ノマドセックス女子を襲う“ヤリマン搾取”の構造(3)

第3回:リスク管理も問われる“ヤリマン搾取”の過酷な実態

成功者はごく少数!不当に安く
使われる“下層ノマド女子”たち

Nurture By rickyqi Oceane+Dombard

 これまで2回にわたって、“ノマドセックス女子”の生態について紹介してきました(第1回はこちら→第1回:フリーランス型恋愛で、性の冒険に出よう、第2回はこちら→第2回:営業しなくてもセックスが舞い込むブランディング術)。

 おかげさまでたくさんの反響をいただき、Twitter上は非難や嫌悪感に近いノマドセックス批判で大いに燃え上がりました。
しかし、私はこのコラムで、決して牧歌的にノマドセックスを礼賛したり、その生き方を推奨してきたわけではありません。

 私が知っている、ある“ノマドセックス女子”は、芸術家・岡本太郎の著書『自分の中に毒を持て』の中にある「危険な道を選べ」という言葉に感化され、本命彼氏と別れてノマドセックスをするようになったと言います。

 これはつまり、ノマドセックスという生き方が“危険な道”である、ということを意味しています。

 ここで、あえて誤解を恐れずに、シビアな現実をはっきり言ってしまいましょう。
実は、“ノマドセックス女子”として成功できるのは、男を惹きつける性的魅力に富んでいて、それを自覚したうえで利用することができる、ごく少数の女性だけです。

 ノマドセックスという概念を初めて提唱した、フランスのセックス思想家ファック・アタリは、その著書『21世紀の性の歴史』の中で、“ノマドセックス女子”を以下の3つの階層に分類しています。

・ハイパーノマド
自分の主体的な意志に基づき自由恋愛&フリーセックスを楽しむ“素敵ビッチ”
セルフブランディングによって自分の価値を高めることに成功している。

・バーチャルノマド
自称“彼氏は作らない主義”のフリー女性。本当は本命彼氏が欲しいにもかかわらず、“二番目の女”に甘んじていることに対する強がりであることが多い。

・下層ノマド
本人は「自分の意志で納得してノマドセックスをしている」と言い張るが、はたから見ると完全に“都合のいいサセコ”になっている女性。

 そして問題は、“ハイパーノマド”になれるのが、もともと性的魅力や恋愛スキルの高い女性のみであるという事実。
黙っていても、バリューの高い男性から本命彼氏の申し出が後を絶たないような人ばかりなのです。

 その点を理解しないままノマドセックスライフを始めた女性が、“下層ノマド”として中途半端なセフレ状態となり、男性による“ヤリマン搾取”の構造に組み込まれてしまうことは少なくありません。
自分自身の価値を実際よりも高く見積もったせいで、そこに付け込まれ、不当に安く利用されてしまう女性がかなり存在するのが現状なのです。