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  • 2016.11.14

恋と愛と暴力男とチェック法。

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アメリカ合衆国では15秒に1人が経験し、フランスでは3人に1人が亡くなり、ロシアでは1日100人が被害者になる……
それが、IPV(Intimate Partner Violence)。
直訳すると「親しい間柄間の暴力」ですが、つまりは夫婦、恋人などパートナー間の暴力です。

いわゆるDV(ドメスティック バイオレンス)と言われるものですが、「家庭内暴力」とすると、児童虐待も含むか含まないかで問題になったり、日本では結婚していないと数に入れなかったりするので、IPVとします……と言いたい所ですが、あえてここはDVとしておきます。
だって、めんどくさいんだもん!

では、中国韓国日本はどのくらい?と言うと、大規模な調査がされておらず、はっきりしたデータが出ていないというのが本当のところ。
「日本はレイプ数もDV数も先進国で最も少ないんだぜ! Vivaニッポン!」的な無責任なつぶやきとか書きこみとかならまだしも、ニュースとかでコメンテーターが発言していて唖然。
へそで茶沸かしてあげたいくらい滑稽な発言。
一応東京都の調査によると、男性の15パーセントくらい、女性の30パーセント以上が何らかのDVの被害に遭ったことがあるそうですが、取り締まる法律自体も未熟なので、調査しようとしてもできないという人もいるくらい。
(4/20に内閣府が発表したところによると結婚したことのある女性の32.9%がDV被害の経験があり、そのうち41.4%が周囲に相談することすらしないとか。しかし、そもそも、日本の「家庭内暴力」は適用範囲が狭く、たとえレイプでも夫婦間だと成立しないなど問題だらけ)
う~ん。。。(-_-;)


☆被害に遭うセレブ、サポートするセレブ

DVに関しては最近だと歌手のリアーナが当時の恋人クリス・ブラウンにより殴打され、接近禁止命令が出ることになったのですが、その被害写真が世界的に公表され、見る人が凍りついたニュースが記憶に新しいところ。
先日亡くなったホイットニー・ヒューストンも夫による暴力被害者のひとり

被害に遭ったスターを挙げればキリがないですが、これをどうにかしようと立ち上がるスターがたくさんいます。

例えば代表格はリース・ウィザースプーン
新作『Black & White』も好調な才女ですが、被害女性のケアのためAVONが長年行っている基金にアンバサダーとして参加してきました。

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http://youtu.be/LzSCtn7XwpU (←実際の動画はこちら)


そして、このDV啓発CMでおそるべき女優魂を発揮したのが、『つぐない』のキーラ・ナイトレー
噂によるとこれ、ボディーダブル(スタント?)使ってないとか。

監督は同作品のオスカーノミニー、ジョー・ライト。

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http://youtu.be/ctoZbeD-GlY (←そのCMがこちら)

最近、フランス人俳優オリヴィエ・マルティネスと婚約したと伝えられているハル・ベリーは、
自身の経験を踏まえて、被害者保護のNGOのスポークス・パーソンに。
被害者が避難できるシェルターを私費で立ててしまう(しかも3件も!)のだからさすがハリウッド。

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http://youtu.be/l-ptHyCtZ_U (←キャンペーンアド動画)

アメリカのNational Institute of Justiceが約20年を費やし調査したパートナー間暴力の結果によると、
夫婦恋人間におこる殺人事件だけを見た場合、男女比率は同じだそうです。
ですが、“計画的でしつこく長期に渡る(言葉などの陰湿な)攻撃”に限定すると加害者の90%が男性なのだとか。

暴力は未発達な言語です。
自分の要求や欲求を言葉で伝えられない人が、その代用品として使います。
その方が手っ取り早いから。

そして暴力はは支配欲です。支配したいから強制する。
強制するのに一番早いのは、「力ずく」の方法です。


☆「力ずく」もいろいろ、「暴力」もいろいろ。だから今すぐチェック!
でも、「力ずく」にも物理的なものから、精神的、経済的、性的なものまでさまざま。

米のDV防止術のコンサルタント企業のHPには、自分に加害者の傾向がないかをチェックするため以下のような質問を問いかけるよう書かれています。

相手の加害者度をチェックするには、すべての「あなた」を「パートナーの名前」に置き換えてみればいいだけ
さてやってみましょう。ひとつでも当てはまれば要注意です。
「ブロークン・ウィンドウ現象」という言葉を聞いたことがあると思います。
道に無傷な車を停めておいても、手出しをされないが、窓にヒビを一つ入れた途端あっという間にいたずらされて破壊されてしまうという現象です。
ひとつのヒビだと放っておくと、「あ、いいんだ」と許された気分になって、あっという間にめちゃくちゃにされてしまうのが、暴力の怖いところです。

