またもや米国で引き起こされた銃による大量殺戮の報道がひっきりなしに世界中を駆け巡っています。
こうして銃社会のなれの果ての姿を見るとき、破綻した恋愛・結婚のなれの果てをそこに重ねてしまい……。
COLORADO_SHOOTING__1151253emasacre_de_colorado_189624431


☆触れたら取りつかれる“優位に立たせてくれる武器”の魔力
この世の中で、触れてはいけないものが2つあると思っています。
それは、「銃」と「パートナーの携帯」

銃は持つ人間を、持っていない人間に対して圧倒的に「暴力」で優位に立たせてくれます
持っている人間は怖れざるをえず、持たない人間は屈服せざるを得なくなる絶対的な「パワー」。
誰かが持ち優位に立ったら、同じように持たなければ永遠に対抗できない。
だからこそ、みんなが持ちたがり、二度と捨てられない“禁断の果実”。
でも、一度広がってしまったら、その蔓延はほぼ100%収束させられない“パンドラの箱”でもあります。

「銃」という圧倒的なパワーを持つ武器の魔力は宮部みゆき『スナーク狩り』を思い出してしまいますが、“フツ―に”生きていた人が武器を手にした途端変わってしまう。
CBSニュースで、銃乱射の犯人の同窓だった男性が「スマートな人だった」と評しています。
一見、何の問題もなく映る人が、武器の魔力にとりつかれた理由が解明されていく段階が興味深いです。


それと同じくらい恋愛の場において魔力を持つのが「パートナーの携帯」

携帯チェックを当然のようにする人がいます。男女関わらず。

相手の行動を自分の範疇にとどめておくため、万が一裏切っていたとしたらどうやって懲らしめられるか予め準備するため……などなど「自分の身を守る」という理由をつけて相手を掌握する携帯チェックは、
情報戦略で優位に立てる、圧倒的パワーを持つ「武器」。
むしろ、情報を知らなければ「何かを隠されている自分」の劣勢を覆せないと感じてしまうというほうが正しいかもしれません。
そうして相手の情報を掌握することで、パートナー自身を掌握し、行動をコントロールする。



☆武器を持つ“正当な理由”こそが誘惑
一度見てしまったら、相手の行動を把握する快感と誘惑に打ち克てません。
週に1度のチェックが、毎日になり、毎日が日に3回になる。
情報を手に入れて、相手の行動を掌握することで、相手の優位に立つ。

「だって、浮気の疑いがあるんだからしょうがないじゃない」
「疑われるようなそぶりをする方がいけない」という言い訳は、
「だって、隣のヤツが暴力振るってくるかもしれないからしょうがないじゃない」
「銃を向けられるようなそぶりをする方がいけない」という“正当な”主張と同じです。



銃という火気による暴力と、たかが携帯の個人情報を並列に並べるなと言う人もいるかと。
でも、今の時代、情報は暴力に近い。
個人の情報は悪意を持ってすれば、持ち主の生活を破壊することができるのは、
多くのニュースで示される通りです。

米国のある調査によると、携帯を拾った人間が、
そこから外部の個人情報(facebookや会社の情報)にアクセスする確立が93%だったそう。
携帯電話会社ドコモが公開している中国における携帯市場調査の報告書では、携帯の覗き見に関する“悪意のある情報暴露”に警戒を促しています。


暴力で優位に立つ。
情報で優位に立つ。

結局ふたつの事は恐怖感の度合いは違えども、構図は一緒

SNSで自分の情報は明かさないまま、「友だち申請」をしてくる人がいます。
これも、情報で優位に立つ行為。
「自分は知っているけれども、相手は自分のことは知らない」という、自分から危ない弱みは見せない。
そんな優位性を保っておきたいという姑息な根性が見えて、身構えてしまいます。

人より優位に立ちたい欲望は誰でも抱えています。
しかし、そのために触れてしまったら、歯止めが効かなくなるものがある。

禁断の果実を手に入れて、人より優位に立って安心するか、
わかっていてもその弊害ゆえに拒否するのか。
そこにその人の良心と人格の強さが問われるのだと思います。

相手を「信頼」して、手にある「武器」を捨てるのは、本当に難しい。


妻や夫や恋人が怪しい。
さて、その不安を解消するために、携帯を覗くか否かは、その人の強さと良心次第。
信じるか信じないかはあなた次第。
もう、「触れてはいけないもの」が発する悪意の魔力は都市伝説…じゃなくて怪談並みの怖さです。


そうそう、怪談がふさわしい季節がやってきました。
本格派の落語で、げに怖ろしき恋と嫉妬の物語を聞いてみませんか?
ちょこっとお手伝いさせていただいている落語会なのですが、ムード満点の演出が売りの怪談落語。

落語の「2大怪談噺」として有名な三遊亭圓朝の「牡丹燈籠」「真景累ケ淵」を、二夜連続公演。
男嫌いの女がダメ男を愛したために、嫉妬と憎悪で狂い死に、その呪いが男の周囲の人間を次々に殺してゆく……。黒木瞳主演で映画になったこともある有名なお話。

落語好きな人も、一度も見たことがない人も、恋の怖ろしさを本物の話芸でお送りします。
是非背筋を凍らせてみてください。

お問い合わせ
いたちや
HP:http://the-itachi-ya.com/
TEL&FAX:03-5809-0550

encho

http://the-itachi-ya.com/?page_id=143



関連キーワード

このブログの前後の記事へ

ライタープロフィール

小山圭一
小山圭一

フランスのリヨン大学第2大学にて「女性学」を学んだ後、テレビ制作にディレクターとして関わる。退社後、コンデナストパブリケーションズジャパンにて『VOGUE Nippon(現VOGUE Japan)』の編集者に。2年間、ファッションやライフスタイルページを担当。2008年、フリーエディターとして雑誌編集、及び執筆業をスタート。『marie claire』(アシェット婦人画報社)や『SPUR』(集英社)などに関わり、主に女性芸能人へのインタビューやファッションページなどを手がけている。フランス留学時に学んだ「女性学」結婚やキャリアに関する研究ベースとした、世界各地の恋愛事情に造詣が深い。
facebook:小山圭一