もう友達には戻れない…元彼への敗北宣言/はあちゅうが語る女の本音

元彼への敗北宣言。

はあちゅう AM 恋愛コラム By javi.velazquez

 江國 香織さんが
「泣く大人」というエッセイの中で、
こう言っています。

「かつて恋をした男と女が男友達と女友達になるには、
たぶん、必要なことが二つある。一つは、互いに全く未練がないこと。
もう一つは、二人とも幸せなこと。」

 その二つはごもっともなのだけど、
男友達、女友達になれるかどうかには懐疑的な私。

 一度付き合ってしまった人とは、
どう頑張っても、付き合う前には戻れないような気がします。
付き合う前のフラットな感じは消えて、
勝負でもないのに、「勝ち」「負け」を常に意識してしまうのが
いったん男と女の関係になった男女の宿命。

 先に幸せになった方が勝ち。
相手に未練があるほうが負け。
そんなパワーバランスが出来てしまって、
自分が幸せじゃない時は、相手の幸せが疎ましく思える。
相手の幸せを手放しで喜べる「友達」からはほど遠い。

 これまで、険悪な形で別れた人はほぼいません。
連絡をとるようになるまで少し時間がかかった人もいたけれど、
皆と、お互いの同意のもと、美しく別れてきたように思う。
でもやっぱり「友達」とは別枠の「元恋人」っていう箱に
いれちゃうんだよな私の場合。

 久々に会う時なんかは、
別れるに至った要素を会話や動作の端々で再確認し、
改めて「ああ、これでよかったんだ」と思える反面、
相手が自分よりも幸せそうだとちょっと寂しい。
もう新しい恋の相手がいるようだと、なおさら。
こういう時、自分の欲張りさと卑しさに気づくけれど、
そういう苦さも噛みくだしていくのが
大人なんだと、しみじみしたような気持ちにもなる。

 こだわるほうが、実は未練がある分負けなのだと思いながらも
表面的には勝っていたい複雑な女心。

 他にすることのない夜などは、つい魔が差して、
Facebookで検索して、遠い過去の恋の相手が
まだ結婚していないことにほっとしたり。
前にも書いたけれど、私の人生において
「元彼結婚」というシーンは今のところないです。
でも、一人だけ、私の人生で勝ち逃げしていった男の人がいます。

 高校時代、初めて付き合った人。
半年つきあって、バレンタインに別れた彼とは
何もかもが初めてだったから
どんなに時間がたっても、特別な存在です。

 最後に会ったのは社会人になって数年してから。
赤点ばっかりだったはずの彼は
いつのまにか国家資格をとって、私より全然稼いでいて。
カッコ悪くなっていたらよかったのに、
高校時代からモテ伝説をつくりまくっていた彼は
色男ぶりに渋みが加わって、遠くからでもすぐに見つけられました。

タバコを吸うようになっていたけれど
笑顔は昔と変わらなくて、嬉しかったな。

 そのあとすぐに勉強のために海外に渡ってしまった彼は
連絡が取れなくなって、Facebookにもいなくて、
共通の知人も、誰ひとり彼の行方を知らず。

「会おうと思えばいつでも会える」のと
もう二度と会えないのは天と地ほどに違う。

 勝ち逃げされるよりは、負けていても友達の方が
私には、楽みたいです。

元気かな。

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Text/伊藤春香(はあちゅう)

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