思春期の性の目覚めを芥川賞作家・村田沙耶香が描いたら

小説『魔法のからだ』冒頭を公開!

 文芸シーンの最前線を突き進み、先日ついに芥川龍之介賞を受賞した小説家 ・村田沙耶香さんの最新作『魔法のからだ』冒頭(『Maybe!(メイビー)』/小学館)をAMで公開!

 主人公は、性に興味を持ち始めた、どこにでもいる中学生の女の子。
自分のからだのなかにある「いやらしさ」と、「下ネタ」に代表される誰かがつくった「いやらしさ」の狭間で悩む姿が描かれます。
“ふつう”の女子の誰もが一度は感じたことがある、性に対する「大切にしたい何か」をまさぐる作品です。
冒頭で描かれるのは、幼い体つきの友達の性体験と主人公の考える「いやらしさ」との間にある距離。

 思春期の性の目覚めが村田沙耶香ワールドで展開されるとどうなるのか。少女が女性へと変わっていく瞬間をお楽しみください!

小説家・村田沙耶香って?

 10人産めば合法的に1人殺せる未来を描いた『殺人出産』 、夫婦間でのセックスが近親相姦とされてタブー視された世界を描いた『消滅世界』と、続けざまにセクシャリティや家族の在り方といった題材でSF的な設定の小説を書いてきた村田沙耶香さん。つい先日の19日に中篇小説「コンビニ人間」(『文學界』2016年6月号)で第155回芥川龍之介賞を受賞されました!

 セックスすること、好きな人と一緒にいること、食欲を満たすこと、すなわち生きること。村田沙耶香というフィルターを通すと、私たちの世界は、突如、いびつで不器用なものに見えてくる。(中略)なかでも性愛表現は極上だ。生々しくて美しくてグロテスク。読みながら「げ、私、そんなことしてるんだっけ…してるな」と、自らの性行為と文章を頭の中で重ね合わせる。村田ワールドでしか味わえない、不思議な多幸感がある。(Maybe!誌より)

 当たり前と思われている世界を自由自在に裏返し、既成の現実に揺さぶりをかける小説家。そんな村田さんが真っ正面から現実世界の少女たちを描いたのが『魔法のからだ』です。