●18のクエスチョンで「加害者度チェック」●
1.あなたは今までパートナーを叩いたり、はたいたり、胸倉をつかんだり、脅したり、突然怖がらせたりしたことがありますか?
2.パートナーはあなたに怯えていますか?
3.あなたの子供はあなたに怯えてますか?
4.あなたの行動のせいで二人の関係が壊れていると考えたことはありますか?
5.態度を改めるという約束を破ったことはありますか?
6.不和があったとき壁やテーブルやその他のものを壊したことはありますか?
7.不和があったときパートナーを捕まえたり閉じ込めたり、出て行かないようにさせたりしたことはありますか?
8.パートナーがしたくないとわかっていることを、無理にさせようと圧力をかけて自分の思う通りにしたことは?
9.あなたのパートナーが「“あなた”はいつも私をコントロールしようとしてる」と言ったことは?
10.あなたはパートナーをどうにかしてやろうと、言葉で辱めたり、意地悪したり、ののしったりしたことはありますか?
11.あなたが責任のあることなのに、逆ギレして相手を避難したことはありますか?
12.あなたがされたことを覚えていて、相手の欠点をひとつひとつ数えている自分に気づいたことはありますか?
13 家族の問題やストレスや薬やお酒について、非難されたことはありますか?
14.浮気をしたり、パートナーとは別の方法で常軌を逸したな性行為をしたりしていますか?
15.子どもを虐待していると責められたことは?
16.パートナーの扱い方が問題で、子どもたちが精神的に傷ついていると思いますか?
17.あなたの所有的な行動や嫉妬について、パートナーが不平を言ったことは?
18.パートナーを傷つけてしまっても、謝れば態度を改めなくても許してもらえると思っていませんか?


パートナー間の暴力をチェックするのに、3.と15.16.で子どもに関する質問が出てきました。
不思議に思うかもしれませんが、パートナー間の暴力を放っておくと、子どもへの虐待への発展する恐れが大きく、そのためです。


最近その暴力から抜け出して、一気にスターになった天才歌手がいます。
それが↓の彼女。
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http://youtu.be/FnhPBH48CWo

"あなたの人生は痛みを伴うものだったと知ってるわ"、とセリーヌが言うとおり、シャリースのこの時までの道のりも暴力に支配されていました。
父による母への暴力。
それは娘の彼女にとっても恐怖だったと語っています。



「好きだから、ちょっとくらいの嫌がらせも見ないふり」
「好きだから思わず叩いちゃうの。だから理解してあげてるの」
「私がいないとダメな人だから……」
なんて考えていたら大間違い。
暴力を見て見ぬふりをしていれば、あなただけの問題じゃなくなる……。

彼女のライフストーリーを聞くと、そう言われている気分になります。
さてさて、では恋と結婚にまつわる暴力が、子どもに及ぶとどうなるか。
それは次で。


1~18すべてが当てはまるDV男の典型は、この映画でチェック!
『黙秘 Dolores Claiboun(1995)』
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作中DVに苦しむ主人公に復讐を唆す女主人の、このものすごく印象的なセリフに、実際の被害者にはこういう強さがあればと思うばかり。

“Sometimes being a b**ch is all a woman has to hang onto.(時にはね悪女になることが生きる手段になるのよ)”

http://www.imdb.com/rg/s/4/title/tt0109642/#lb-vi3986817305 (←女主人が殺人を仄めかす緊張のシーン)


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ライタープロフィール

小山圭一
小山圭一

フランスのリヨン大学第2大学にて「女性学」を学んだ後、テレビ制作にディレクターとして関わる。退社後、コンデナストパブリケーションズジャパンにて『VOGUE Nippon(現VOGUE Japan)』の編集者に。2年間、ファッションやライフスタイルページを担当。2008年、フリーエディターとして雑誌編集、及び執筆業をスタート。『marie claire』(アシェット婦人画報社)や『SPUR』(集英社)などに関わり、主に女性芸能人へのインタビューやファッションページなどを手がけている。フランス留学時に学んだ「女性学」結婚やキャリアに関する研究ベースとした、世界各地の恋愛事情に造詣が深い。
facebook:小山圭一