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  • 2016.11.14

女子力について

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※金融日記 2012年05月23日のエントリーから転載しています


今日、ふと僕のタイムラインを見ていたら、女子が美容にかける費用について話題になっていた。以下、引用である。
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●1か月に1回
よもぎ蒸し 3000円、美容顔筋矯正 14000円、マッサージ 6000円、ネイル 10000円、まつげエクステ 10000円、プラセンタ注射 2000円×2、フォトフェイシャル 10000円

●2か月に1回
美容院 10000円

●3か月に1回
ファンデーション 5000円、マスカラ 2000円、アイシャドウ 5000円、アイライナー 2000円、チーク(半年くらいもつ)、洗顔料 5000円、メイク落とし 2000円、化粧水 2000円、乳液 2000円、美容液 5000円、香水 5000円、リップクリーム 1000円、マスクとかパックとか 2000円

…これ計算したら一カ月の美容費用
7万円軽く超えるね。
7万て!家賃か!
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引用:女の子が一カ月に使う美容費について。はあちゅう主義


僕は、リアルな世界では女子に常にやさしく接し、決して厳しいことも、上から目線のこともいわないから、今日これから書くことも、直接女子にいうことはまずないし、むしろ、女子が2万円もかけてネールサロンに行ってきたら「わー、すごいキレイ、似合ってるね(ハァート)」とか、全く思ってもいないセリフが息を吐き出すかのように口から出てくるぐらいであるのだけれど、今日は、ここに僕の正直な意見を書いておこうと思う。

結論からいうと、キャバクラのホステスなどの特殊な職業を除き、女子力を人工的に高める努力は、むしろ逆効果だと考えている。

いくら付けまつ毛をしようと、ファンデーションを塗ろうと、スタイルのよく見える服を着ようと、男が意識的にしろ、無意識にしろ、相手の女子力を判断する時はいつも決まっている。夜デートして、セックスをして、メイクを落としてお風呂に入って寝て、次の日の朝に起きた時にもう一度セックスをする時なのである。

この無防備な状態で、体を触りあい、見つめ合い、キスをして体液が交換され、ヴァギナにペニスが挿入される。そこで感じる感触、匂い、味、耳から聞こえる吐息。鋭敏なセンサーとなったペニスが女子の内部に挿入され、まるで精密検査のように、あらゆるセンシティブな情報を読み取っていく。まったく、ごまかしがきかないプロセスなのだ。それは、お互い様ではあるのだけれど。

結局のところ、どれだけ「人工的に」女子力を高めたところで、その女子が本来持っている女子力、すなわち潜在女子力に、最初のセックスで簡単に到達してしまう。男は決して口には出さないけど、女の価値の、少なくとも肉体的な魅力に関しては、この潜在女子力で考えている。そのことに気がついているか、気がついていないかは別にして。そしてこの潜在女子力を高めるのは、睡眠と食事、そして運動のみっつしかない。高価な美容水、クリーム、あらゆる美容グッズなどは、無意味どころか、おそらく逆効果だ。エステも、おそらく美容整形も無意味だ。完全な素の状態でセックスをしていれば、美容整形などは、ちょっとした不自然な感じとして、違和感が出ると思う。腕のいいソムリエが、ワインのラベルが誤魔化されてても、たちどころにインチキを見ぬいてしまうみたいにね。

とくに高価な洗顔料、美容水やクリームの類は、よくいえば夢を売る商売、悪くいえば詐欺だ。本来、人間の肌は、何もしない状態で新陳代謝し、保湿成分などが自然と分泌されるのに、それを無理やりはがして、別の化学物質を塗りこんでいいことはなにもない。ファンデーションなど、汗や脂が出てくる人の肌に24時間も張り付いている物質など、体にいいわけがない。老人になってくると、化粧をしていた人の肌は、していなかった人の肌より汚くなっていく。毎日化粧をしていたおばあちゃんの肌は、おじいちゃんの肌よりたいてい汚い。僕の友人の医師は、美容クリニックでいろいろな高価なものをせっせと売っているが、自分の幼い娘はお風呂でお湯で体や顔を洗うだけで、石鹸さえ使っていない。肌に悪いからだ。

しかし、美容水やクリームは毎日使うものだから、ビジネスとしては極めて美味しいわけだ。だから化粧品会社が、莫大な金額を広告宣伝費に投入している。芸能人やファッション・モデルのギャラ、ファッション誌の売上は、こういう広告宣伝費から来ているから、業界から影響力がある、と判断された女優やモデルは、美のリーダーとして、当然のように、こういうお肌の手入れの重要性を説いて回る。まるで宣教師のように。メディアに溢れかえる、なんの科学的根拠もないこれらの情報が、多くの女子を洗脳していく。ファッション誌を見ると、胡散臭い疑似科学の知識であふれている。本当は、何もしないのが一番いいのに。

