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  • 2016.11.14

熟女で恋して何が悪い!(続き)

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続きです。

伝説のモデル、フィオナ・キャンベル-ウォルター(fiona canbell-walter
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彼女は、第二次大戦直後活躍した元祖スーパーモデル。知らない人でもどこかで彼女の写真は見ているはずのすごい人。Cecil Beatonなどフォトグラファーのミューズとなり、VOGUE、Tatler、ELLEとさまざまなモード誌の表紙を飾り、DiorやBalenciagaのアイコンドレスを着た姿は有名。
 
しかもこの人、Jackline Kennedy Onassisの“嫁”でもあるのです。40歳のときに24才の男性と結婚するのですが、その男性がジャッキーの再婚相手となるギリシャの海運王Aristotle Socrates Onassisの1人息子Alexander。その結婚がまたドラマチックで、16歳差と父オナシスの猛反対を乗り越えて、結婚するも、直後に彼が事故死。悲劇の妻になります。それだけじゃなく、実は前夫は欧州指折りの大富豪Hans Heinrich Thyssen-Bornemisza男爵で、彼と離婚後にこの結婚。子孫は現在あらゆる王室に広がって…という話だけでもなんだか壮大。。。
 
絶対に見本にはしてはいけないし、目標なんかにしたら自滅すること間違いなし。

が、その魅力は1960年代後半彼女のポートレートを見るだけで圧巻。最初の結婚中、結婚後、そしてAlexanderとの死別後と変わらない、真の強い美しさから即理解できると思います。強く成熟した女性の美しさとはこういうことか、と。


一方で、最近の成熟した女性の恋愛と結婚を嘲笑する動きがすごく気になります。

★女性が年上の有名セレブカップルと言えば…
デミ・ムーア×アシュトン・カッチャー16歳差
ジェニファー・ロペス×キャスパー・スマート(ダンサー)18歳差
マライア・キャリー×ニック・キャノン10歳差 etc.


以上のカップルが結婚したときの書かれようを見ても尋常ではありませんでした。すぐに「男のほうに打算があるるに違いない」、とか「貪欲なクーガー女の毒牙に引っかかったとか」、女性の方が10歳以上年上のカップルが良きにつけ悪しきにつけ取り沙汰されるのは、やはり「面白おかしい」からです。若い「ツバメ」などという表現が日本にもあったものです。

年齢に応じた老け方をすれば「若いダンナに生気を吸い取られた」と笑われ、若くいようと頑張れば「オバサンのクセに頑張っちゃって」と揶揄される。そうでなくても、ホスト遊びと同列のように悪しざまに言われる始末。ホストにも失礼です。



ものすごく気になるのは、そんな意見が女性側からも出てくるということです。

以前あるテレビ番組で“姉さん女房カップル”を集めたバラエティ番組を見ていると、こんな驚くべき場面を目撃しました。年上妻たちが今幸せで、周りのことなんて気にしないで結婚したというノロケ発言に、パネラーとして座っていた若い20代の女性タレントがこう言ったのです。

「いい年して、息子みたいな男の子捕まえて、みっともないと思わないんですか?」

若い男性と恋をする中高年の女性を非難する思想は、歴史上連綿と途絶えることなく続いてきました。欧州の「魔女」の伝説も、悪名高い「魔女狩り」も、そもそもは出産を終え、妊娠の可能性が少なくなり、自由に性を楽しめる状態になった一定の年齢以上の女性たちを、単なる「不埒」な存在から「恐怖」に変えることで、カトリックが抑え込むために使った手段だったといわれています。日本で言えば、若い男をとって食うという「やまんば」の伝説も、独り身になり、肉体関係を自由に持てる女性に、若い男性がやたらと近づかないようにと流布されたものだとも。

それは、自由な性を謳歌する女性への、男性側の無自覚な恐怖です。性が自由になるということは、男性の支配から女性が逃れやすくなる、つまり自立しやすくなる段階の一つ。女性の性が自由になると、男系社会は崩壊していきます。なぜなら、「嫁がいつ誰かに奪われるかもしれない」という危機感を持たなければならず、子どもが生まれた時「誰の子か」わからなくなる可能性が高くなるからです。血統主義で父系家族を基本とした社会で、特に性の呪縛から解放された自由な女性は恐怖の対象になっているのはその証拠。

この「男性側からの成熟した女性への恐怖」を、こうして女性たち自身が「モラルに反してみっともない」と言い換えることで内在化しているのだと思えて、あっけにとられたと同時に、感心すらしてしまいました(彼女が自分の本心で言ったのか、意地の悪い制作者側に言わされたのかは知りませんが)。


