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  • 2016.11.14

恋と愛と暴力男と子どもの不幸。

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自分さえ耐えれば…と夫婦恋人間の問題で収まらないのがDV。
実際、DVの定義の中には「パートナー間の暴力を"見せる"こと」も含まれます。

前回挙げたシャリースは、親の暴力に影響された(被害者としての)子の中で、最も新しい話題となったスターですが、過去をさかのぼれば彼女のようなセレブは例を挙げればきりがなく……。
一部ですがご紹介。虐待の内容は報道された、もしくは本人が告発した被害内容です。



☆リンジー・ローハン(アイドル・女優・1986-)―実父による精神的虐待
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お騒がせセレブの代表格として、裁判の時の“みっともない”写真がパパラッチされたり、奇怪な行動が話題にされますが、それ以上に父マイケルが超ド級の問題児
アルバム「Little More Personal」に収録されている“Confessions Of A Broken Heart”の歌詞で父親への恨みを唄ったのは有名な話ですが、実生活は歌詞どころの話じゃなく、「私の前に二度と現れてほしくない」と言ったほど。
彼女の母である元妻とマイケルは離婚していますが、協議の際に家庭内暴力を訴えられていて、妻だけでなく妻の弟、さらに新しくできた恋人へのストーカーまがいの行為により、度重なる逮捕歴があります。
よくマスコミの前に現れて、娘のあることないことしゃべったり、あたかもスポークスマンのようにふるまったりという動画がyoutubeでアップされていますが、はっきり言ってアタマがおかしい! 
繰り返し言います、アタマがオカシイヨ、アナタ! 


何故突然カタコトになったのかは放って置いていただいて、数年前に彼女が来日した際、インタビューをしに行った友人が「スターじゃないみたい。あんなにピュアな人見たことない。あんな人がいいからみんなに騙されちゃうんだよ~」と言っていたのを思い出しました。

父を憎んでいながら、父をおなじようなストーキング行為を恋人サマンサ・ロンソンにしてしまうという、まさにねじれた人間関係の方法を教わってしまった子、そんな気がします。
逆にそのナイーブさと純粋さがあるからこそ、今でもクリエイターやデザイナーに愛されているのだと思うと、複雑な気持ち。
大ヒットドラマ「glee」の最新シリーズで復活すると見られていたり、同じくお騒がせセレブだった故リズ・テイラーを演じるとの目下の噂も早く実現化されてほしいと願うばかり。



☆アシュレー・ジャド(女優・1968-)―実母のネグレクトとそのパートナーたちによる性的虐待
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昨年「All That Is Bitter and Sweet」で、子ども時代の虐待を告発したアシュレー。
『恋する遺伝子』などで見せる強さを湛えているのに、同時にコミカルな演技は見ているこちらまで幸せになったもの。
が、告発された内容がもう見るに、いや読むに堪えない。

まず、10歳になる前に近所の男にいたずらをされます。
ナースとして女でひとつで2人の娘を育てていた母が、ひょんなことからカントリー歌手としてスターになります。
母の生活が荒れ、あらゆる男性と関係を持つようになりますが、それらはすべて麻薬を強要しあう関係。
家庭内に麻薬がはびこります。
少女だった彼女は、母と男たちとの性行為を度々目撃(見せつけられる)することになります。
それだけでは飽き足らず誰なのかはっきりさせていませんが、近親相姦という形でレイプされます。
15才くらいで自立してモデルの仕事をはじめ、日本に来ます。
ああ、やっと逃げられた…と思いきやまたもそこで、フランス人にレイプされます。

ここまでひどいと本人の脇が甘かったとか、よく本人に問題があるなどと言う人が出てきそうですが、とんでもない。
はっきり言ってレイプは100%した方に非があります。
銀行のドアが自動ドアだったところで、銀行強盗に制圧させられたとしても非は100%強盗にあるのと同じこと。
なんでそんな“セカンドレイプ”的発言を平気でできる人がいるんだろうと思います。


おっと、話が逸れました。
母親と、母親が作り出した機能不全の家庭の中に招き入れた男性たちに傷つけられた子ども時代。
ここまで酷い状態でよくぞ生き残ってくれましたと、それだけで拍手ものですが、すごいのはそこから。
女優として活躍しつつ、自分の中にある破壊願望や自殺願望、抑うつ症状を克服するためリハビリ施設に入り、そこで「自分の中の悪魔と戦う方法を知った」と言います。
その後結婚し、夫の家族とアメリカから遠く離れたスコットランドで暮らし、
現在では母と妹と向き合えているよう(この2人、アシュレーの告発本を否定しようと躍起になっていたこともありましたが…。因みに妹にも摂食障害がありました)。

途上国の児童支援や、エイズ対策活動の支援、自分と同じような子どもを減らすための広報活動など、人道支援に熱心。
女優としての本格復帰も期待です。



☆マイケル・ジャクソン(歌手・1958-2009)―実父による精神的・肉体的虐待
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いわずとしれた有名な虐待家族がマイケルの一家。
父の母親への暴力に悩まされていたジャクソン家。
しかしそれは、子どもで一儲けしようとした際に、同じようなパワーでマイケルたちを襲うことになったのはジャクソン5のメンバーたちがさまざまな所で証言した通り。
父親の暴力は単純な暴力だけではなく、巧妙な精神的操作もあったようです。
兄弟たちの前で、わざとマイケルだけを褒め、ひいきをし、それによって他の兄弟から疎まれるように仕組んだり……。
それが一番イヤだったという発言も残っています。
遺産は母と子とチャリティーに配分し、父親には一銭も渡さなかったのは当然だと言えます。



