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  • 2015.11.01

1人で歩む人生、誰かと一緒に歩む人生、それぞれの景色から感じること

短い人生の中で、長いこと一緒に歩くパートナーが必要だと思う人もいれば、時々、違う人と一緒に歩くのが好きな人もいる。それぞれ違った景色が見られる中で、どちらを選んでもきっと素敵な景色が待っているはずです。

1人で見える景色、誰かと一緒に見る景色

中村綾花 AMパリ支局がお送りする 結婚と幸せの方程式 フランス 純愛
Christian Gonzalez

 我が家の近所には、自然に囲まれた巨大な池がある。

 旦那さん曰く「その池の周りを一周すると軽く3、40分はかかる」というのだが、「そんなはずはない!」と思った。なぜなら、前回友人と2人でダラダラ話しながらその池の周りを散歩したときは、あっというまに一周できたように感じたからだ。

 今朝、1人で運動がてらその池を一周してみることにした。すると、歩けども歩けども、半周地点すらたどりつける気がしない。こんなに池は大きかったか!?と、おどろくほど広く巨大に感じられてしまったのだった。

 平日のお昼とあって、散歩している人は私だけだった。

 しばらくして、後ろから1人の男性ランナーが私に追いつき、追い越して行った。筋肉質の中年男性で、この寒いのに半袖。太もものような引き締まった腕にはタトゥーが入っているのが見えた。

 たくましい。私もあれくらいガンガン走ってみたいけれど、体力的に無理だ、なんて1人で思う。

 半周地点にようやく到着した所で、大型の警察犬二頭がじゃれ合っているのが見えた。飼い主は手綱をつけていないので、犬は自由に飛び回っている。

 やばい。恐い。こちらに二頭が近づいてくる。犬の目を絶対に見まいと身構えていたその瞬間に、激しくじゃれ合う二頭は回転しながら私の方に突進してきたのだ。硬直して動けなくなった私の腰あたりに、人間の大人の腕ほどあるしっぽが「バチっ」と、 当たって去って行った。

 1人じゃなくて誰かと一緒だったらこの恐さは共有できるし、半減しただろうに……。

 池の半周地点を過ぎても、やっぱり折り返しの道は長い。

 もううんざりし始めたところ、ふと目線を少し遠くの木々にやってみた。紅葉してほとんど散りかけた、寂しげだけど美しい木々が整列して並んでいるのが見えた。

 長く続く足元の道から目線をずらすだけで、こうも景色が変わるとは。友人と歩いているときは、その景色なんてあることすら気がついていなかった。

 まだまだ歩いても、終わらない道。

 人生は短いというけれど、ひとりぼっちだとずいぶん長く感じられるものかもしれないと思った。

 1人で見える景色、誰かと一緒に見る景色も違う。時間の感じ方も違う。長いこと一緒に歩くパートナーが必要だと思う人もいれば、時々、違う人と一緒に歩くのが好きな人もいるだろう。

 どれだけ長くつづきそうな道でさえ、終わりがあることは誰もが知っている。ならば、1人で歩くのか、誰かと一緒に歩くのか、どう道を歩くのかは、歩く人自身で決めていいはず。

 私は、できるだけ誰かと一緒にいたい人なのだなと思い知らされた長い散歩だった。

Text/中村綾花

ライタープロフィール

中村綾花
ラブジャーナリスト/ライター。

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