さらに最近よく、こういう“普通じゃない恋愛”の問題点を科学的に証明しようというデータをあげつらう人もいますが、これこそ“みっともない”と思ってしまいます。

女性は配偶者との年齢が離れれば離れるほど死亡率が高くなり、相手が若い場合に特に顕著という研究結果(注:1)も発表されたり、アイスランドの研究チームの調査では、男性が15才上のカップル間に生まれた子どもが一番死亡率が低いとかとかとかとかとか…。

そうまでして、年齢を経た女性の性と生を否定したいかと(もちろん、高齢出産にリスクがあることは間違いではないですが)。

こんなことは所詮データ上の“平均”の話。個人差があり、一番安全とされる年齢差で結婚・出産したから長生きして子供も必ず健康に生まれてくる補償はありませ。第一、恋愛も結婚も、自分が長生きするためでも、健康優良児を出産するためでもありません。早く死のうが長く生きようが、幸せとは無関係(それよりも、ナトリウムと脂肪の量を気をつけたほうがよっぽど本人も子どもも寿命伸びるんじゃ?)。


そんなデータ上のことを挙げたら、当然格差婚にはいいポイントだってあります。性欲をつかさどると言われる男性ホルモンと女性ホルモンのピークが男性と女性では違う点です。男性は19-20才くらいにピークを迎え、個人差はありこそすれ徐々に減っていくそう。女性は女性ホルモンが段々減っていく30代後半から、相対的な男性ホルモン量が増えていくため、性欲がそこから増していくのだとか。無論、男性ホルモンの相対量が増えることで、リスクも増えますが。となると、20才前半の男性と40前後の女性のカップルが性欲的に丁度いいのではなかろうか? これを男女逆にしてもバランスがいい。そう考えるとますます前回取り上げた「騎士道恋愛」の仕組みは理にかなっているような気がします……というような、都合のいい裏付けデータを出そうとすれば、同じ年がベストだ! いいや男が年上がベストだ! いやいや、女が年上がベストだ!といくらでも言えます。



なんでもいいじゃないか、幸せならば。

年上女性と年下男性のカップルは増え続け、今や日本でも全婚姻数(初婚)の1/4を占める(注2)時代。どっちが上だろうが、そんなの関係ねぇ(古っ)と、みんなが言える日も近そうです。



ただ、最近巷に流布されている年上のパートナーのいいところを聞くアンケートの回答を見るにつけ、年齢が離れていれば離れているほど「尊敬」って大事だなと思い知らされます。「包容力がある」「経済力がある」「言わなくてもわかってくれる」「なんでも許してくれる」…ここら辺が上位の回答ですが・・・・・・これ怖いっ!!!!! 結局、「楽させてくれて利用できる相手」と言っているのと同じことでは…(ーー;) 

そら恐ろしい本音。。。まあ、それでも幸せなら全然よいのですが。自分もよくよく過去を振り返ってみると、最高で25歳年上の人とお付き合いしたことがありますが、今から考えてみると、ほんと相手の事思いやってなかったなあと反省しきり。一応、「食事は絶対におごってもらわない」「高額なプレゼントはもらわない」「相手を仕事に利用しない」などマイルールを決め、尊敬できる部分がもちろんあった上でしたが、結局のところ過剰に甘えられる相手を探していたのだと、今はわかります。相手の感情に寄り添える暇がないくらい…。


「騎士道恋愛」で必須な要素は男性による女性への「尊敬」です。相手を畏れ、敬う行為がなければ、ただ「都合のいい人」扱いになりかねません。尊敬には、相手への「思いやり」がついてくる。恋愛関係でも友人関係でもそうですが、「情」がない関係は、ものすごい無意識の悪意に満ちているのだと思います。

若干話は逸れますが、結婚にその「情」の不在はつきもので、それがわかりやすい形で表れたのがスペイン。西班牙と書いて、スペイン。豆知識。要らない情報です。すいません。離婚法が成立し、ようやくきちんと法律的に離婚ができるようになった1981年から(それ以前は日本で言う法律的「離婚」ができない状態。カトリック国のため。現在も教会での結婚は再婚時はできなかったはず…)。なんとその後、離婚率250%増だそう。

そして、同国の離婚手続き代行会社による調査では、49%が愛とは関係なく「惰性でやむなく結婚した」と答えたそう。半数に、最初から愛がなかったという答え。最初から愛がない結婚って、つい最近まで離婚することすらできなかったお国ですら、半数に上るなら、いわんや日本をや…と勘繰らずにはいられません。


