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  • 2016.11.14

結婚が不道徳?

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来年フランスで同性婚が合法化される可能性が出てきました。
また、ヴェトナムがアジア初の同性婚合法国になるかもしれないとの噂も。

6月、米国ではNY州ですったもんだの上同性婚が可能になり、
ガガ様がツイッターで大いにPRした甲斐があったというもの。
が、合法化されればされるほど、反対勢力がパワーアップする国、
それがアメリカ合衆国。



☆アメリカの“さんまさん”がゲイで結婚。。。
今年の2月、こんなニュースがちょっとした(内容は全然“ちょっと”してないのですが)
話題になりました。


“スポークスパーソンに起用したJCPennyに不買運動。
エレン・デジェネレス、One Million Momsをバッサリ”
(Huffington Post)

まず、エレン・デジェネレスの説明をば。
有名なコメディアンであり、司会者である女性で、その知性とユーモアでアメリカのエンタメ界では絶大な人気を誇ります。
自身の名を配したショウ(「徹子の部屋」的な番組)でスターを発掘する能力も発揮しており、
一番有名なのは、泣く子も黙るジャスティン・ビーバー。
日本で言えば、明石●さんまさん的立ち位置(?)。
オスカーの司会なども経験ありの、大御所です。
degeneres

彼女は番組の中でも“自分はゲイ”と語るオープンな同性愛者。
女優のポーシャ・ディ・ロッシ(「アリーマイラブ」などで有名)と結婚していて、
2人の結婚式のドレス&スーツはあのザック・ポーゼンが自らデザインし、
これも話題になりました。

ellen-in-story



で、J.C.Pennyは100年以上の歴史があるデパート。
日本で言うと、三越のような立ち位置、かもしれません。
伝統的な百貨店で“典型的な幸せ家族像”が透けて見えるお店。
エレンの人気度と清潔感を買って、広告塔にしたのですが、
そうしたらまあ大変。
不買運動が起きてしまったのです。



☆反同性婚団体が引き起こした不買運動
起こしたのは「One Million Moms」。
キリスト教原理主義者の圧力団体で、その名の通り保守主義の主婦の団体……
というわけではなく、「母親」の呼称を利用した家族主義の団体でもちろん男性が関わっています
(キリスト教は父性原理なので、トップにいるのは大抵男です)。
※ウェブサイトがあるのでご興味ある方はどうぞ、敬意をもって晒させていただきますw
http://onemillionmoms.com/

100万人のママたち」とか言っていますが、実際所属会員は100万人もいません。
ちっ、見栄はりやがって(笑)……とバカにできないのがコイ…おっと、この人たち。

コイツ…いや、この人たち実績があるのです。

一番有名な標的は泣く子もめくりたくなる?成人雑誌「PLAY BOY」。
正確には「PLAY BOY」を置くコンビニエンスストア。
「コンビニにエロ本を置くとはけしからん!」と、
セブンイレブンに不買運動をしかけ成功。
調子にのっていろいろと企業に圧力をかけています。


ざっくりいうと伝統的な「正しい家族像」を汚したり、壊したりする行為は何であれ許しませんということ。
品行方正で幸せな家族像をみんなで追い求めるのが幸せってことじゃないの!
エロ本なんてけがらわしい! 同性婚なんて不道徳! “正しい”結婚を破壊する!

(あ、でもこれって、キリスト教に関わらず保守主義の人が必ず言うセリフですよね)


そうして、One Million Momsは「同性婚してるレズビアンを広告塔にするなんてけがらわしい!
さっさと替えなさい。さもなければ不買運動だ!」と
SNSを駆使して呼びかけたので、エレン、キレました。


先の番組の冒頭で、コメディアンならではの皮肉たっぷりの語り口で
「彼らの興味なんか全然引くつもりないんだけどワラ。
Hater(憎悪者、憎む人)ってアタシをやる気にさせてくれるの」
などと話しながら、One~のFacebookでの働きかけを晒しつつ、
エレン側の支持者の声を打ち出します。
ellen-degeneres-jcpenney-one-million-moms



☆結婚を望むこと自体が“罪”
エレンは歓声とともに演説を終えるのですが、
繰り返し口にしたのは「同性婚は伝統的な家族像と何らぶつからない」という考え。


同性愛者だって、“典型的な幸せ像”を求めたいし、そうできるの!
だから、結婚という形を手に入れられる権利があって当然!


これはもう、宗教国家ゆーえすえー(ええ、バカにしてます)における文明の衝突の始まりです。
ゲイたちも伝統的な道徳観や宗教観に組み込まれたい」とのゲイ側の主張に対抗するのが
「あんたタチの“性癖”、ひいては存在そのものが“罪”なんだから、同じ権利なんか求める方がおかしい!」との主張なのですから。


“正しさ”そのものを考え直してほしいと望む人たちと、
正しいものは正しい。それ以外は間違ってる!と信じる人たち。

対話の余地がありません。議論は終了です。
(個人的には、だったらそんな結婚制度自体壊してしまえばいいのに、と思いますが)


さて、日本で同性婚を合法化しようと動いている人もいます。
反対するも賛成するも自由ですが、同性同士が結婚することが“いけない”とする
非論理的な思考で反対することだけはないようにしたいもの。


“幸せ”を求める行為自体が“不道徳”だと言われる自分を想像してみるとわかるかと。
さびしくないですか?


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ライタープロフィール

小山圭一
小山圭一

フランスのリヨン大学第2大学にて「女性学」を学んだ後、テレビ制作にディレクターとして関わる。退社後、コンデナストパブリケーションズジャパンにて『VOGUE Nippon(現VOGUE Japan)』の編集者に。2年間、ファッションやライフスタイルページを担当。2008年、フリーエディターとして雑誌編集、及び執筆業をスタート。『marie claire』(アシェット婦人画報社)や『SPUR』(集英社)などに関わり、主に女性芸能人へのインタビューやファッションページなどを手がけている。フランス留学時に学んだ「女性学」結婚やキャリアに関する研究ベースとした、世界各地の恋愛事情に造詣が深い。
facebook:小山圭一