夢は売るものであって、自分で買うものじゃないんだよ。

もちろん、適度なメイクや、よく似合ったシンプルで清潔感のある服装は大切だ。しかし、男の目を引くための過度のメイクやファッションはどうだろうか。FacebookやTwitterのポートレイトに奇跡の一枚を使う行為も同じだ。こういった人工的な女子力のドーピングともいえる行為が及ぼす長期的な影響について考察しよう。


仮定の話として、極度に女子力がアップした女子がいるとしよう。Facebookには奇跡の一枚がアップされ、Twitterではいい女ぶりを毎日のように呟く。そしてこれでもかというほどの愛されメイク。自分のスタイルを極限までよく見せるための矯正下着、・・・。

上の図はそういった女子の名目女子力(表面的な女子力)の推移をシミュレーションしたものだ。こういう場合、出会う前の女子力が頂点になってしまう。FacebookのIPOみたいに。そして、出会いで写真との違いにちょっと驚く。気を持ち直してデートしても、会話のつまらなさにもう一度がっくり。ペッティングして、セックスして、あ~、こんなもんか、という感じである。

一方で、同じ女子が、人工的な女子力の引き上げを行わなかった場合、結局、最初のセックスで名目女子力がクロスするのだが、ここが重要なポイントだが、その後の推移は人工的に女子力をアップさせた女子よりも良好なのだ。

人間というのは、最初の印象がよくて、それからどんどん悪くなって行く場合と、最初の印象が悪くても、だんだんと改善していく場合では、同じレベルに落ち着いても、前者の方が後者の場合よりもずっと悪く感じる。だから、企業の不祥事が起こった場合、最初に最悪のシナリオを発表し、それからタイムリーに情報をアップデートし、思ったよりも悪くなかった、というようにした方が、その逆よりもずっといい。また、いい経営者は、実力以上に株価が評価されている状況を嫌うものだ。

結局のところ創りだされた女子力というのは幻想に過ぎず、必ずどこかで崩壊するものなのだ。そして崩壊したあとの印象はずっと悪くなる。これは過度の金融緩和がバブルを引き起こし、セックスというイベントで、そのバブルが崩壊するような現象だ。

つまり、いわゆる女子力というのは、セックスせずになるべくたくさんの男を引き付ける必要がある、ホステスやアイドル、また、1回しかセックスをする必要がない売春婦にとってはがんばって高める必要があるが、好きな男と結ばれその後も長期的な関係を続けたい一般女子には必要のないものだといえる。ふだんはあんまりメイクもしないしシンプルで目立たない格好をしている彼女が、パーティーの時に、黒いワンピースを着て、赤い口紅をしたら、ドキッとしてしまうほど美しい、というようなのが理想だろう。

ここで女性読者からはこういった反論があるかもしれない。ふだんから女子力を高めて、いろんな男がよってきて、その中からいいのを選びたい、という意見である。これに対する僕の反論はこうだ。結局のところ、そうやって人工的に高められた女子力によって寄ってきた男は、その後にセックスする時点で女子力バブルは崩壊するのだから、長期的関係には成り得ない。また、IPOのFacebook株をスッ高値の天井でマーク・ザッカーバーグにまんまと嵌められてジャンピング・キャッチするような間抜けな投資家みたいな彼氏など、こっちからお断りというものだ。むしろ、地道に自然な本来の女子力を高め、好きな男には自分からアプローチした方がいい。「今度、デートして下さい」って素直にいえばいいんだし、そっちの方がずっとうまくいく。

高めなければいけないのは薄っぺらい表面的な女子力ではなく、真の女子力の方なのである。そして、これは、睡眠、食事、適度な運動のみっつと、豊かな精神性からのみ醸成されるのだ。それはマスメディアや美容産業が指し示す薄っぺらい価値観とは相容れないものであり、むしろその対極にある。


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ライタープロフィール

藤沢数希
藤沢数希

理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得。欧米の研究機関で教鞭を取った後、外資系投資銀行に転身。以後、マーケットの 定量分析、経済予測、トレーディング業務などに従事。ブロゴス2011年の経済部門では、経済・金融賞を受賞し、活躍は多岐に渡る。また、高度なリスクマネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者でもある。 月間100万PVの人気ブログ『金融日記』を運営。恋愛情報が豊富なメルマガも大人気!