「誰でもいいから、紹介して」は、相手に対して失礼ではなかろうか。

昨日は、ITメディアのビジネス誠の記者さんからインタビュー取材を受けた。

拙著を読み込んでいただいていて、いろいろ質問を受けながら会話。

その記者さん(40代前半既婚男性)いわく、
「普通の人でいいのにって、言う女性は確かにたくさんいますよね。僕も、『誰でもいいから紹介してください』ってよく言われます」。

そうそう、「誰でもいいから紹介して」も、独身女性から持ち出される頻出ワードである。
で、ほんとに「誰でも」良かった試しがないのも、お決まり。

この、「誰でもいいから」というセリフ、よーく考えてみると、言ってる本人はへりくだっているつもりなのかもだが、言われる相手にとってはとても迷惑な言葉だ、という話になった。

「誰でもいい」わけがないのだから、受け手側がその人の持つ前提条件を想定してあげないといけない。たとえば・・・
・今の彼女の職場環境を考えると、どんな男性なら話が合うだろうか?
・この女性は、そこそこの大学を出ているから、それより上じゃないときっとダメと言うだろうなあ
よく旅行に行って美味しいものを食べているので、行動的多少グルメな男性じゃないといけないよね
お洒落には気を使っているので、あんまりイケてない外見・ファッションの男性も難しそう
・これらを全て賄うだけの収入だって必要だよね?
・・・と、こうしたことを相手に考えさせるという負担を強いているのである。
親身になってくれる相手であればあるほど、真剣に考えてくれる

それって、親切な相手に対して、あまりにも甘えていないか?

ビジネスシーンでこんな依頼はありえない。たとえば、ある会社が、重要なポジションに人を雇いたいので誰か知人に紹介を頼むとする。「誰でもいいから、紹介してくれ」なんて言いますか?
紹介を頼むからには、仕事の内容、必要なスペック要件や経験、期待値などを伝えますよね?

私、そんなつもりで『誰でもいいから』って言ったんじゃないんです。プライベートの何でもない会話なのに、そんな堅苦しいこと言わなくたって」。そう言うでしょうね。気持ちはわかります。

ここでの問題は、依頼している本人に「悪気がない」こと。単に何も考えてないのです。

あえて厳しく言うが、「紹介して」を口に出すなら、何が希望で、何は譲れないのかくらいは考えて伝えるべき。
でないと、親身になってくれる友人から紹介してくれる可能性すら、潰してしまうと思うのであります。だって、親しい人からの紹介は、最強の出会いのきっかけ(過去エントリ参照)なのだから。

ではまた。

Last updated  2012年04月21日 18時33分49秒