まあ、「愛」は、その人によって姿形を変えますので、何が正しい「愛」かは言えないもの。別に問題ではないと思います。が、しかし、相手への尊敬の念は、思いやりや気遣いの基になると思うので、それはあって欲しいなと個人的欲求を再び訴えてしまいたい今日この頃。最近ショックな扱いをされ…ハァ。ハッ、グチ…。


まあ、ここまで書いてきておいてこんな結論で終わらすのもなんなんですが、年の差婚を問題は、年の差そのものよりも、年の差を気にする人が問題にしているだけだとしか思えずとりあえず、無視してみるのはどうでしょう? 日本は特に年齢を意識する文化。報道を見ればとりあえず用もないのに「名前(年齢)」が定型。そこ年齢いる?!という部分にまで…。 


よく友人たちでパーティを開くのですが、初対面で国籍と年齢を聞かないのがマナーになっています。パーソナリティに何の関係もありませんから。そこを無意識に聞いてしまう人は、他人の中身を知るつもりがなく、「外枠」に興味がある人と、少なくとも自分はみなします。合コンでのチェック項目から、年齢だけでも外してみませんか?

(注1)Max-Planck-Gesellschaft (2010, May 12). Downside of marriage for women: The greater a wife’s age gap from her husband, the lower her life expectancy. ScienceDaily. Retrieved March 5, 2012, from http://www.sciencedaily.com­ /releases/2010/05/100512062631.htm
(注2)平成22年人口動態調査より


ちょこっとPRコーナー♪(唐突すぎっ)


成熟した日本文化といえば江戸文化ですが、職人・商人の町である隅田川流域で新しい文化の楽しみ方を体験してもらおうじゃないのというイベントが3/24に開催されるそう(ちょっと縁日っぽくて楽しそうww)。

本来の東京の文化は、西側ではなく東側から受け継がれているもの。そんな成熟した文化を持つ地域が、今の地味なイメージにしておくままではもったいないという意見には、確かに賛同。最近、ファッション関係の友人たちがこぞって根津や千駄木など、東側に引っ越していて、町に求める“おしゃれ”の価値観が少しずつ変わっているのかもと思い始めていたところ。

主催するのは建築・パフォーマンス・ファッション・アートなど様々なジャンルの表現が出会う場を作り出しているNPO法人、ドリフターズ・インターナショナル。当日は今をときめく国内外の建築家やデザイナーがデザインした、川辺を楽しむおしゃれアイテムを自分で作るワークショップを開催。そして、隅田川沿いをこの日のために結成されたチアリーディング・チーム「すみだがわ☆リーダーズ」が練り歩くそうで、見もの。衣装はあのシアタープロダクツが担当し、キッチュでかわいい姿でのパフォーマンスが(個人的に)楽しみ。


青山、表参道を歩くのとは一味もふた味も違った、おしゃれ休日を2人で過ごせたらステキなんだろうなと思ったりしたけど、一緒に行ってくれる人が自分はいないので、いる人はカップルで自分の分までぜしっ楽しんできてっ(涙) ウッ(嗚咽)


「すみだがわパレード~みんなでつくる川のパレード~」
【日時】2012年3月24日(土)
【場所】吾妻橋~桜橋間の隅田川周辺エリア(予定)
【website】http://sumidagawaparade.com/

シアタープロダクツデザインのコスチュームがレトロかわいい❤ 一般公募で集まったメンバーも参加。
©Takehiro Goto(Yukai)
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スマホにかぶせるだけで、家の中から巨大な自分が覗いているような写真が撮れるクラフト製作ができたり…
by 中村竜治
中村竜治1
中村竜治1

こんなしゃれおつスツールが作れたり。。。by Peter Marigold 2(スツール) ©Yoshiro Masuda
ピーターマリーゴールド(2)スツール
workshop06_credit_Yoshiro Masuda


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ライタープロフィール

小山圭一
小山圭一

フランスのリヨン大学第2大学にて「女性学」を学んだ後、テレビ制作にディレクターとして関わる。退社後、コンデナストパブリケーションズジャパンにて『VOGUE Nippon(現VOGUE Japan)』の編集者に。2年間、ファッションやライフスタイルページを担当。2008年、フリーエディターとして雑誌編集、及び執筆業をスタート。『marie claire』(アシェット婦人画報社)や『SPUR』(集英社)などに関わり、主に女性芸能人へのインタビューやファッションページなどを手がけている。フランス留学時に学んだ「女性学」結婚やキャリアに関する研究ベースとした、世界各地の恋愛事情に造詣が深い。
facebook:小山圭一