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  • 2016.11.14

恋愛は“仲間”の外に(後篇)

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フランス人学生に言われたことを思い出します。
「日本人のサラリーマンってみんなゲイなの? だってシャンゼリゼでしょっちゅうサラリーマンの集団が歩いてる。毎日スーツでゲイパレードかと思うわよ」。

え?なんで? 

びっくりして理由を尋ねたお話の続きです。。。


☆4人以上の男の「集団」は“子どもっぽい”
もちろん冗談ですが、サラリーマンだけでなく、日本人男子留学生がいつも集団で行動することに多くのフランス人学生が違和感を持っていたようです。
しかも、聞いたら4人からが集団なのだとか。
日本人が男4人で集って歩くなんてよくある話ですが、それすらおかしく見えるのかと驚きました。
群れる男性は“子どもっぽい”“女々しい”と映るらしく、女子学生たちが、「男が4人以上で歩いていたら不良か僧かゲイだと判断して、恋愛対象からは排除!」と言ってたのがウケました。
動画でも少女時代の後にSuper Juniorを見せられた女の子が「同じことを男がやってるのね」という反応が面白いですね。

当時はやっていたSATCは、女性だからギリOKだと言われましたが、やはり女性でも集団で行動する日本人気質にうんざりしている人もいます。


☆駐在員妻は集団化する

友人の女性は、夫が海外転勤のためアメリカ、カナダ、オランダ、ベルギーと転々とし、現在タイにいるのですが、駐在員の妻コミュニティーに辟易している様子。
こんな愚痴を言ってきました。

「どこ行ってもそうなんだけど、日本人の駐在員妻だけで群れるのよ。例えば毎日お茶会するとかね。
そもそも駐在している土地の人と付き合えるだけの能力がないんだけけど、面倒くさいのが買い物。
『お茶会で●●が欲しいから、今度▲▲ストアに行くんです』なんて口走ったらもう大変。
『じゃあ、あの人もこの人も誘うわね。一緒に行きましょ』ってどんどん募って、気付いたら当日は7,8人の大所帯。
直接話したのはその人だけなのに、なんでこんなに引き連れてくるの?! ってイライラ。
集団でしか行動できない駐在員妻にウンザリ。
夫の会社での付き合いもあるから、と思ってガマンしてたけど、この間お茶会拒否してやったわ。
現地のご近所さんとの付き合いの方がよっぽど楽」


「仲間」という枠組みで囲われた上で、その結束を喜ぶのはそれはそれで価値のあること。
でも、慣れ過ぎてしまうと集団でしか行動できなくなる。
枠の「中」に入れた喜び、その中毒性は、入らなければ何か欠けているように感じる強迫観念も生み出します。。


☆「仲間」の外にある“絆”
彼らはどうやって知り合い、バンドを組むと思うか?
動画の中でこう子供たちに問いかけます。


言わされている可能性もありますが、「幼稚園」「音楽学校」「街でハント」
この答えから見えるのは、この動画に映る子どもたち(もしくは動画を作った人間)にある、「仲間を作るのは学校。そうじゃなければヘッドハントしかない」という意識。
だからこそ、アメリカのグループで言うとどのグループにあたるかという問いに「glee」が上がってくる。
いっぱしのエンターテナーが、他人にかき集められたグループに、大人になっても所属するという感覚がわからない。
その仕組みは彼女彼らいわく「ひどい」「じゃあ、私がこのグループを好きでも、結局事務所の仕掛け人が好きってことね」。


☆集団に宿る“滅私”
最後に一番性格が悪そうな女のコのこの表現が的を射ています。
「きっと彼らは自分の人生を捨てて、偶像(アイドル)になることで完璧になるのね」

「仲間」とは、一定の“滅私”、つまり「自分を消す行為」を繰り返さないと所属し続けられません。
まだ自分の意志が確立していない子ども時代に、ルールや慣習を体得させるためには必要な行為。
でも、それを体得したら、集団から得た基準を外れ、個人としての自分を他人に納得させながら、個を確立させていくのが「成長」。

「意志ある大人は群れないはず」という認識(一種の偏見ですが)がココで成立しています。

グループ内の信頼や絆はある程度は必要だと思いますし、実際Kpopは大好きですし、コンサートにも行っちゃいますし、SHINeeのKeyくんの大ファンだし……ってここまで言う必要ないか。
ともかく集団の力は否定できません。

しかし、そこに溺れるのはとても“幼い”と思うのです。
「仲間」は甘えになります。助けてくれるはず、という甘え。1人じゃないという、甘え。
人生はどこまで行っても孤独。
結局自分の人生は自分以外の誰にも責任が取れない。
だからこそ、子ども時代に学んだ集団や仲間意識から巣立って、孤独な“個”を生きて行く覚悟がいる。
その孤独を思い知って初めて、自分のベストパートナーを見つけようと頑張れるのだと思います。
真の恋愛は仲間意識の外側にある、そう感じています。


トムクルがケイティとついに離婚ですね。
トムクルも本当に「仲間」が好きな人。
実際、今も熱心なサイエントロジーという“お仲間”たちにご執心。
仲間意識から巣立てない、幼い人だなあという印象がありましたが、仲間好き(由紀恵のほうならまだいいけど)な人って、結婚生活上手くいかないんですよね、小山統計上(ーー;)
結婚中ケイティ、一度も幸せそうな笑顔してなかったし。
Cruise_Holmes_a_l


そういえば、少女時代のソヒョン氏が、韓国メディアで親友について語っているのを見ました。
デビュー直前まで一緒のグループで活動していながら、最終的に少女時代になれなかった女性だそう。
親友は仲間という枠の外にはじき出されて、初めて親友になる。
これもなんだか象徴的な話です。



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ライタープロフィール

小山圭一
小山圭一

フランスのリヨン大学第2大学にて「女性学」を学んだ後、テレビ制作にディレクターとして関わる。退社後、コンデナストパブリケーションズジャパンにて『VOGUE Nippon(現VOGUE Japan)』の編集者に。2年間、ファッションやライフスタイルページを担当。2008年、フリーエディターとして雑誌編集、及び執筆業をスタート。『marie claire』(アシェット婦人画報社)や『SPUR』(集英社)などに関わり、主に女性芸能人へのインタビューやファッションページなどを手がけている。フランス留学時に学んだ「女性学」結婚やキャリアに関する研究ベースとした、世界各地の恋愛事情に造詣が深い。
facebook:小山圭一