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  • 2016.11.14

ルポ:ブルキナファソの結婚と現実。

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「ルポ」とタイトルに入っているので、たまにはきちんとルポ、人使って……。

父が途上国の開発援助に携わっているため、あまり聞くことのない名前の国に度々トンズラするのですが、今回はブルキナファソにトンズラ。
なぬっ?! じゃ、写メとリサーチよろしく!
と、齢60を過ぎた老体をタダ働きさせていろいろ調べてきてもらったという具合です。
「その年で親の脛かじって!」とかいう突っ込みは不要です。
許して下さい(;_;)

burkina_faso_small_map

アフリカの北西、コートディヴォワールの隣。
首都オゥァガドゥグは、ヤマハのビッグスクーターが跋扈。
しかし中国製のコピー商品も多いとのこと。

DSC00637

土と埃が舞うこの乾いた感じ。憧れます。


市街地を少し離れると、もうこんな感じ。
リューラルな空気が流れています。

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(なんだかファッションがとてもスタイリッシュ!)
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(ヘアスタイルもエッジが利いてます)


☆開発の陰でおいて行かれる女性たち
のどかで人ものんびり暮らしていて……と思ったら大間違いだそうで、30年ほど前に社会主義独裁政権であった、当時の首長を暗殺(公には事故とされている)してクーデターでできた今の体制。
内紛がつい最近もあった国。
国外退去勧告も出たり出なかったりとか。
現在、クーデターの火種はお隣のマリの方が注目されていますが、決して安心安全というわけではなく……。

金の産出が主な産業ですが、現地では石油が出るという噂も流れ、そこに目をつけている大国もあるそう。
鉱物資源を巡って大国の思惑が激しく交差する際に、男性は豊かさに邁進します。
しかし、同時に犠牲になるのは女性と子どもたち。
「結婚」という名の下に。

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(※写真に写っている人物と内容は関係ありません)

まず全体的に低い47.7%という純就学率
これは他のサブサハラ諸国(*1)アフリカにおいてサハラ砂漠より南の国)に比べても低い割合。
なぜこうなるか? 問われて答えてジャジャジャジャーン♪(古いなあ、古いよぉ(-_-;))

結婚が早いから

女性は、結婚&初産年齢が低年齢(初産妊婦の1/4が18才未満)であること、また多産多死(5才未満の幼児1000人に対し180名強が死亡:2003年)が多いため女性は一日中家事に追われるなどの理由から、就学率が男性と比べると圧倒的に低いという現実。
女性1人あたりの出産率は2004年で6.5人(*2)。小学校に子供連れでくる女子生徒も多いそうです。
そういう生徒は就学しても、途中で家族の面倒や、自身の出産などで通えなくなることがほとんど。


そうなるとただでさえ20%弱という低い識字率(農村部になると5%)における女性のそれは、圧倒的に低いものに。
都市部でも市場にいくと公用語のフランス語が通じない女性が多かったとのこと。
低い識字率は、低い就業率に従い女性がますます家事労働や農業に閉じ込められる
これでは、男女対等の結婚関係が難しくなります。


☆「子どもはたくさん!」の危険
よく結婚会見などで、夫のほうが子供はどのくらい欲しいかと問われ「野球ができるくらい」などというバ…(おっと)愚かな人がいますが、そういう発言は友人の女性いわく「殺す気か!」だそう。
多産とは母体のリスクを増やす行為です。
医学界の中では出産による物理的ストレスは子宮頸がんの危険率を上げるという人もいます。
男の自分が言うものなんですが、出産はものすごく女性の身体をすり減らす行為。
テレビの大家族ものを目にすると、むしろお母さんは健康なのだろうか……と気になって、というか気が気じゃなくなるので、自分は見ないようにしています。


何よりも多産をすごく不安視してしまうのは、それが「男性にとっての豊かさの象徴」だから。
おおざっぱに言ってしまえば「たくさん子どもがいて養っていられるオレ、金持ち」みたいな。
また、実際たくさんの子供を労働力として使えば、仕事ができるので実質的にも稼げるというところもあるようですが、児童労働は国連・子どもの権利条約において禁止事項ですので!
そんな価値観だと、ブルキナファソでは産めない妻が捨てられるということもあるそうで、「女性は産む機械」が現実にあるのだと思い知らされます。
まあ、少し前まで、というか未だに日本人男性でもそういう人いますよね(思考が貧しい!)


少子化の日本ですが、だからといってどこかの街の何とかさんとか、某大阪の首長さんちとかみたいな多産がもてはやされるのは何だか少し違う気がするのです。
多産型社会から生じる、出産の低年齢化とその社会的リスクが、米国でも問題になっているのは、また後日詳しく書こうと思います。


そんな中、女性が携わる産業として主力戦力になっているが、コレ。シアバター。
siabutter
sheasoap

ロレアルやロクシタンなどで有名ですが、現地では民間療法の材料として日常的に使われていたもの。
現地では驚くほどリーズナブルらしいのですが、簡単に溶けてしまうので輸送は必ず航空便でなければならず、それで欧州や米国や日本などでは高額になるそう。
女性たちがもっと社会に関わるきっかけとして、こいうった産業が活発になるといいのですが……。

コスメ業界は途上国の女性の就労支援などに関わっている企業も多く、頑張ってもらいたい。
女性が職業に携われる環境は、自立、識字率、しいては安全な出産や子育て向上に欠かせないプロセス。

子どもたちの将来のためにも、女性たちがもっと学び働ける場を作る援助も必要だと言ったら、それはまず情勢と基本的な生活環境を整えてからだと、生意気言うなとのたまわれました。
これだから、もう! 開発過程でジェンダーの問題置き去りにするとのちのち格差が問題になるんだってばよ!
ブルキナファソの男女格差が広がる前に、親子間の溝は広がったようです❤

以上、虎の威借りる、でもなく猫の手を借りるでもなく、親の脛をかじったルポでした。
お粗末さまです。(自分で行け!)。


※1(2007年ユネスコ発表)
※2(世界銀行世界開発指標)


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ライタープロフィール

小山圭一
小山圭一

フランスのリヨン大学第2大学にて「女性学」を学んだ後、テレビ制作にディレクターとして関わる。退社後、コンデナストパブリケーションズジャパンにて『VOGUE Nippon(現VOGUE Japan)』の編集者に。2年間、ファッションやライフスタイルページを担当。2008年、フリーエディターとして雑誌編集、及び執筆業をスタート。『marie claire』(アシェット婦人画報社)や『SPUR』(集英社)などに関わり、主に女性芸能人へのインタビューやファッションページなどを手がけている。フランス留学時に学んだ「女性学」結婚やキャリアに関する研究ベースとした、世界各地の恋愛事情に造詣が深い。
facebook:小山圭一