれでもかというくらい否定してきます。

 当事者じゃない時は「こんなこと言うなんてムカつく。言い返せばいいじゃん」、「そんな男、別れちゃえばいいじゃん」と誰もが思うんです。

 なぜ、このようなヒドイ人格否定があっても、それでも彼を好きで追いかけてしまうのかというと…

自分に自信がないからこそ
彼の言葉をそのまま信じてしまう


 まず、前回も書いた「私が悪い」「私が彼を怒らせる」という感覚です。
普段は優しい彼がこんなに怒るほど私は彼を怒らせてしまったんだという気持ちを持たされることが一番大きな理由です。

 そして、自分に自信を持てない女性がデートDVに遭いやすいという面もありますし、 日々否定され続けることによって自信が持てなくなってくるという場合もあり 自信が持てない女性は、このような人格否定をされても、どこかで

「私だから仕方が無い」
「言われて当然だし」
「私なんてこんなもんだ」

などと受け入れてしまうこともあります。

 デートDVなどに多い『暴言』や『人格否定』は前回も言霊という言葉を使って 説明しましたが、人の心に大きく影響を与えます。
最初は、なんでこんなことを言われなくちゃいけないの? と疑問を感じていた女性も 言われているうちに、信じてしまうという怖い面もあるのですが、更に怖いのが次に書くことです。

自分の欠点や育ちから人格を否定されると
彼の言っていることは正当化される


 デートDVの人の使う『人格否定』には、自分の欠点や育ちなどに当てはまることも含まれている場合があります。

 例えば両親が離婚されている人に対して、

「片親だからそんな奴にしか育たないよな。俺が教育しなおしてやる」
(ヒドイですよね。こんなこと言われたら本当に傷つきます!)

など、何度も言いますが、こんなことを言う方が間違っているのですが、でももし片親ということが事実だとすると、そこが自分の中でクローズアップされて、自分も気にしていることとリンクして更に大きく自分の心に響いてしまいます。

 そして、この人の言っていることは正しいというイメージが脳内にインプットされていってしまう。
こうなってしまうと、デートDVの人の人格否定がヒドイという気持ちも持ちつつも、「自分の悪い所を指摘してくれる人なんだ」「我慢して言うことを聞かないと私は良くなれない」こう思っていってしまうことが、デートDVでとても怖いことです。

彼は私のために言ってくれてるから
もっとがんばらないと


 こう思ってしまうと、「もっとがんばらないと!」と思うようになり、彼の言うことを聞き、彼が怒らないように必死に気を使い、彼の為にとすべての神経を 注ぐようになってしまいます。

 それで、彼の機嫌が常に良く保たれるのであればまだマシなのですが、(私はイヤですが…)デートDVをする人ってそうはいかないんですよね。
 こんなにがんばっても、また怒られてしまうんです。
がんばっても、がんばっても、ゴールの無いレースに出ているかのようにがんばり続けさせられてしまいます。

 そんな中でも自分は彼の為に一生懸命やっているという実感を持つこともあります。
彼からの人格否定を叱咤激励のように捉えようと必死に耐えている女性もとても多いです。

 本当は傷ついているにも関わらず、必死で「彼は私の為を思って言ってくれているの」と自分に言い聞かせるようになっていってしまうのです。
私はこうなっていく女性をたくさん見ていますが、これが一番辛いことではないかと思います。

彼にヒドイことをされたと分かっていても
彼の怒りがおさまると「やっぱり好き」を繰り返す


 更には、上記と違って人格否定をされる時は本当にイヤで、言われている最中などは

「もう絶対に別れよう!」
「こんな男絶対にイヤ!」
「なんでこんなこと言われなくちゃいけないの!」
とちゃんと、ヒドイことだと認識出来ている女性もいます。

 だったら、別れればいいのに、と思ってしまうでしょうがそこがデートDVの怖いところです。

 彼の怒りが収まり、優しくなった途端に自分の気持ちも収まってしまったり、もう少し様子を見てみようかなと思ったり、やっぱり優しい時の彼は好きなので、怒っている時に思っていた強い決心が一気に揺らいでしまって、別れるに至らない。
でも、また彼が怒りだすと、やっぱり「あの時別れてればよかった」と思い、機嫌が直ると「やっぱり好き!」を繰り返してしまいます。

 デートDVの『人格否定』は、言われる側ではなく言う側が絶対に間違っています。
人に対してそんなことは言ってはいけないというのが大前提です。
自分の育ちが彼と違っていようが、彼のお家より貧乏だろうが、親の職業が彼と違っていようが、自分に欠点があろうが、失敗をしようが、だからと言って『人格否定』していいことには繋がりません。

 本当にこんな暴言や「人格否定」の言葉で苦しむ女性が一人でも減ってくれればいいなと思いつつ、次回は『家族批判、友達批判をされる』についてお届けします。

Text/荻尚子

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荻尚子
女性専門カウンセリングルームfour-heart- cloverを運営。年間500人を超えるの方をカウンセリング

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