出会って別れて、私の一部になった人たち/はあちゅうの女の本音

私の一部になった人たち

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 先週、母を恒例の親孝行ご飯に連れて行ったのですが、
コースの最後のデザートプレートには
「これからも元気でいてね」と書いてもらいました。

 嬉しがる母がふと思いだしたように
「そういえば、春香ちゃんが
こうやってデザートに何か書くようになったのって
アンちゃんと付き合ってからやね」
と言ったので、
懐かしい気持ちになりました。

 アンちゃんというのは、
私が21歳から24歳まで付き合った
台湾系アメリカ人の男の子。
香港大学留学中に出会って、
アメリカと日本で遠距離恋愛をしながら、
世界中を一緒に旅した、
私の人生にとって、とても大事な人です。

 名前がアンドリューだったので、
アンちゃんと母は呼んでいました。

 英語の出来ない母とアンドリューは
身ぶり手ぶりでしかコミュニケーションが取れなかったのですが、
ユーモアたっぷりで朗らかな彼は
関西人の母のツボにはまったみたい。

 アンドリューと私は
食べ歩きが共通の趣味だったのですが、
ちょっといいレストランに彼と行くと、
デザートには必ずメッセージが入っていました。

「ハッピーアニバーサリー」
と入ったケーキを見ながら
「今日は何の記念日?」というと
「何かの記念日」と笑う彼。

 アメリカは、お祝い事に関して
ノリがいい社会なので、
「アニバーサリーディナー」の度に
いい席に案内してもらって、特別待遇。
ちょっとズルみたいな気もしますが、
「勝手にアニバーサリーにしちゃうのっていいな」
と新鮮な気持ちを味わいました。

 アンドリューに教わったことは他にもたくさんあります。

 忙しくても家族のための時間をつくること。
たまに旅行に行ってリフレッシュすること。
旅行先で、普段はしない贅沢をしてみること。
相手に呼び掛ける時、まずは名前を言うこと。
サンドイッチの具にナッツをいれること。
両親とハグをすること。

 その後お付き合いして先日別れてしまった彼にも
たくさんのことを教わりました。

 ソイラテが美味しいということ。
真夜中にアイスを食べるのは幸せだということ。
同じボケを繰り返すことを「天丼」と呼ぶこと。
本はちょっとでも気になったら買うこと。
のんびり過ごすことには価値があること。
人を疑わない心。

 アンドリューからもらった習慣で、
私から元彼にうつっていった習慣や価値観もあります。

 例えば、本や映画はつまらなかったら最後まで見ないこと。
「払った料金に加えて、つまらないと思いながら
我慢して見る時間まで無駄になる」から。

 恋人を褒めたたえ、毎日大好きだと伝える習慣。
「こんなに簡単に出来て、幸せになる方法は他にない」から。

 逆に私も、彼らが出会ってきた人、もの、ことに
影響を受けていることは間違いありません。

 こうやって、誰かと誰かの
バックグラウンドが知らない間にまじりあって、誰かの一部になっていく。

 会ったこともない、世界の裏にいる人と私の周りの人が、
私を介して繋がっているということや、
誰かの習慣や価値観がめぐりめぐって私という人間を形作っていることに、
感謝しながら、今年の出会いをひとつひとつ思い返す12月。
いい締めくくりになりますように。

Text/伊藤春香(はあちゅう)

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