☆サンドラ・ディー(女優・1944-2005)―母親による食餌監視と養父の性的虐待。
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元祖ぶりっ子女優といえばサンドラ。
このキュートさでは、それはブリっこが許されても仕方ないと言わざるとえません。
ちょっとキャリー・マリガンに似ていると思うのは自分だけ?
子どもモデルとしてキャリアをスタートし、あまりの人気で10歳そこそこで年収75000ドル(今の価値で計算したら5億5千万円くらい?)。
ああ、10分の1いや100分の1でいいから下さい(ーー;)

母親はその見た目をキープさせるためか、徹底的に食事を貧相なものにし、なんと14才でサンドラを栄養失調(ナトリウムかカリウム)で危篤状態になるまで追い詰めます。
そんな常軌を逸した母親から実父は耐えられず離れていくのですが、そんな母にのこのこついてくる継父がまっとうなわけもなく、サンドラに性的行為を強要します。
「墓にすら行きたくない」というほど、継父を憎んでいたようですが、問題なのは母親。
なんと、自分の夫の性的虐待を知っていながら、無視していたそう。
もう、ホントこういう人、なんか、もうっ、あっ、イラっ。
自分の周囲で起こっている出来事を無視する人。
無視してもなかったことにはならないから! いい加減目覚めなさい!(懐っ) バカ!

つい、自分の感情が先に……失礼しました。
更にさらに、周囲から娘を徹底的に孤立させるという奇行ぶり。
「(友だちがいない生活は)ショートケーキみたいなものよ。
見たこともないなら、なくても寂しいと思えないじゃない。
友だちなんて持ったことがなかったわ」と後にマリ・クレール誌で語っています。
実父よ、何故サンドラを連れて逃げなかったのか責めたいところです。

50年代から60年代前半を駆け抜け、ゴールデン・グローブまで受賞した彼女でしたが、
精神疾患と摂食障害とアルコール依存に悩まされ、突如表舞台から姿を消しました。
彼女のことを知ってから、テレビで“子どもらしさ”を演じている人気子どもタレントたちを憐みの目でしか見られない症候群に……。
ア○ダのマ○ちゃん! 頑張らなくたっていいんだよ!
以上心の叫びです。余計なお世話です。




いずれも夫婦恋人間ですでに“暴力”を振っていた人たちが招きよせた“暴力”が子どもに及んだ結果です。

僕はDVの専門家ではないので、そう簡単に言い切ることはできませんが、
シャリースの母親の偉い所は「逃げた」というところにあると思います。
娘たちに危害が及ぶとわかったら、一緒に逃げた。
「離婚するのはみっともない」
「経済力がないから1人で育てられない」
「いつか暴力を振るわなくなるはず」
そういう言い訳を作らず、辛いから一緒に逃げた
それでいいんじゃないかと。


ちょっと暴力振るわれただけ。ウチは専門家にかかるほど、重症じゃない」
そうやってパートナーの暴力を軽く捉える人こそ危険で、暴力が自分以外の周囲に長年与え続ける影響を甘く見ていると思います。
個人的経験を言えば、そういう親と生活空間を共にして育った子どもが大人になってから精神を崩壊させて、亡くなる経過を10年以上にわたって見つめていました。
幼馴染だったのですが、暴力を隠し、絶えて絶えてようやく大人になって逃げられる状況になった時には遅かった。
もっと早く彼女の親が自分の暴力的パートナーから離れてくれていれば……と。
(ところが、離れたら離れたで問題で、DV加害者は被害者が逃げると、ものすごい執念で追いかけ、時には命を奪います。逃げた直後に殺人事件が多く起きるので、とりあえず逃げるのは危険とする専門家もいますが、これも逃げることがいけないのではなく、逃げた被害者を保護するシステムの欠落の問題だと思います)
加害者を治療するのは、まずそれから。
早く、一刻も早く逃げてほしいと願うばかりです。

DVの問題の深さを知ってもらうため、オレンジリボン運動があります。
http://www.orangeribbon.jp/
この運動の起源となった2004年に2人の幼い兄弟が亡くなった“小山市事件”こそ、親の暴力が感染して子どもの命を奪った典型的な例。
是非チェックしてみていただきたい、とかどっから目線なのかわからず申し訳ないのですが……。


一番大切な人には、自分の思い通りになって欲しいとか、自分に都合のいい行動をとって欲しいとかじゃなく、何よりも「その人自身が」幸せにいてほしいと望むのが、“幸せ”なんじゃないかなと。
それすら望めないのは、もうきっと“恋”ですらないと思っているのですが、どうなんだろう……。

束縛されたいとか、振り回されたいとか言う人もいるし、実際そういうのが心地よいらしく悪意の塊みたいな人とばかり付き合う人も見るし……思い出すとイライラ。
そういう人の背景に何があるのか、つい気になってしまいます。何なんでしょうね、恋って(-.-) フゥ


あっ、愚痴って終わった((+_+))



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ライタープロフィール

小山圭一
小山圭一

フランスのリヨン大学第2大学にて「女性学」を学んだ後、テレビ制作にディレクターとして関わる。退社後、コンデナストパブリケーションズジャパンにて『VOGUE Nippon(現VOGUE Japan)』の編集者に。2年間、ファッションやライフスタイルページを担当。2008年、フリーエディターとして雑誌編集、及び執筆業をスタート。『marie claire』(アシェット婦人画報社)や『SPUR』(集英社)などに関わり、主に女性芸能人へのインタビューやファッションページなどを手がけている。フランス留学時に学んだ「女性学」結婚やキャリアに関する研究ベースとした、世界各地の恋愛事情に造詣が深い。
facebook:小山圭一